実験!オートライトはいつ点く?(後編)~点灯タイミングをメーカーに聞きました!(JAF Safety Light)
「オートライト」といっても、メーカーや車種によって、点灯タイミングが異なることが「オートライトはいつ点く?(前編)」で明らかになりましたね。ヘッドライトの点灯が最も早かった車と、最も遅かった車の時間差は、なんと38分!この時間差って一体なぜ?オートライトの点灯タイミングはどのように設定されているのでしょうか。カーメーカー7社にアンケート取材をしてみました!
7社のライトスイッチを見てみよう!
ではここで、ちょっと休憩して、各社のライトのスイッチを見てみましょう。多くの車では、1段階ひねるとスモールライトが点き、2段階目でヘッドライトが点くようになっていますが、ここで注目したいのはスイッチの順番。たいていは、<OFF⇒AUTO⇒スモール⇒ヘッドライト>の順番ですが、ホンダさんは、スモールが先にあって、AUTO⇒ヘッドライトの順。BMWさんは、OFFを基点に左にひねるとAUTO、右にひねるとスモール⇒ヘッドライトの順。メルセデスベンツさんは、なんとOFFスイッチがなく、AUTOが標準。メーカーさんとしての強い意志を感じますね。
オートライト設定から見える、メーカーの“考え方の違い”
さて、この調査を通じて、オートライトの設定ひとつをとっても各メーカーそれぞれの”考え方の違い”が見えてきました。できるだけ早く点灯する早期点灯派の日産さん、BMWさん、メルセデスベンツさんは事故を防止することを最優先としています。ただ、現状多くのドライバーにとって「こんなに早く点いちゃうの」という違和感が生じる可能性があります。
一方、トヨタさん、ホンダさん、マツダさん、三菱さんの4社は、ドライバーの感覚にあわせた設定。多くのドライバーが暗いと感じるタイミングにあわせて点灯するため、違和感なくオートライト機能を使うことができます。でも、ドライバーが暗いと感じるタイミングと、事故を未然に防ぐために点灯が必要なタイミングが違っているのが現状のようで、その点に「う~ん」と感じさせられてしまいます。
夕暮れにヘッドライトを早めに点灯すれば、車の存在が目立つようになり、死亡重傷事故の減少に確実な効果があるといわれていることは、各メーカーも理解されています。であれば、オートライトによって早期点灯させるにこしたことはありません。ですが、ドライバーが点灯のタイミングを「早い」と感じて、オート機能を使用しないという場合が現実問題としてあるのです。そうするとオートライト機能そのものに意味がなくなってしまいます。
使う人の立場にあわせた機能を提供したいと考えるメーカとしては、そこに大きなジレンマがあるのかもしれません。
それではどうすればいいのでしょう・・・。
それは、私たちドライバーの意識次第なのかもしれません。そのため、各社ともヘッドライト早期点灯の重要性を認識し、啓発運動に力を入れているそうです。私たちJAFも含め、みんなが一丸となって、ドライバーに早期点灯の重要性を伝えられれば、オートライトの設定を早くするほうがお客様の満足度も高くなって、全体として早期点灯が実現していくのかもしれませんね。
ところで、最後に、「トンネルに入る前に点灯してくれるオートライトはないですか?」と質問してみると、各社ともに「ない」とばっさり。ここがクリアできる夢のオートライトは、まだもう少し、先のようですね。技術的には問題ないのでしょうが・・・。