真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)
短時間で熱中症の危険!
テスト条件
実施日 | 2012年8月22日・23日 |
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場所 | 彩湖・道満グリーンパーク駐車場(埼玉県戸田市) |
天候 | 晴れ |
気温 | 35度 |
テスト | 午後12時から4時間、駐車条件の異なる車両(ミニバン)を5台用意し、炎天下における車内温度を測定。 |
車両条件 |
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①対策なし(黒) |
②対策なし(白) |
③サンシェード装着 |
④窓開け(3cm) |
⑤エアコン作動 |
各車両の室温を25℃に揃え、3つのテストを実施した。
テスト1:サンシェード装着や窓開けなどの対策で、車内温度の上昇は防げる?
温度計測器を用いて、各車両の車内温度の変化を測定した。
車内最高温度 | 車内平均温度 | ダッシュボード最高温度 | |
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対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
サンシェード装着 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
窓開け(3cm) | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
結果
対策なし(黒)の車内温度が一番高く推移していたが、サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり、車内温度の上昇を防ぐことはできない。
また、エアコン作動車では、温度の上昇は防げるが、エンジンをかけたままだと、誤操作で車が動いたり、燃料切れでエンジンが止まってしまう可能性がある。排ガスなどの環境面にも問題がある。
テスト2:短時間であれば、子どもを車内に残しても安全?
コンビニやスーパーなどの駐車場に子どもを車内に残した状況を想定して、熱中症の危険度を測定した。熱中症指標計(写真中央)を用いて、WBGT(熱中症指数)※を算出(右グラフ参照)
- WBGT(熱中症指数)とは人体の熱収支に影響の大きい気温、湿度、輻射熱の3つを取り入れた指標で、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算する。暑さ指数ともいう。
結果
エアコン停止からわずか15分で、熱中症指数が危険レベルに達した。
乳幼児は体温調節機能が未発達で、高温下では短時間で体温が上昇し、死に至ることがある。寝ているからという理由で、車内に子どもを残すのは大変危険である。
また、高齢者も加齢にともない、体温調節機能が低下するため、同じように危険である。
テスト3:ダッシュボードにものを置いても大丈夫?
スマートフォンやライターなどの日用品をダッシュボードに置き、時間経過とともに状態変化を調べた。
結果
ダッシュボードは車内の温度よりさらに高温になった。
スマートフォンは高温に耐えられず、一時的に使用不能となった。
スプレー缶やライターは、今回破裂したり、引火することはなかったが、可燃性の高い危険物を車内に置くことは避けるべきである。
さらに、ハンドルも高温になりやすいため、車に乗車する際には、火傷などには注意が必要である。