ジュニアシートの必要性(JAFユーザーテスト)

テスト実施日・諸条件

実施日 2013年4月20日(土)
実施場所 一般財団法人 日本自動車研究所 衝突試験場(茨城県つくば市)
テスト背景 チャイルドシートの使用率は、調査によると1~4歳では6割を超える。 しかしながら、5歳では4割以下と低下。 さらに、法律的に使用義務のない6歳以上では3割を切る。 乳児用や幼児用に比べ、学童用(ジュニアシート)の使用率は大幅に低下し、150cm前後以上を適合身長とする大人と同じシートベルトを着用していることが判っている。 そこで6歳以上の子どもがジュニアシートを使用しないケースの危険性を衝突テストで検証。
※最新のチャイルドシート使用状況全国調査結果はこちらから
衝突条件
  • 衝突事故を想定したフルラップ前面衝突テスト。
  • 衝突時の走行速度は時速55km。
  • ミニバンの後席(2列目)にジュニアシートを正しく使用した6歳児ダミーとジュニアシートを使用せずシートベルトを着用した同ダミーでジュニアシートの使用効果を検証。
  • ミニバンの助手席に不適切な姿勢(背もたれを少し寝かせた状態)でシートベルトを着用した10歳児ダミー人形がこうむる危険性を検証。

テスト結果

  • 後席のジュニアシートを正しく使用していたダミーは、シートベルトが鎖骨や胸郭、骨盤にかかり衝撃を受け止めることができた。
  • しかし、ジュニアシートを使用せずシートベルトを着用していたダミー人形は、体が前方に移動し、肩ベルトは首に、腰ベルトは腹部に激しく食い込み、大変危険な状態に陥ることが判った。
  • 助手席の10歳児ダミーは、背もたれを少し寝かせたため、腰ベルトが腰から外れ、体が前に滑り出す「サブマリン現象」が生じた。グローブボックスを破壊するほど膝を強く打ち付け、シートベルトも首や腹部に食い込み、大変危険な状態に陥ることが判った。

衝突時の後席ダミーの動き

ジュニアシートありのダミー(左)のシートベルトは適切な位置に当たったが、ジュニアシートなしのダミー(右)はベルトが首と腹部にかかった(○印)。

ジュニアシート使用有無による危険性の違い

ダミーに貼った圧力感知紙。赤い部分が力が加わったところ。左のダミーは主に胸骨と骨盤にベルトが当たり、腹部には当たっていなかったが、右のダミーは胸部上部と首、腹部に圧力が集中した。

まとめ

  • シートベルトは、「鎖骨や胸郭、骨盤など衝撃に耐える骨格で体を拘束するもの」、「身長がおおよそ150cm以上を目安」として設計されているため、身長がそれに満たないうちは、ジュニアシートを使用しないとシートベルトが首や腹部にかかり、人体に大きな傷害を与える可能性があるので、必ずジュニアシートを使用しましょう。
  • 子どもに限らず、背もたれを寝かせると大変危険であるため、正しい姿勢で乗車しましょう。