夏の車内温度と水分喪失量(JAFユーザーテスト)

テスト実施日・諸条件

実施日 2025年9月9日(火)
テスト場所 イオンモール北戸田 駐車場(埼玉県戸田市)
天候 晴れ時々曇り
最高気温34℃(気象庁より)
テスト背景 夏季には、日向に駐車した車両の車内温度が短時間で急上昇し危険であるほか、外気温が高く直射日光が入る環境では、エアコンを使用していても脱水症状を引き起こす可能性があるといわれている。今回は、「日向と日陰(立体駐車場)における車内温度の変化の比較」と、「エアコン作動中の水分喪失量」について検証をおこなった。
テスト内容

テスト1 車内温度の変化を検証

同一車種の車両を日向に2台、立体駐車場の日陰に1台駐車し、温度計を用いて車内温度の変化を測定した。あわせて、運転席と助手席の間、2列目および3列目のシート中央に暑さ指数計を設置し、暑さ指数を測定。

  • 暑さ指数:人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい「湿度」「日射・輻射など周辺の熱環境」「気温」の3つを取り入れたもの。

テスト2 エアコン作動中の水分喪失量を測定

エアコンを作動させた車内で50分間過ごした際の水分喪失量を検証した。エアコンは25℃・風量オートに設定し、車内にはサーモグラフィーや暑さ指数計、温度計を設置して車内環境を測定。モニターは検証前後で体重を測定し、その差から水分喪失量を算出した。

テスト結果

テスト1 車内温度の変化を検証

日向に駐車した場合、エアコン停止からわずか5分で運転席の車内温度は38℃を記録した。最終的には53℃に達し、暑さ指数は「危険」レベルを大きく上回る結果となった。一方、日陰に駐車した場合は、温度上昇を大幅に抑えたものの、運転席の車内温度は33℃に達し、暑さ指数は「警戒」レベルを示した。

サーモグラフィー(5分経過)
サーモグラフィー(90分経過)
運転席の車内温度 推移比較
運転席の暑さ指数 推移比較

熱中症のメカニズムに詳しい熱中症総合研究所の三宅医師のコメント
日向と日陰の最も大きな違いは日差しがあるかないかです。日差しでダッシュボードやハンドルが温まってヒーターのようになり、体を温めます。直接日差しが当たればより体を温めます。車内に人がいる場合、体温や吐く息、蒸発した汗などによってより過酷な環境となります。
大人に比べ子どもは体が小さい分、環境の影響を大きく受けます。過酷な環境では早く体温が上がり、脱水も進みやすいので、熱中症により早くなる可能性があります。

テスト2 エアコン作動中の水分喪失量を測定

約1時間の実験で助手席は335g、3列目では473gと500mlペットボトル1本分に近い水分量が失われた。
車内温度を測定したところ、助手席と3列目では平均して約6℃の差があり、暑さ指数は助手席は「ほぼ安全」レベル、2列目、3列目では「注意」レベルを示した。

助手席モニター
3列目モニター
車内温度 推移比較
暑さ指数 推移比較

熱中症のメカニズムに詳しい熱中症総合研究所の三宅医師のコメント
車内にいるだけで熱中症になる危険性は低いが、水分が不足した状態で活動すると熱中症のリスクが高まります。エアコンの風が当たりにくい席では、直射日光をできるだけ避け水分補給をすることが大切です。

まとめ

  • 真夏の日向に駐車した場合、運転席の車内温度は53℃に達し、暑さ指数は「危険」レベルを大きく上回る結果となった。
  • 日陰に駐車することは日向と比べれば車内温度の上昇抑制という点で大きな効果があったが、暑さ指数は「警戒」を示した。日陰であっても高齢者、子ども、ペットなどを車内に残すことは危険である。
  • 助手席、3列目ともに車内で座っているだけで、ペットボトル1本分に近い水分量が失われた。助手席ではエアコンの風は感じる一方、日差しの影響により暑さを感じた。これに対し、3列目は、エアコンは稼働していたものの、送風が行き渡らず、室内に暑さを感じる状況が見受けられた。
  • 車内に座っているだけでも水分が失われることから、乗車中であっても積極的な水分補給が重要となる。