4つの走行パターンと燃費(誰でもできるエコ運転術)
4つの走行パターンと燃費
車は、発進、巡航、減速、停止のパターンを繰り返しながら走行しています。
ガソリン車の場合
各パターンにおいて消費される燃料の量を比較してみましょう。
実際の走行中の燃料消費を見ると、発進時に消費される割合が非常に多くなっています。特に、ゴー・ストップの多い市街地では全体の約4割を占めており、完全停止からの発進時に燃料を多く使っていることが分かります。
次に多いのは、距離的に占める割合の高い巡航時で、全体の35%が消費されています。また、停止中の燃料消費は少量ですが、車が動いていないだけにムダな消費といえます。
ハイブリッド車の場合
ハイブリッド車はガソリンエンジンと電気モーターを併用することでガソリンの消費を少なくしています。特に多くのガソリンを必要とする発進時は、ハイブリッド車の強みの一つと言えます。車種やアクセルワークにもよりますが、電気モーターのみで約30km/hまで加速することができるハイブリッド車もあります。一方で、高速走行時は空気抵抗に負けない大きな駆動力を必要とするため、ガソリンエンジンの力も必要です。
走行パターンに合わせて、いかにガソリンの消費を少なくしながら電気モーターを駆動させるかが、ハイブリッド車におけるエコドライブの鍵といえるでしょう。
EVの場合
ガソリン車では一定量のガソリンで走行することのできる距離を「燃費」という数値で表現しますが、EVでは電力を消費するため「電費」という言葉で表現します。つまり、EVの場合はいかに「電費」を良くするのかを考えることがエコドライブの第一歩です。
EVでもハイブリッド車やガソリン車と同様に、発進時のアクセルワークや高速走行時の速度を意識することで、電力消費を抑えることができます。また、減速時には回生ブレーキによって運動エネルギーが回収され、駆動用バッテリーへ充電されていることを理解して意識することが必要です。
エコドライブは、走行パターン別に実施のポイントがあります。
走行パターンに応じたエコドライブでムダをなくそう
エコドライブのコツは、不必要な燃料消費をする運転操作をしないことです。
こんなことがムダ!
- 加速をしすぎて目標速度を超えてしまう(オーバーシュート)
- 前車との車間距離が短く、流れの速度が少しでも変わると減速・加速をしなくてはならない(波状運転)
- すぐ先で停止しなくてはならないのに、いつまでも加速を続けている
こうしたムダをなくすマネジメント運転がエコドライブです。
走行パターンごとのエコドライブのポイントは、次の点です。
ガソリン車の場合
Tip1 発進時 | 発進は一呼吸おいて、それからアクセルをじょじょに踏み込みましょう。 “ふんわりアクセル 『eスタート』”でやさしく発進。 |
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Tip2 走行時 | 先の状況をよく見て、アクセル一定で走行。 先の駐車車両や工事箇所などに早めに対処することで無駄な加減速をなくそう。 |
Tip3 減速時 | 停止位置を予測して、早めにアクセルOFF。 先の赤信号を見つけたら、アクセルオフでフューエルカットを活用。 |
Tip4 停車時 | 人を待つ間などは、アイドリングストップ。 一定時間停車する時はエンジンオフを習慣に。 ※イグニッションオフでは、エアバッグ・ウインカーなどの電装品は作動しません。 |
ハイブリッド車の場合
Tip1 発進時 | 30km/h程度まではアクセルをゆっくり踏み、電気モーターで加速。 アクセルを強く踏み込むとガソリンエンジンが作動してしまいます。 |
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Tip2 走行時 | 目標速度に達したタイミングで、一度アクセルから足を完全に外します。 電気モーターでの走行に切り替えます。 |
Tip3 減速時 | 早めのアクセルオフで回生ブレーキを活用。 減速時は駆動用バッテリーを充電するチャンスです。 |
Tip4 停車時 | 車が停まっているときにもできるエコドライブ。 長い時間停車する時はエンジンオフを習慣に。 ※イグニッションオフでは、エアバッグ・ウインカーなどの電装品は作動しません。 |
EVの場合
Tip1 発進時 | アクセルは徐々に踏み込んで、スムーズに加速しましょう。 急発進は電費悪化の原因となります。ふんわりアクセルでやさしく発進。 |
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Tip2 走行時 | スピードを出し過ぎないことがエコドライブのポイント。 EVはガソリン車と異なり、速度が上がるほどエネルギー効率が悪くなる傾向にあります。 |
Tip3 減速時 | 早めのアクセルオフで回生ブレーキを活用。 減速時は駆動用バッテリーを充電するチャンスです。 |
Tip4 停車時 | 車が停まっているときにもできるエコドライブ。 長い時間停車する時はEVシステムオフを習慣に。 ※イグニッションオフでは、エアバッグ・ウインカーなどの電装品は作動しません。 |