【JAF鹿児島×環境省】奄美ゼロードキルプロジェクト~アマミノクロウサギの交通事故ゼロを目指す~② 奄美を訪問!
お知らせ 鹿児島
2024年02月29日
ゼロードキルを目指し活動中
JAF鹿児島支部は、環境省奄美野生生物保護センターの方々と協働で「ゼロードキル」(=ロードキルゼロ)を目指し活動しています。今回は、昨年10月末の奄美訪問時の活動についてご報告いたします。奄美野生生物保護センターにて、ディスカッション
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多くのプロジェクトメンバーが、奄美野生生物保護センターの方々と初対面。アマミノクロウサギの生態や、ロードキルの実情などについて理解を深めることができました。さらに、ロードキルの対象はアマミノクロウサギだけでなく、カエルやネズミなどの希少生物も含まれること、野生生物増加による農作物の被害、地域住民と野生生物の共生など、さまざまな課題があることも分かりました。
ついにアマミノクロウサギと対面!
実は、アマミノクロウサギを見たことがなかった鹿児島支部メンバー。奄美野生生物保護センターの方々に案内していただき、ついにアマミノクロウサギを目にしました。訪れたのは10月末。空が少し暗くなった17時半ごろに移動を開始。目を凝らしてゆっくり進んでいくも、なかなか動物に出会えず、あきらめかけたそのとき、1頭のアマミノクロウサギが!土の色と同化して見えずらく、減速していなければ存在に気付かなかったかもしれないと感じました。あたりが完全に暗くなった19時前には次々と目撃し、合計で4~5頭のアマミノクロウサギを見ることができました。このほかにも、アマミハナサキガエルやアマミヤシギなどの希少生物にも出会いました。![](/-/media/3/491/498/3966/m1GGQbWaA30L.jpg?mw=520&rev=46aa552137d64b5797966b41a99fb2c6&hash=743CCEECA22C823C51F228171511E594)
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ロードキル対策も視察
ロードキルが多発している場所は、街灯がなく、木や葉が生い茂っており、見通しの悪い道路でした。また、アマミノクロウサギの侵入を防ぐネットには、穴が開いているものも見られました。この穴はアマミノクロウサギが開けたものと考えられますが、台風や大雨で崩壊することも多く、メンテナンスが大変なようです。
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ロードキル多発「三太郎線」の夜間利用ルール
ナイトツアーのあり方を考えた取り組みも紹介していただきました。市道三太郎線は、奄美大島の中央に位置し、2021年7月に登録された世界自然遺産の緩衝地帯かつ遺産地域の入口を通る道路です。周辺は深い森に囲まれており、夜の三太郎線では、アマミノクロウサギをはじめとする希少生物が多く見られることから、野生生物の観察などを目的とした夜間の車両通行が増え、ロードキルも増加しました。そこで、三太郎線の夜間の利用はWEBでの事前予約制となり、時速10キロ以下で走行するなどのルールが定められました。また、三太郎線では減速帯を設置するなどハード面でも対策に取り組んでいますが、減速帯の周りは枯れ葉が多く滑りやすく、減速帯を避けての走行もあるようで、効果的に機能していないとも考えられます。![](/-/media/3/491/498/3966/k4iZsmix0B17.jpg?mw=520&rev=8b06f65eb3e7457b8ebecc1d9183804d&hash=772D97EF54D04A9AD386B86F0EAAF79C)
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ルール導入2年目、アマミノクロウサギの交通事故死は4件に増加
夜間利用ルールの導入は効果的で、アマミノクロウサギの場合、導入1年目の交通事故死は1件でした。しかし、2年目は4件に増加したことが報告されました。ルールの周知・確実な実施が重要となります。このようなルールを守るのはもちろんですが、環境省では、奄美大島エコツアーガイド連絡協議会に所属しているガイドの利用を推奨しています。エコツアーガイドが同行することで、夜道でも安全にたくさんの生きものが観察できます。野生生物だけでなく、観察者の安全と満足できる体験のためにもガイドのご利用をよろしくお願いいたします。
JAF鹿児島支部は今後も「ロードキルゼロ」を目指し活動していきます。