自転車ナビ|小学生 小学生が自転車に乗る時に気を付けること 自転車ナビ|小学生 小学生が自転車に乗る時に気を付けること

「乗れるようになった!」その先にある危険とは?

「自転車に乗れるようになったよ!」「〇〇くんのお家で遊んでくる」
親にとっては子供の成長が嬉しい時期です。自転車に乗れるようになると、行動範囲が広がり、自由度も増します。
ですがその分、危険も増えるのが現実です。
飛び出しや並走、友達との競争、交通ルールの理解不足などの危ない行動は、どの子にも起こり得るものです。
だからこそ、「乗れるようになったその先」を見据えて、安全な環境づくりや声かけがとても大切です。

走行中の車の前に現れたこども
止まれの路面標示
自転車をこぐこども

小学生の自転車事故、実は75%にルール違反がある

令和6年 小学生の自転車による違反別事故状況
※公益財団法人 交通事故総合分析センターの資料をもとに作成

小学生の自転車事故に関する統計によると、75%にルール違反があることがわかっています。
「安全不確認」「交差点安全進行義務」「一時不停止」といった、安全確認に関連する事故が多く発生しています。

自転車と倒れるこども

統計としては安全確認の不足となっていますが、特に低学年など幼い年齢では、まだなにが危険で、なにが安全なのかの判断がついていない場合もあります。
また、ルールを守っていても事故に巻き込まれてしまうこともあります。
子どもたちが自分で危険を判断し、安全な行動を選択できるようになることを目指して、保護者や学校による見守りや指導といった安全教育をおこなうことが大切です。

小学生の事故・違反事例

  • 事例1
  • 事例2
  • 事例3
  • 事例4
自転車で転ぶ女の子

新しく買ってもらった自転車で近くの公園まで出かける途中で、少し急なカーブがありました。
スピードを落とさずにそのまま曲がろうとしましたが、ハンドルをうまく操作できずにバランスを崩してしまい、そのまま転んでケガをしてしまいました。

どうすればよかった?
自転車に乗る男の子

  • 1.曲がる前にスピードを緩める
    カーブの前ではブレーキをかけてスピードを落としましょう。スピードが速いとハンドルがうまく動かせなくなります。
  • 2.ハンドルは両手でしっかり持つ
    片手で運転すると、ふらふらして危険です。
    両手でしっかり持って、まっすぐに進めるようにしましょう。

一時停止を無視するこども

友達と公園へ遊びに向かうため、自転車に乗って出かけました。普段から人通りの少ない道を、いつものように横断しようと、まわりを確認せずにそのまま道路に出てしまいました。その瞬間「ピーッ!」と車のクラクションが鳴って、すぐ目の前を車が通りすぎていきました。
びっくりして直ぐに止まったので、車にはぶつからなかったけれど、心臓がドキドキ。

どうすればよかった?
止まれの標識

  • 1.「止まれ」の標識を見つける
    「きちんと止まる」「止まってからしっかり見る」ことが大切。
    車が来ていないか、きちんと止まって確認しましょう。
  • 2.右・左・右をしっかり見る
    車やバイクが来ていないか、歩いている人がいないか、
    「見たつもり」ではなく、きちんと顔を動かして確認しましょう。
  • 3.車が来ていたら通り過ぎるまで待つ
    あわてて進むと車とぶつかってしまいます。
    安全に進めるまで待つことが大切です。

自転車の衝突事故

自転車に乗るのが大好きで、毎日学校から帰ると近くの坂道をスピードを出して走るのが楽しみでした。ある日の夜、いつものように坂道を下っていました。スピードはどんどん上がり、時速20〜30キロにもなっていました。
そのとき前から歩いてきた女性に気づくのが遅れ、ブレーキをかける間もなく、女性にぶつかってしまいました。女性は頭を強く打ち、病院に運ばれました。命は助かりましたが、意識が戻らず、体も自由に動かせなくなってしまいました。事故のあと、女性の家族は裁判を起こし、裁判所は、「前方不注意」と「スピードの出しすぎ」が原因だと判断しました。
保護者に対して、9500万円の損害賠償を命じました。

どうすればよかった?
自転車に乗る女の子

  • 1.スピードは出しすぎない
    スピードが速いと止まれなくなります。
    歩いている人がいたらすぐに止まれるようにゆっくり走りましょう。
  • 2.前をしっかり見る
    友だちに手を振ったり、よそ見をして走るのはとても危険です。
    前をしっかり向いていつでもブレーキがかけられるように走りましょう。
  • 3.歩道では歩いている人が優先
    歩道を自転車で走るときは、歩いている人に気を付けましょう。
    歩行者がいるときは一時停止するなどして、ぶつからないようにしましょう。
  • 4.暗い時間は自転車に乗らない
    夕方や夜は暗くて前が見えにくく、危険な時間です。
    どうしても自転車に乗るときは、ライトをつけて、昼間よりも気を付けてゆっくり走りましょう。

青信号に迫る車

ある日の午後、自転車で塾からの帰り道を走っていました。横断歩道の前で止まり、信号が青になるのをしっかり待っていました。
「青になったから、わたっていいね」と、まわりを確認してから、自転車をこいでゆっくり横断を始めました。
でもそのとき、横から1台の車がスピードを落とさずに近づいてきて、止まらずに横断歩道に入ってきたのです!
「えっ!?」とびっくりして、急いでブレーキをかけて止まりました。車もギリギリで止まり、ぶつからずにすみましたが、とても怖い思いをしました。

どうすればよかった?
横断歩道を自転車で渡るこども

  • 1.信号が青でも、すぐに渡らない
    信号が青になっても、車がしっかり止まっているか確認しましょう。
    「青信号だから大丈夫」と思っても、止まらない車がいることもあります。
  • 2.横断歩道では、目と耳を使って安全確認
    渡る前に左右を見て、車や自転車が来ていないか注意しましょう。
    車が近づいている音が聞こえたら止まることも大切。
    飛び出すと車が止まれずにぶつかってしまうことがあります。
  • 3.いつでも止まれるように、スピードは控えめに
    横断歩道に近づいたら、渡る前にスピードを緩めてすぐに止まれるようにしましょう。スピードがゆっくりなら急に車が来ても止まることができます。

小学生が安全に自転車に乗るために、できること

自転車で出かける準備をする親子

小学生の交通事故は、自宅から半径500m以内の交差点で多く発生しています。
特に14時〜17時に集中しており、子どもの視野の狭さや注意不足が原因で、重大な事故に繋がることもあります。子どもはまだ交通ルールや危険への予測が十分ではありません。
だからこそ、保護者の皆さまのサポートがとても大切です。以下のようなことを、ぜひ日常の中で取り入れてみてください。
子ども自身が交通ルールを守ることはもちろん大切ですが、それ以上に重要なのは、大人が安全確認の習慣を教え、行動で示すことです。

  • 1.一緒に交通ルールを確認しましょう
    「青信号でもすぐに渡らない」など、実際の場面で教えることが効果的です。
    横断歩道の渡り方、信号の見方、車や自転車の動き方の予測等
  • 2.危険な場面を想像させてみましょう
    「もし車が止まらなかったらどうする?」と問いかけることで、考える力が育ちます。
    実際の道で「ここはどこに気をつける?」と話しながら歩く・走る・ニュースや体験談を使って、危険を身近に感じさせる。
  • 3.自転車の点検を一緒にしましょう
    「ブレーキはちゃんと効く?タイヤの空気は?」など、親子でチェックする習慣を。
    定期的なメンテナンスで事故を防ぐ。点検を通じて「自転車は乗り物である」という意識を育てる。
  • 4.「ふざけないで乗る」ことを繰り返し伝えましょう
    遊び感覚で乗ると、思わぬケガにつながります。
    並走・手ばなし・競争などの危険性を具体的に説明し、実際に転倒した事例などを使って、理解を深める。
  • 5.子どもの行動を見守り、声かけをしましょう
    「ちゃんと前を見てたね」「止まってから話そうね」など、良い行動をほめることが大切です。
    注意だけでなく、ポジティブな声かけで安全意識を育てる。
    子どもが「見てもらえている」と感じることで、行動が安定します。
  • 6.子どもの命を守るために、ヘルメットや反射材を必ずつけましょう。
    ヘルメットは転倒時の頭を守る大切な装備です。サイズが合っているか確認しましょう。
    反射材(リフレクター)やライトは、夕方や暗い道で車から見えやすくするために必要です。
    グローブやひじ・ひざパッドも、転倒時のケガを軽減します。
    「安全装備は、万が一のときに命を守る“おまもり”です。」

子どもの安全を守るのは、大人の責任です

ハートを手で囲む親子

子どもは大人の行動を見て育ちます。保護者自身が交通ルールを守り、安全な行動をとることで、子どもに「安全の大切さ」を伝えることができます。
子どもの安全を守るのは、大人の責任です。今できることを、ひとつずつ。子どもたちが安心して自転車に乗り、元気に過ごせる毎日のために、私たち大人がしっかり支えていきましょう。