自転車の荷物満載、傘差しはこんなに危険!(JAFユーザーテスト)

テスト実施日・諸条件

実施日 2015年6月17日
テスト場所 葛西橋自動車教習所
テスト背景

★荷物をハンドルにかけての運転や傘差し運転は道路交通法違反!!★

改正道路交通法の施行で自転車の違反に対する対応が厳しくなったが、まだ携帯傘を片手に自転車に乗る人を見かける。また多くの荷物と子供を乗せて自転車に乗る女性も安全上気になる存在だ。そこで今回は道交法に触れるものの街でよく見る「傘差し運転」とハンドルまで荷物を満載した「荷物+子供」の状態が、通常の運転に比べてどの程度危険なのか検証した。
テスト内容 男女各3名が以下の項目でテスト。
ふらつき実験(パイロンスラローム、駐車車両回避などを設定)と制動距離
  • 荷物を載せた状態
    前の籠に米(7kg)、後席に幼児のダミー人形(8.5kg)、ハンドル左右にそれぞれ2Lペットボトル2本ずつ(8kg)
  • 荷物を載せた状態でタイヤ空気圧半分
  • 傘を差して片手運転の状態(荷物無し)
  • 通常走行

テスト結果

制動距離

片手運転は制動距離が伸びる一番の原因となる。

ふらつき実験

  • 荷物がある場合、発進の際に重さのためふらつきが見られる。
  • パイロンスラロームを走行時に荷物を載せた状態と傘を差した状態でパイロンスラロームを走行時にパイロンに接触することがあり、ハンドルを切り返す際にペットボトルの重さで切り替えしにくい。傘を差した状態でも同じく切り返しにくい。
  • タイヤ空気圧を下げると切り返しの際にすべるような感覚になり運転が難しくなる。
  • 駐車車両を回避する際も、荷物を載せた状態は通常走行に比べ大きく膨らむ傾向がある。

パイロンスラローム

駐車車両追い越し

青山学院大学理工学部 小川武史教授の解説

「自転車は速度が出るほど安定するので、発進時や低速で小回りが要求される場面ではバランスが取りづらくなります。特に車重があるほどコントロールは難しくなりますね。また、自転車はブレーキングの際に荷重が前輪に集中するため、制動力の多くは前輪に依存します。そのため、左手で後輪のみブレーキをかけた場合、制動力が圧倒的に弱くなるのです。」 

まとめ

  • 荷物を載せた状態では自転車をコントロールが通常走行に比べ難しくなるために、注意が必要。またブレーキが利きにくくなるために早めのブレーキを心掛ける。
  • 傘を差しての片手運転はハンドル・ブレーキ操作が困難になるためしない。
  • 自動車運転時も駐車車両追い越し時の自転車の挙動(ふらつきなど)に注意する。