5月ならまだ大丈夫?車内での熱中症の危険(JAFユーザーテスト)

テスト実施日・諸条件

実施日 2019年5月8日(水)
テスト場所 彩湖・道満グリーンパーク駐車場(埼玉県戸田市)
テスト背景 春先から初夏にかけて快適な気候でも車内の温度が上昇し熱中症を招く恐れがあるため、今回の実験では大きさが異なる2台の車両を使用し、快適な気候で車を長時間駐車した際に車内温度の上昇に違いがあるのか、また湿度の違いによって熱中症の目安となる暑さ指数(WBGT)に違いがあるのか検証した。
テスト内容

テスト1 車体が大きいほうが、車内温度は上がりにくい?

テスト車両には大型SUVと軽ワゴンを使用しテストを行った。 車両を南向きに配置し、どちらも車内温度(運転席と助手席の間で計測)に加え、ダッシュボード、ハンドル上部の温度を計測。
ダッシュボードにはスマートフォンとタブレットを置いて時間経過とともに作動状況を検証

外気温:23.3℃〜24.4℃
外湿度:11~19%

SUVと軽ワゴン

温度計

スマートフォンとタブレット

テスト2 湿度が高いほど熱中症になりやすい?

同じ車2台を使ってテストを行った。A車の車内湿度は屋外と同じ15%、B車は加湿器で車内の湿度を45%まで上げて、一定時間を経過したときに熱中症の目安となる暑さ指数(WBGT)が、それぞれどうなるか計測した。テスト開始時の車内温度は約30℃だった。

テスト車両

熱中症指数計

テスト結果

テスト1 車体が大きいほうが、車内温度は上がりにくい?

1時間後の車内の様子
SUVと軽ワゴンの車内温度の結果

SUVの車内温度の方が高くなった。
テスト開始1時間後にはSUVの車内温度が43.5℃になり、軽ワゴンより6℃高くなった。その後も車内の温度上昇した。

テスト開始時のダッシュボードの温度1時間後のダッシュボードの温度

左)テスト開始時のダッシュボードの温度(右)1時間後のダッシュボードの温度

赤外線サーモグラフィを見ると、SUVのダッシュボードの方がより赤く高温になっていることが分かります。テスト開始1時間後のダッシュボードの温度はSUVが57.3℃、軽ワゴンが41.0℃となりました。

スマートフォンの高温注意表示

また、ダッシュボードの上に置いたスマートフォンとタブレットは、どの車両も約30分で高温になり一部の機能を除いて使用できない状況になりました。

テスト1の結果では、軽ワゴンと比べて大型SUVの方が、車内温度とダッシュボードの温度が高くなりました。要因として、大型SUVは軽ワゴンよりフロントガラスの面積が広く角度が浅いため、より直射日光がダッシュボードに当たっていたことが考えられます。

テスト2 湿度が高いほど熱中症になりやすい?

湿度が高いと熱中症になる危険が高くなった。

湿度15%の車両の暑さ指数

湿度45%の車両の暑さ指数

※暑さ指数(WBGT)は気温、湿度、輻射熱などを総合的に判断した数値で、温度と同じ「℃」で表記される。
測定開始後、湿度が高いB車の暑さ指数(WBGT)が早く上昇し、「厳重注意」となる30.9℃となった。A車も「注意」となる22.9℃となった。 同じ気温でも湿度が高いほうが、熱中症になりやすことが明らかになった。

まとめ

春先から初夏の気候でも、車内の温度は高温になります。また、湿度が高いと熱中症の危険性が高まりますので、小さい子どもやペットを車内に残すことは「危険」です。少しの時間だからといって、車内に小さい子どもを残すことは止めましょう。その他 、 いたずらなどで危険が伴うと考えられる物(ライター、カッター、工具など) は、子どもと一緒に車内に放置しないようにしましょう。

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