路面は黒いけど、止まれない!「ブラックアイスバーン」とは…?

テスト実施日・諸条件

実施日 2013年1月
テスト場所 交通科学総合研究所(北海道士別市)
テスト背景 雪道の路面状況は、気温や日差しの影響を受け、さまざまに変化する。
昼間に積もった雪が解けたときや、雨が降った後の冷え込みが強くなる夜間や明け方は注意が必要であり、
とくに「ブラックアイスバーン」のときにはスリップ事故が多く、最も注意が必要である。
そこで、その危険性について検証した。
※ブラックアイスバーンとは、一見すると濡れたアスファルト路面のように黒く見えるのに、実は表面が凍りついている路面のこと。
テスト内容

時速40kmから急ブレーキを踏み、制動距離を4種類の路面で測定した(ABS作動)。
路面は、ウェット路・圧雪路・氷盤路・ブラックアイスバーン。
※ウェット路とは、 雨天時の路面
※圧雪路とは、雪が踏み固められた状態の路面
※氷盤路とは、凍結した路面(アイスバーン)
※制動距離はそれぞれ3回の平均値
※コース脇に10m間隔でラバーコーンを設置

ブラックアイスバーンテスト1

ブラックアイスバーンテスト2

ブラックアイスバーンテスト3

ブラックアイスバーンテスト4

テスト結果

結果は上記の画像のとおり。
【ウェット路面(制動距離:11.0m)】季節を問わず、乾いた路面より若干の注意が必要である
【圧雪路面(制動距離:20.2m)】スタッドレスタイヤが効果を発揮するが、走行には十分な注意が必要である
【氷盤路面(制動距離:84.1m)】スケートリンクのような路面で、ブレーキを踏んでもドライバーの意思とは異なり、制動距離が限りなく伸びるため、慎重な運転が必要である
【ブラックアイスバーン(制動距離:69.5m)】アスファルトの色が見えているので油断しがちだが、表面が凍っているので氷盤路面と同じように滑ったため、見た目だけで判断しないことが必要である

「ブラックアイスバーン」と「ウェット路面」を比較

ブラックアイスバーンとウェット路面は、見た目にほとんど差はなかったが、実験結果からは制動距離には50m以上の差があった 。

ブラックアイスバーン
ブラックアイスバーン
※夜間ではとくに 分かりくくなるため注意が必要

※ブラックアイスバーンは夜間になると、とくに分かりにくくなるため日中よりもさらに注意が必要

ウェット路面
ウェット路面

まとめ

ブラックアイスバーンで注意する点は以下のとおり。

①濡れた路面と区別がつきにくく、油断してしまいがちなため危険、とくに夜間は要注意
②滑ることを前提にした慎重な運転(予測運転)
③発進、停止、カーブで「急」のつく動作は厳禁

また、風が吹きさらしで凍結しやすい橋の上やトンネルの出入り口、道路の日陰の部分にも注意する。
市街地では、ブレーキや発進が繰り返される交差点の停止線手前だと路面が磨かれ滑りやすくなっているため、併せて注意が必要である。