座ってできるドライビングストレッチ
座ってできるドライビングストレッチとは
「座ってできるドライビングストレッチ」とは、運転中の動作がスムーズにできるように肩や首、背骨を柔らかくする体操です。
日本作業療法士協会の協力のもと考案した、座ってできる体操を動画で紹介しています。
長く楽しく安全運転を続けられるよう、日々、体のメンテナンスとして無理のない範囲で体操を継続していきましょう!
体操の注意点
- ①この体操は、ご自宅でも車内でもできますが、車内で体操する時は、駐車場などの安全な場所に停車して、エンジンを切ってからおこなってください。
- ②ゆっくりと無理のない範囲でおこなってください。万が一、痛みを感じたり、気分が悪くなった場合には、中止してください。
- ③自然に呼吸をしながらリラックスして体操をおこないましょう。息を止めると逆に筋肉が緊張してしまいます。
ハンドル操作をスムーズにする体操
運転中には危険を回避するためにとっさにハンドルを操作する必要があります。そのためには、普段から適切な姿勢で、腕を適度な力で適切な位置に固定しハンドルを持つことと、腕が素早く、なめらかに動かせることが必要です。
肩回りの筋肉がこり固まっていると、腕の動きが悪くなる可能性がありますので、肩回りの筋肉をほぐしていきましょう。
肩を持ち上げる体操
- ①両側の肩が耳に近づくようにゆっくりと持ち上げます。
- ②上までいったら、ストンと肩をおろします。
- ③④同じ動作を3回繰り返します。
首を伸ばす体操
- ①左手で右耳の上あたりを持ってゆっくりと3秒かけて頭を左に倒します。
- ②ゆっくりと頭を起こします。
- ③右手で左耳の上あたりを持って、ゆっくりと3秒かけて頭を右に倒します。
- ④ゆっくりと頭を起こします。
- ⑤交互に3回繰り返します。
- 頭を倒す方向と逆側の肩が上がらないように注意してください。
肩をグルグルと回す体操
- ①両手の指先を軽く肩につけ、肘を大きく回すようにゆっくり動かします。
- ②正面から見ると左右の肘の先端が「横にした8の字」を描くように3周まわします。
- ③先程と同様のポーズで、反対方向にまわします。
- ④反対まわりでも同様に、正面から見ると左右の肘の先端が「8の字」を描くように3周まわします。
- ⑤交互に2回繰り返します。
- できるだけ、自分の胸の前で肘と肘がくっつくように、外側では肘が体のラインより後ろに行くようにします。
振り向きやすくする体操
安全運転には左右や前後などの目視確認が欠かせません。しかし、高齢者の振り向く角度は、若年層に比べて40度小さいといわれています。
そのうち30度は胸と腰、すなわち体幹をひねる量の低下です。特に腰痛などがあると、痛みをさけるため、振り向く角度が小さくなりますが、無理のない範囲で体や首をほぐしていきましょう。
体と首をひねる体操
- ①できるだけ自分の真後ろを見るように、ゆっくりと3秒かけて左側に体と首をひねります。
- ②ゆっくりと戻します。
- ③できるだけ自分の真後ろを見るように、ゆっくりと3秒かけて右側に体と首をひねります。
- ④ゆっくりと戻します。
- ⑤交互に3回繰り返します。
- 手でイスのシートや背もたれをつかんでも良いですし、膝や太ももを支えにしても構いません。
首をひねる体操
- ①できるだけ自分の真横を向くように、左側に首をひねります。
- ②ゆっくりと戻します。
- ③できるだけ自分の真横を向くように、右側に首をひねります。
- ④ゆっくりと戻します。
- ⑤交互に3回繰り返します。
- 痛みを感じる場合は無理せずに、痛くない範囲でひねります。
よい運転姿勢を保つ体操
高齢者はさまざまな活動が今まで通り出来ていても、疲れやちょっとした不調で、運動能力が急激に低下する場合があります。
体幹の柔軟性が不十分だと乗り降りがしづらくなったり、背中や腰がシートとうまくフィットせず、余計な力が入り、疲れやすくなることもあります。
また、若い頃と比べて背中が丸くなった方や、少し下を向いて歩く癖がある方は、信号などを見上げにくくなることもあります。
背骨まわりの筋肉をほぐしていきましょう。
背骨の体操
- ①おへそをのぞき込むようにゆっくりと丸くなります。この時、腰骨をしっかりと後ろに倒して、背中が真ん丸になるイメージで丸くなります。
- ②ゆっくりと元の背筋を伸ばした状態まで姿勢を戻します。
- ③できるだけ自分の真上の天井をみるように上を向きます。
- ④ゆっくりと①の姿勢まで戻します。
- ⑤同じ動作を3回繰り返します。
- 痛みを感じる場合は、痛みのない範囲で上を見るようにします。
安全運転を続けるために
安全運転を続けるためには、「どうしたら疲れをためずに運転できるか」ということがポイントになります。
疲れをためない方法について、みなさんで話し合ってみることや、専門家に相談してみることもいいでしょう。
作業療法士は、日常的におこなう基本的な生活動作や、運転などの応用的な動作を分析し、治療・指導・援助をおこなう専門家です。