寒冷地での駐車時は窓やドアの凍結に注意!(JAFユーザーテスト)

テスト実施日・諸条件

実施日 2014年2月3日(月)17時~4日(火)7時
テスト場所 長野県上田市菅平高原(ホテル駐車場)
テスト車両 トヨタ ヴェルファイア
天候
気温 テスト開始時:8.5℃、最低気温:-6.3℃、テスト終了時:-5.9℃
テスト背景 冬になると多くの地域で最低気温が氷点下まで冷え込むことが多くなる。特に夜から朝まで長時間駐車した際、フロントガラスやドアが凍結し、車をすぐに動かすことができない状態が発生する。そこでフロントガラスの凍結防止対策と凍結時の解氷方法、さらにドアの凍結を検証する。
テスト内容

テスト1 フロントガラスの凍結防止対策

  • 条件の異なる3台を一晩駐車し、フロントガラスが凍結するのかを検証した。
  • 1.対策なし(凍結対策を何も施していない状態)
  • 2.撥水剤を塗布(撥水剤をフロントガラス全体に塗った状態)
  • 3.カバーをかける(フロントガラス全体にカバーをかけた状態)

テスト2 フロントガラス凍結時の解氷方法

  • 凍結した2台のフロントガラスを解氷するのにかかる時間を比較した。
  • 1.解氷剤使用(フロントガラスにまんべんなく散布)
  • 2.デフロスター使用〔内気循環で、設定温度はHI(最高温度)〕

テスト3 ドアの凍結

  • 運転席ドアの内側の条件が異なる2台を一晩駐車し、ドアが凍結するのかとドアを開けるのに必要な力を計測器を用いて比較した。
  • 1.水で濡らさない車(通常の場合)
  • 2.水で濡らした車

テスト結果

テスト1 フロントガラスの凍結防止対策

1.対策なし:フロントガラスは凍結しており、スノーブラシのスクレーパー(へら)を使っても、凍結は取り切れず、視界を確保することができなかった。

2.撥水剤を塗布:フロントガラスは凍結していたが、スノーブラシのスクレーパー(へら)を使えば、きれいに凍結部分を削り落すことができ視界を確保することができた。

3.カバーをかける:カバーの内側に雪は降り込んでおらず、フロントガラスの凍結はなく、凍結防止対策に最も有効だった。

※1.と2.については、スノーブラシで雪を落とした後に確認した。

スノーブラシ使用

スクレーパー(へら)使用

テスト2 フロントガラス凍結時の解氷方法

1.解氷剤を使用:1分ほどの短時間でフロントガラスの凍結を完全に解かすことができた。

30秒後

1分後

2.デフロスター使用:視界が確保できるまでに10分ほどかかった。

5分後

10分後

テスト3 ドアの凍結

1.水で濡らさない場合:ドアが凍結せず、約 5kg の力でドアを開けられた。
2.水で濡らした場合:ドアが凍結してしまうと、20kg 以上の力が必要となる。強い力で引き続けて、ようやくドアを開けられた。

通常の場合(水で濡らさない車)

凍結したドア(水で濡らした車)

まとめ

テスト1 フロントガラスの凍結防止対策

  • 窓の凍結防止には、ガラスにカバーをかけることが最も有効だった。
  • 撥水剤を塗布しておけば、スクレーパーで霜が落としやすいことがわかった。
  • 寒冷地で駐車する際には、ワイパーゴムが凍結して窓に張り付くことがあるので、ワイパーを立てておく。

テスト2 フロントガラス凍結時の解氷方法

  • デフロスターのみで解氷しようとすると、長時間のアイドリングで環境面に負荷をかけるので、解氷剤やスクレーパーを併用したい。
  • お湯をかけて解氷する場合は、温度差でガラスが割れたり、解けた水がすぐに凍り付く可能性があるので注意が必要。

テスト3 ドアの凍結

  • 雨天時に走行した後など、ドアの内側が濡れたまま駐車すると、ドアが凍結するおそれがあるので水気を拭き取ったり、凍結防止剤を塗る。
  • ドアが凍結すると開けるのにかなりの力が必要となり、無理をするとドアや車体のゴム、またはドアノブを破損するおそれがあるので注意が必要。