【福島】大雨時はアンダーパスに要注意!
お知らせ 福島
2025年06月12日
アンダーパスとは?
アンダーパスとは、主に市街地において、道路や鉄道路線などの下を通過するように掘り下げられた道路のことを指します。アンダーパスは、渋滞の緩和や危険箇所の回避といった利便性を提供しますが、一方で、大雨時には排水機能が追いつかず冠水するリスクがあるため、注意が必要です。

アンダーパス イメージ(森合ガード)
冠水したアンダーパスでは、水位を目視で正確に判断することが難しく、予想以上に水位が高い場合に誤って進入してしまうことがあります。この原因として、路面が見えにくいことに加え、溜まった水に土砂や枝葉、ゴミなどが混じっていることが挙げられます。特に夜間では、冠水が雨で濡れた路面のように見える場合があり、さらに危険です。冠水したアンダーパスへの進入は事故や車両の故障につながる可能性が高く、非常に危険です。そのため、遭遇した際には適切な対応が求められます。本記事では、冠水の原因や危険性、そしてその対策について解説します。
福島県内の冠水危険箇所は116箇所
福島県のホームページによると、令和元年5月時点で、県内には冠水の危険がある箇所が116箇所確認されています。特に、JR東北本線やJR常磐線、阿武隈急行線、そして東北自動車道の下を通る場所に多く存在します。以下のボタンをクリックすると、福島県のホームページに掲載されている県内の冠水危険箇所の一覧をご覧いただけます。お住まいの地域や、通勤・通学で利用する道路をぜひご確認ください。
引用元:福島県ホームページ
冠水が起きる原因と危険性
アンダーパスが冠水する原因

【集中豪雨の増加】
近年、気候変動の影響により、短時間で大量の雨が降る集中豪雨が増加しています。 これに伴い、排水設備の処理能力を超える雨水が流入し、冠水が発生する事例が増加しています。
【都市化による影響】
都市開発により地表がコンクリートやアスファルトで覆われ、雨水の地中浸透が妨げられています。その結果、地表に流れる雨水が増加し、排水設備への負担が大きくなっています。
【低地での建設】
低地は地形的に雨水が集まりやすいため、大雨の際には冠水のリスクが高まります。さらに、こうした場所には雨水とともに土砂や枝葉、ゴミなども流れ込みやすく、これらが排水路を塞ぐことで排水機能が低下し、冠水を引き起こす可能性があります。
冠水したアンダーパスの危険性

エンジンルームに水が入り込むことで、エンジンが故障する恐れがあります。JAFの冠水路走行テストでは、水深30cmでも、走行速度や車両の種類によってエンジンルームへの浸水が確認されました。また、冠水により路面の視認性が低下するため、落下物や障害物との接触、あるいは側溝への脱輪などが発生する可能性もあります。
【車体の制御不能】
水深の浅い冠水路であっても、車両の制動距離が延びてブレーキが利きにくくなります。一般に、雨天時の制動距離は晴天時の約1.5倍になるとされており、その結果、側面や他の走行車両、歩行者への接触事故のリスクが高まります。
【視界不良】
大雨に加えて、冠水したアンダーパスへ進入した際に発生する水しぶきにより、前方の視界が著しく悪化します。この視界不良も、他車両や歩行者との接触につながるおそれがあります。
これらの事象は同時に発生する可能性があり、重大な事故や深刻な被害を引き起こす原因となります。
対策
最も有効なのは「冠水したアンダーパスに進入しないこと」
冠水による事故や故障を未然に防ぐうえで、最も有効な対策は「冠水したアンダーパスへ進入しないこと」です。 そのため、一部の箇所には進入防止のための設備や注意喚起の表示が設けられています。 平常時から、それらの設置されている場所や表示内容を把握しておくことが重要です。
また、雨天時には路面が濡れることにより制動距離が延び、車両の制御が困難になる場合があります。前方車両がアンダーパス直前で急停止する事態も想定されるため、適切な速度で走行し、十分な車間距離を確保するよう心掛けましょう。
路面冠水情報板・回転灯

路面冠水情報板 イメージ(森合ガード)
アンダーパスの進入口付近には、冠水を知らせる路面冠水情報板や回転灯などが設置されている場合があります。これらは、アンダーパス内に設置された水位検知システムと連動しており、「進入禁止」や「通行注意」などの情報を表示します。表示が出ていたり回転灯が点灯していたりする場合は、スピードを落とし、後続車にも停止の意思を示しましょう。そして、無理な進入は絶対に避けてください。
水位表示

水位表示 イメージ(森合ガード)
アンダーパス内の側面や路面には、危険な水位を知らせる「水位表示」が設置されている場合があります。これは、冠水時の水位を視覚的に確認し、進入を避けるための目安として設けられたものです。また、アンダーパスを日常的に利用するドライバーへの注意喚起としての役割も果たします。普段から利用するアンダーパスに水位表示があるかを確認しておき、冠水時には水深の目安として活用しましょう。
もしも冠水しているアンダーパスに進入してしまったら
冠水したアンダーパスに誤って進入してしまった場合の対処方法をご紹介します。 万が一の際に役立つ情報ですので、ぜひご覧ください。JAFユーザーテスト
JAFでは、ドライバーの車に関する疑問の解決や情報共有を目的に、さまざまな実験を行い、その調査結果を公開しています。調査結果は、JAF公式ウェブサイトをはじめ、機関紙「JAF Mate」や公式SNSアカウントなどで紹介しています。その中には、車の水没に関する実験もありますので、ご紹介します。実験結果だけでなく、実験の様子を収めた映像も公開されていますので、ぜひご覧ください。