オートハイビームを使えば、手動での切り替えは不要?(JAFユーザーテスト)
テスト実施日・諸条件
実施日 | 2019年1月28日(月) |
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テスト場所 | 日本自動車研究所 城里テストセンター(茨城県東茨城郡城里町) |
テスト背景 | 「オートハイビーム※」を装着している車が、対向車や歩行者などを眩惑させないかを検証した。 オートハイビームとは、前方の状況に応じて自動的にハイビームとロービームを切り替える「自動切替型前照灯」のこと。メーカーによって名称は異なるが、本テストでは「オートハイビーム」の名称に統一した。 |
テスト内容 |
オートハイビームを使用した場合、状況に応じてすばやくヘッドライトが自動で切り替わるか、対向車や歩行者などを眩惑させるおそれはないか、タイプの異なる3台の乗用車で2つのテストを行った。 テスト1 対向車とすれ違い後、すぐにロービームからハイビームに切り替わるか?① オートハイビームを作動し、テスト車がロービームで対向車に向かって 時速60km で走行② 対向車とすれ違い後、ハイビームに自動で切り替わった時間を測定 ※測定の都合上、対向車は停止状態で行った。 オートハイビームの機能例① テスト2 対向車などがある場合、どれくらい手前でハイビームからロービームに切り替わるか?① テスト車がハイビームを点灯して対象物(対向乗用車・バイク・自転車・歩行者・先行乗用車)に向かって 時速60km で走行② どこまで近づくと、ハイビームからロービームに切り替わるのか、距離を測定 ※測定の都合上、対象物は停止状態で行った。 オートハイビームの機能例② |
テスト結果
テスト1 対向車とすれ違い後、すぐにロービームからハイビームに切り替わるか?
結果は各車とも1秒台~3秒台の短時間でロービームからハイビームに切り替わった。しかし、時速60km で走行すると、約19m~58mをロービームで進んでしまうため、対向車の後方から歩行者が横断してくるような場面では発見が遅れてしまうことも考えられるので、注意が必要。
テスト2 対向車などがある場合、どれくらい手前でハイビームからロービームに切り替わるか?
結果は、対象が対向乗用車の場合は約750m手前で、先行乗用車の場合は約580m~670m手前でハイビームからロービームに切り替わったものの、 歩行者や自転車に対しては各車とも切り替わらずハイビームのままだった。 対向バイクの場合は、ハイビームからロービームに切り替わったが、その距離は対向乗用車のときよりも短かった。
まとめ
オートハイビームは、基本、歩行者や自転車にはハイビームからロービームに自動で切り替わらないため、歩行者や自転車を確認したら、眩惑させないように手動で切り替えることが大切である。
街灯やガードレールの反射板、標識などがあると、ロービームからハイビームに切り替わらなかったり、ロービームとハイビームの切り替えが不安定になることもある。
オートハイビームの機能を過信せず、状況に応じて手動で切り替えることが大切である。