運転に適した靴、履いていますか?~履物の違いによる運転の危険性~(JAFユーザーテスト)

テスト実施日・諸条件

実施日 2021年4月12日(月)
テスト場所 柏南自動車教習所(千葉県柏市)
テスト背景 近年、ペダルの踏み間違いなどの誤操作による事故が注目されているが、確実な操作ができなくなる要因には履物も含まれると考えられる。
運転に適さない履物では操作が遅れたり、踏み間違いの原因になってしまう可能性もあるため、履物の違いによって運転操作に影響が出るかを検証した。
テストドライバー モニター4名(20代男性、30代女性、40代男性、40代女性)
テスト内容

テスト 履物の違いでペダルの操作性が大きく変わるか?

4名のモニターにそれぞれ3種類の履物を履いてもらい、テストコースを各1週走行。
履物の違いによるアクセルの踏み方やブレーキの踏む力、足の動きを計測器やカメラで確認し、運転への影響を検証。

【履物の種類】
20代男性:つま先が尖った革靴、ビーチサンダル、スニーカー
40代男性:革靴、木製サンダル、スニーカー
30代女性:ミュール、厚底ブーツ、スニーカー
40代女性:サンダル、ハイヒール、スニーカー
※スニーカーについては、各モニターが運転時に使用する履き慣れた靴を着用した。
※運転に支障をきたす恐れがあるとされる履物については、特別な許可を得た。

20代男性のテストの様子(ビーチサンダル)
20代男性のテストの様子
(ビーチサンダル)
30代女性のテストの様子(厚底ブーツ)
30代女性のテストの様子
(厚底ブーツ)
40代女性のテストの様子(ハイヒール)
40代女性のテストの様子
(ハイヒール)

【テストコース】

細かい運転操作が想定される交通場面をコース内に設置
細かい運転操作が想定される交通場面をコース内に設置
交通場面の一例(⑤波状路)
交通場面の一例(⑤波状路)

テスト結果

【サンダル】

足がむき出しのため、ペダルの移動や操作をする際に脱げやすく、思ったように踏み込むことができなかったり、ペダルに引っかかる場面もあった。

ペダルを踏みかえた際に木製サンダルが脱げそうになる様子
ペダルを踏みかえた際に木製サンダルが脱げそうになる様子
ビーチサンダルがブレーキペダルに引っかかる様子
ビーチサンダルがブレーキペダルに引っかかる様子

【厚底の靴】

普段と同じようにペダルを踏むと、力加減の調整が難しいため、思ったよりも踏み込んでしまう場面があった。

アクセルペダルの細かい調整ができていない様子
アクセルペダルの細かい調整ができていない様子

【ハイヒール】

ヒールの高さ分だけ、踵の位置が上がってしまい、つま先だけの操作になりやすい。

つま先だけでペダル操作をしている様子
つま先だけでペダル操作をしている様子

まとめ

  • 運転に適さないと言われている履物では、ペダル踏みかえの際に引っかかりや微調整のしづらさから、想定外の急発進や急加速になる可能性がある。
  • 車を運転する際は「運転に適した履物」で運転し、その日の服装に合わせて履きたい靴があるときは「運転に適した履物」を運転の妨げにならない場所に置いておくと良い。

参考動画