【JAF鹿児島×環境省】奄美ゼロードキルプロジェクト~アマミノクロウサギの交通事故ゼロを目指す~① 過去最多のロードキル数

お知らせ 鹿児島

2024年02月21日

「ロードキル」という言葉をご存じですか?

ロードキルとは、広義には道路に関係する野生生物の事故のことを指し、交通事故のほかに、側溝への転落死なども含まれます。
「ロードキル」という言葉を聞いたことがなかったかたも、道路上でタヌキやイタチなどの野生生物が倒れている姿を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
JAF鹿児島支部は、鹿児島県奄美大島および徳之島の2島にのみ生息する「アマミノクロウサギ」のロードキルに着目しています。
アマミノクロウサギは、短い耳、黒い毛、するどい爪が特徴で夜行性です。奄美大島で約2,000~4,800頭、徳之島で約200頭生息していると推定されており、絶滅危惧IB類(環境省第4次レッドリスト)に指定されている希少な動物です。(環境省:2003年時点)

夜道を歩くアマミノクロウサギ:環境省野生生物保護センター提供

警戒標識

実は個体数が増えている?では、ロードキルは問題ない?

2023年も奄美において過去最多を更新

環境省の調査結果をもとにJAF鹿児島支部作成
希少動物であるアマミノクロウサギですが、実は個体数が急激に回復しています。環境省の調査では、2021年度の推定個体数(中央値)は22,382匹と、調査が始まった2003年度(2,620匹)の約8.5倍となりました。これは、天敵であるマングースの駆除が進んだことが大きな要因と考えられています。それと同時にロードキルの件数も年々増えています。環境省によると、奄美大島におけるアマミノクロウサギのロードキル件数は、2023年に147件と、過去最高であった前年の107件を大幅に上回りました。徳之島では、2023年は28件と、前年と比べると少なくなったものの、過去2番目に多くなりました。個体数が回復して嬉しい反面、ロードキルは交通事故です。「ロードキルが増えている」「ロードキルが減らない」という事実は問題であると考えます。

奄美ゼロードキルプロジェクト

奄美大島における”ロードキルゼロ”を目指します

JAF鹿児島支部は、ロードキルが増えているという状況を改善するため、「奄美ゼロードキルプロジェクト」と題し、環境省奄美野生生物保護センターの方々とオンラインミーティングを重ねています。話し合いの中で、ロードキルにおけるデータが不足しているという問題が明らかになりました。いつ、どこで、だれがロードキルを起こしてしまっているのか、ロードキルの認知度はどれくらいなのかなどのデータが足りていません。そこで、プロジェクトの第一歩として、ロードキルに関するアンケートを実施しました。アンケート結果は「こちら」で公開しています。ぜひご覧ください。
JAF鹿児島支部は今後も「ロードキルゼロ」を目指し活動していきます。