見た目や運転でわかる? タイヤの空気圧低下の検証(JAFユーザーテスト)

テスト実施日・諸条件

実施日 2015年8月31日(月)
テスト場所 柏南自動車教習所(千葉県柏市)
テスト背景 タイヤの空気圧不足は燃費の悪化や偏磨耗、バーストの原因になる。日頃からタイヤの空気圧に気を配ることが大切だが、最近のタイヤは偏平率が低く、空気圧低下が見た目では分かりにくくなっていると言われる。そこで、見た目や運転によりドライバーは空気圧の低下に気づくかどうかを検証した。
テスト内容

テストはタイヤの偏平率が異なる3タイプの車両を用意し、3名のモニターに2つのテストを実施した。

左から

  • スポーツタイプ
    (前輪:50タイヤ 後輪:45タイヤ)
  • セダンタイプ(前後輪共:65タイヤ)
  • バンタイプ(前後輪共:80タイヤ)

テスト1

各車左側の前後タイヤ2輪は適正空気圧に、右側前後2輪は適正空気圧の1/2に設定し、適正空気圧のタイヤを見た後に適正空気圧の1/2にしたタイヤをモニターは見た目でどう判断したかを検証した。

テスト2

同一車種で45タイヤと65タイヤを装着した2台を用意し、1輪のみ適正空気圧の1/2に減らした状態で運転してもらい、空気圧の減ったタイヤの位置が分かるかを検証した。

テスト結果

テスト1結果

一般的な偏平率である65タイヤでは、すべてのモニターが空気圧の低下を見た目で正しく判断できたが、45・50タイヤや80タイヤは全員が誤った判断をした。

適正空気圧の50タイヤ

適正空気圧の1/2の50タイヤ
3名全員が適正空気圧の1/4と回答した。

適正空気圧の80タイヤ

適正空気圧の1/2の80タイヤ
1名は適正空気圧の3/4、残り2名は適正空気圧と回答した。

テスト2結果

偏平率の低い45タイヤのほうが空気圧の低下に気づきにくかった。特に左前輪が空気圧1/2の場合、65タイヤは全員が空気圧不足に気づいたのに対し、45タイヤは3名中1名しか気づかなかった。

適性空気圧の1/2の45タイヤ
外見からも見分けがつきにくい。

適性空気圧の1/2の65タイヤ
外見からも見分けがつきやすい。

まとめ

タイヤに詳しいモータージャーナリストの菰田潔氏は「偏平タイヤはタイヤの厚みがないぶん適正空気圧でも潰れて見えますが、すぐ見慣れてしまいます。そのため、かなり空気圧が低くならないと見た目で分からないので危険なのです」と警告する。最低でも月に一度はエアゲージやガソリンスタンドの器具を利用して、空気圧のチェックをするようにしたい。