雪道での旋回と急制動テスト チェーンの違いでどう変わる?(JAFユーザーテスト)

テスト実施日・諸条件

実施日 2019年2月20日(水)
テスト場所 交通科学総合研究所(北海道士別市)
テスト背景 雪道の走行では、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンの装着が必須だが、特に降雪が少ない地域のドライバーはタイヤチェーンを装着して走行する方も多い。そこで、タイヤチェーンにも金属や非金属、さらにその中で様々な種類があることから、種類別にタイヤチェーンを装着し、旋回と急制動のテストを行った。
テスト内容

新品のノーマルタイヤにタイヤチェーンを装着。テスト車は、前輪駆動のコンパクトカーを用意し、2つのテスト(旋回と急制動)を圧雪路で検証した。

  • 新品のノーマルタイヤにタイヤチェーンを装着

タイヤチェーンの種類

①金属チェーン(亀甲型)

②金属チェーン(はしご型)

③非金属チェーン(ウレタン系)

テスト1 圧雪路の旋回路コース(半径25m)をパイロンに沿って走行できるか検証

  • 進入速度時読20km/hと時速30km/hで検証

圧雪路の旋回コース

金属チェーン(亀甲型);後輪が滑り出し曲がり切れずにスピン

テスト2 圧雪路の直線路を3種類のタイヤチェーンを装着し、時速40km/hで急制動

  • 緑色のパイロンで急制動
  • 速度と制動距離は車内に設置したGPS計測器で計測

圧雪路の直線コース(平坦路)

金属チェーン(亀甲型);制動距離25.8m

テスト結果

テスト1 圧雪路の旋回路コース(半径25m)をパイロンに沿って走行できるか検証

結果は上記の通り。
時速20km/hではすべてのチェーンで安定し走行することができた。
時速30km/hになると非金属チェーンのみ安定し走行できた。
金属チェーン(亀甲型)は前輪はしっかりグリップしたが、後輪が滑り出し、カーブの内側に切れ込むオーバーステアが発生。
金属チェーン(はしご型)は前輪が滑り出し、カーブの外側に膨らむアンダーステアが発生。

テスト2 圧雪路の直線路を3種類のタイヤチェーンを装着し、時速40km/hで急制動

時速40km/hからの急制動の結果は、非金属チェーンが最も短い距離で止まることができた。今回実施した登坂路は比較的凍結路面に近い圧雪路であったが、異なる雪質では結果が変わることもあるため、注意が必要である。

まとめ

非金属チェーン(ウレタン系)が時速30km/hでも旋回でき、急制動でも短い距離で止まることができたが、路面状況や車の駆動方式、タイヤの種類などで結果が変わることがあるので十分注意が必要である。
また、タイヤチェーンを装着しても、しっかり速度を抑えて走行することと、急ブレーキ、急加速など「急」の付く運転は避け、慎重な運転を心がけましょう。