自転車ナビ|交通ルールとマナー 自転車に乗る時に気を付けること 自転車ナビ|交通ルールとマナー 自転車に乗る時に気を付けること

交通ルール どうして守らないといけない?

道路は自分だけのものじゃない

人が行き交う交差点

自分だけの部屋の中とはちがって、道路は公共の場所です。
子どもからご年配の方まで、あらゆる人が道路を利用しています。
自転車のほかに、自動車や歩行者なども、それぞれが違うスピードで違う方向に動いています。
これだけ多くの人が異なる移動手段で、異なる目的地に向かって同じ道路を共有しているのに、それぞれが自分勝手に動いてしまってはかならず事故が起きてしまいます。
すべての人が安心して、安全に道路を利用するために、交通ルールを守る必要があります。

自転車が特に気を付けてほしいポイント

自転車に乗る子どもと補助する父親

道路利用者のなかでは、ときに自転車は歩行者と自動車の中間のような、あいまいな存在に感じられることがあります。
どこを走ればいいのか、どの信号を見たらいいのかなど、わからない点や、間違えて覚えているルールがあるかもしれません。
子どもから大人まで、年代にかかわらず覚えてほしい、自転車特有のポイントをまとめました。
道路利用者の一員として、周囲への配慮を忘れない優しい自転車乗りであるために、ぜひご覧ください。

  • 自転車はどこを走ればいい?
  • 出会いがしらの事故に注意
  • 夜の自転車
  • ヘルメットのススメ
  • 事故になった時の対応
  • 自転車トピックス

車道が原則、歩道は例外

自転車走行ルール

自転車は原則的に、車道の左側を走ります。
右側を走行すると逆走となり、ルール通りに左側通行をしている自動車やほかの自転車とぶつかってしまう危険があります。

また、車道を走行するときは自動車と同じ信号に従います。
歩行者・自転車専用信号がある場合はそちらに従ってください。
信号で停止するときは自動車とおなじ停止線で止まりましょう。

歩道を走れるのはどんなとき?

普通自転車歩道通行可標識

下記のいずれかの条件に該当する場合は例外的に歩道を走行できます。

自転車が例外的に歩道を通行できる条件
「普通自転車歩道通行可」の標識や表示があるとき
13歳未満もしくは70歳以上の方が運転しているとき
一定の身体障がいを有する方が運転しているとき
交通の状況から見てやむを得ないと認められるとき

歩道では歩行者が優先です

自転車に乗る子どもと高齢者

歩道を通行する場合は、歩道のなかでも車道寄りを、いつでも停止できる速度で通行する必要があります。
歩行者を怖がらせたり、歩行者の通行の妨げにならないように注意しましょう。
安全のために、歩道では自転車から降りて、押して歩くことも有効です。

自転車による事故は「出会いがしら」がもっとも多い

出会いがしらによる事故の危険性

警察庁の統計資料によると、自転車による死亡・重傷につながる事故でもっとも多いのは「出会いがしら」の事故となっています。
出会いがしらの事故はとくに交差点で発生しやすく、自転車側に見落としや信号無視、一時不停止といった違反がある場合も多くあります。
自転車での走行中は交差点でのルールを守ることは、命を守るために特に重要な行動です。

自動車が壁になって見えにくい場面も注意

車道の左側を走行していると、自動車が壁になってしまい先が見えにくい状況があります。
停止している自動車によって先の状況が見えづらい場面では、左側を追い抜かずに手前で一時停止をして、安全を確認しましょう。

事故を防ぐためにできること

一時停止をする自転車に乗る女性

事故が起きやすい場所だからこそ、交差点では守らなくてはいけないルールがあります。
自転車での出会いがしら事故を防ぐポイントは、
・信号を守ること
・一時停止でしっかり止まって、安全確認すること
・左側通行をすること
・飛び出しをしないこと
出会いがしらの事故でもしも歩行者を巻き込んでしまえば、命にかかわる事故の加害者にもなります。
安全のためのルールをしっかり把握して交差点を通行しましょう。

夜の自転車は見えにくい?

夜道を走る自転車が、あなたの目に入らなかったことはありませんか?それは、ライトがついていない「無灯火」の自転車かもしれません。
暗い夜道でライトを点灯せずに自転車に乗っていると、自動車からも歩行者からも見えづらく、気付かれにくい状態となります。
夜間に自転車に乗る場合は、前照灯(白または淡黄色)と尾灯または反射器材の装備、点灯が義務です。

ライト点灯はなんのため?

夜間にライト点灯が必要な理由は大きく2つあります。
(1)自分の周囲の視界を確保するため
(2)周りの自動車や歩行者へ自分の存在を見せるため
一つ目の理由はすぐに思いつくでしょうが、二つ目の理由は意外と考えたことがない人がいるかもしれません。
ライトや反射材によって暗い中でも自分の存在を周囲にアピールすることで、事故の被害に遭ったり、事故の誘発を防ぐことにつながります。
ライトの点灯は自分だけでなく、周囲の安全を守ることにもなる大切な行動です。

命を守るために

夜間走行する自転車

内閣府の統計によると、夜間に自転車へ乗車しライトを点灯させていなかった場合の致死率は、点灯時の約1.8倍。つまりつけていないだけで、命を落とす可能性が2倍近く跳ね上がるということです。非市街地では致死率4.9倍となっており、街灯が少ない地域では、自転車の存在に気付くことが遅れ事故の際に危険性が増す傾向があります。
これらのデータを単なる数値と捉えず、ライトの重要性を改めて認識する必要があります。
・ライトの点検(しっかり点灯しますか?)
・反射材の着用(バッグやタイヤにも)
・夜間走行時の意識(速度は控えめに、周囲にも注意)
これだけで大幅に事故のリスクが減らせます。夜の道では、「見える」だけではなく、「見られる」ことが命を守ります。
「面倒くさい」「自分は見えてる」「すぐそこだから」などの理由に関わらず事故防止としてではなく、命を守るためにライト点灯を必ず徹底しましょう。

事故は“誰にでも”起こりうる

倒れる女性

まさか自分は事故になんて遭わないだろう。そう思っている人が多いのではないでしょうか。
でも、事故は突然起こってしまうもの。あなたが交通ルールを守っていても、周囲の不注意や偶然によって避けられないこともあるのです。
そんな「防ぎようのない事故」から、あなたの命を守ってくれるもの。
それが、ヘルメットです。頭部に大きな衝撃を受けて損傷すれば、命に関わる重大な結果を招きます。
ヘルメットは、その衝撃を吸収し、致命的なダメージを防ぐための、最も効果的な防具になります。

2023年4月に自転車利用時のヘルメット着用が全年齢で努力義務化されましたが、実際にはまだまだヘルメットを着用していない人も多くいます。
警察庁が発表した2025年6月の全国調査によると、ヘルメットの着用率はわずか21.2%。
しかし、事故は場所も年齢も選びません。ルールを守っていても、事故は突然起こるものです。
命を守るために有効だから、ヘルメットは努力義務となったのです。

ヘルメットは「正しく」着けることが大切

ヘルメットは、正しい使い方をしていないと効果を発揮できません。
例えばあごひもをしっかり締めていないヘルメットは、事故の際にほとんど意味を持ちません。
転倒や衝突の衝撃で、ヘルメットがズレたり外れたりしてしまえば、頭部を守ることはできません。
正しい着用のポイントは
・ヘルメットは頭にしっかりフィットさせる
・あごひもは指1本分の余裕でしっかり締める
・緩すぎず、キツすぎず、ズレないように調整

ヘルメットを着けたくない理由として、「ヘルメットは恥ずかしい」「周りがかぶっていないから、自分もかぶらない」
そういった感情は自然な感情かもしれません。
それでも、事故は見た目を気にしている間にも、突然起こります。そしてその瞬間に命を守れるかは、ヘルメットの有無で決まるかもしれない。
ヘルメットをかぶることは、恥ずかしいことではありません。それは、自分の命を大切にする勇気ある行動です。
そしてその姿は、周囲の人に「安全を考えることの大切さ」を伝える力にもなります。
自転車を安全に楽しむために、ヘルメットはかならず着用していきましょう。

「謝ったから、大丈夫」ではない

自転車と歩行者の接触

たとえばあなたが自転車に乗っていて、ついスピードを出しすぎたり、前をよく見ていなかったりで歩行者と軽くぶつかってしまったとします。
そして「相手も平気そうだし、謝っておけばいいかな」と、そのまま立ち去ってしまいました。
実は、この行為は大きな問題になってしまう可能性があります。

どういう問題がある?

自転車に乗っていて、もし人や物にぶつけてしまったり、逆にぶつけられてしまったら必ず警察に報告しなければなりません。
これは「道路交通法」で決められているルールです。
報告しないと、自転車事故の報告義務違反や救護義務違反となり、「当て逃げ」や「ひき逃げ」となる可能性があります。

自転車は車のなかま~自転車はルールを守って安全運転~|警察庁Webサイト

もしも自転車で事故を起こしてしまったら?

事故対応に困惑する女性

事故が起きた場合は落ち着いて、下記の対応をおこないましょう。
まずは負傷者の救護をおこなうことが大切です。

  • けが人の確認と現場の安全確保
    けがをした人がいれば119番で救急を呼ぶなどしましょう。
    また、安全な場所に移動しましょう。
  • 警察へ報告
    ちょっとぶつかっただけ、相手が「大丈夫、大丈夫」といっても必ず警察へ報告をしましょう。
    また、警察からの指示に従い行動しましょう。
    保険の請求などで必要となるので交通事故証明の交付をうけましょう。
  • 連絡先の交換
    相手と連絡先を交換しましょう。
  • 保険会社へ連絡
    保険等に加入している場合は連絡しましょう。
  • 医療機関へ受診
    軽傷だと思っても重い怪我が発覚することもあります。
    事故を起こした側も、事故の被害に遭った側も、早めに医師の診察を受けましょう。

青切符とは?

2026年4月より、自転車による違反行為が確認され、警察官の指導に従わずに危険な運転を継続するといった悪質な場合に「交通反則告知書」が交付され、反則金の支払いを求められる場合があります。
これがいわゆる「青切符」です。
「青切符」に該当する違反行為は100種類以上あります。
下のイラストはその一部をあらわしたものです。

青切符の対象となる反則行為の一部

青切符の対象となる違反行為の詳細については警察庁の情報をご確認ください。

なぜ「青切符」の制度が始まるの?

青切符制度が導入されることになった背景には、交通の多様化が進むなかで自転車の事故や違反への関心の高まりがあります。
自転車にとっては何気なくやっている行為であっても、周囲の歩行者やドライバーにとっては危険を感じることも多く、こうした反則金の制度を自転車による事故・違反の抑止やマナーアップのきっかけとし、安全な交通社会につなげていく狙いがあります。

自転車の交通違反の検挙件数

違反行為がすぐに反則金の対象となるわけではなく、指導や警告に従わなかった場合や交通事故に直結する危険な運転をおこなうといった悪質性があると判断された場合に反則金の対象となります。

違反となる行為が多すぎてむずかしい?

自転車の違反行為はたしかに対象となる違反の数が多く、すべてを正しく把握することは困難に感じるかもしれません。
しかしそれら行為が「違反」として指定されている理由は、交通上の安全を確保するために必要であるためです。
もしかしたら自分の運転がほかの歩行者、自転車、自動車に危険をおよぼす行動になっていないだろうか。
この点に気を付けていただくことで、自然と違反行為からは遠ざかることになります。

ヘルメットを被る女子学生

道路交通安全で大切なことは「周囲との共存」です。
自転車もその便利さの恩恵を受けるためには、周囲への配慮を忘れずに、安全な運転をする責任があります。
これからも自転車を安全に楽しく利用していくために、自転車の正しい使い方について確認しましょう。