大雪による車の立ち往生~危険性と防寒対策を検証~(JAFユーザーテスト)

テスト実施日・諸条件

実施日 2021年2月17日(水)~26日(金)
テスト場所 山形県(撮影協力:蔵王アストリアホテル)
テスト背景 2020年12月、北陸や信越を中心とした大雪による車の立ち往生が注目を集めた。大規模な渋滞が発生し、長い時間を車内で過ごす場合もあるため、万が一に備えるよう対策の周知が急がれる。今回は、普及しつつある電気自動車で立ち往生した場面を想定し、どのくらいの時間を車内で過ごせるのか、また有効と思われる対策を検証した。
テスト内容

テスト1 車内で快適に過ごす方法は?

テスト車として4台の電気自動車を用意し、それぞれに1名乗車。
各車両で異なる暖房を使用し、全員には5時間、車内で滞在してもらった。
定期的に無線を使って各乗員から電力の残量や航続可能距離、車内の過ごしやすさについて確認した。
実験開始時の外気温は-8.1℃だった。

【暖房使用条件】
テスト車①:オートエアコン25℃常時稼働
テスト車②:電気毛布(電源ソケット使用)のみ
テスト車③:シートヒーターをHiにし、足元には電気フットヒーター(電源ソケット使用)
テスト車④:毛布のみで、寒く感じたときにエアコンON、寒くなくなったらエアコンOFF

4つの暖房使用条件
テスト車②の様子
テスト車③の様子

テスト2 電力消費の程度はどのくらい?

テスト1終了後、モニター降車後もそれぞれの暖房使用条件で電力がいつまでもつかを検証。
AM0:00にモニターが降車した後、AM2:00から測定を再開しAM8:00まで継続した。
※テスト車④については、モニターが降車した0:00以降はオートエアコン25℃設定で常時稼働。

5時間経過後もテストを継続

テスト結果

テスト1 車内で快適に過ごせる方法は?

赤外線サーモグラフィで車内温度を観察した。
テスト開始時(PM7:00)、どのテスト車でも高温を示す黄色の範囲が見られたが、1時間後(PM8:00)、テスト車①以外の車両ではほとんどが低温を示す青色か緑色の範囲が広くなっていた。
3時間後(PM10:00)とテスト終了直前(AM0:00)に各モニターの感想を聞いた。

  テスト開始3時間後(PM10:00) テスト開始5時間後(AM0:00)
テスト車①:エアコン25℃常時稼働 快適に過ごせている。 最初から最後まで快適だった。
テスト車②:電気毛布 肌が露出した部分が冷たく感じる。 窓ガラスは全体的に凍りついた。電気毛布で体温は保てたが、かからない部分は寒かった。
テスト車③:シートヒーター+電気フットヒーター ヒーターと体が接地している部分は温まっている。 右足のつま先が冷えてきて、滞在はあと2時間ぐらいが限界。
テスト車④:毛布+寒い時にエアコンON ヒーターOFF後、30分間は車内が温かいが、その後手足の先から冷えて1時間ほどしか耐えられない。 エアコンのONとOFFをこまめに切り替えていたが窓ガラスが凍りつき、首から上が冷えた。

※車内温度の感じ方には個人差があります。

テスト2 電力消費の程度はどのくらい?

AM4:30頃、テスト車①はバッテリー残量が10%となったため終了。
AM8:00でテスト終了後、テスト車②と③はバッテリーも50%以上残ったが、④は25%まで低下した。

※「バッテリー」は駆動用バッテリーを指します。
※テストの結果は車種や使用状況、周囲の環境により異なる場合があります。

まとめ

  • 電気自動車はバッテリー残量が消費されていくにつれて航続可能距離も短くなっていくため、暖房の使用方法は考慮する必要がある。寒さの感じ方に個人差はあるが、バッテリーを保ちつつ体への負担を減らすには、今回の暖房使用条件などを上手に併用することが効果的となる。
  • 電気自動車で降雪地域に行く場合は、毛布や電源ソケットを使う暖房器具を車内に備えておくとよい。