[Q]レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽油などの油種の違いについて教えてください。

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[A]ガソリンと軽油は留出される温度で分類される。

  • ガソリンと軽油は留出される温度で分類される。
  • エンジンは使用する燃料がガソリンか軽油かによって構造が異なる。
  • セルフスタンドでは危険な誤給油に注意が必要。

原油から留出される温度で異なる

 ガソリン、灯油、軽油、重油、潤滑油などの石油製品は、油田から産出された原油を加熱炉で熱し、常圧蒸留装置で精製して作られています。下のイラストにあるように、製油所では原油を約350℃に加熱し、蒸気(石油蒸気)として沸点の低いものから順に分けています。一般的には、沸点35~180℃でガソリンなどが、240~350℃で軽油が留出されます。

 ガソリンは無色透明で、常温常圧の状態で蒸発しやすく危険性が非常に高いので、右のイラストにあるとおり、灯油との見分けが容易にできるように「オレンジ系の色」に着色されています。ガソリンの99%以上がガソリン車に使われています。ガソリンは、レギュラーガソリン(以下レギュラー)とオクタン価の高いハイオクガソリン(以下ハイオク)に分かれ、日本工業規格(JIS)でレギュラーのオクタン価は89.0以上、ハイオクのオクタン価は96.0以上と決まっています。オクタン価とは走行中のノッキング現象(異常燃焼などでエンジンの動きがぎくしゃくしたり、金属音がする現象のこと)を起こしにくくすることを示す指数で、数値が大きいほど現象が起こりにくくなります。

 欧州ではガソリンのオクタン価が表示されて販売されている国もあります。例として記載すると、ドイツではガソリンが3種類あり、レギュラーに相当するのは“Super(ズーパー)95”またはバイオエタノールを10%含んだ“Super95E10”、ハイオクに相当するのは“SuperPlus(ズーパー・プルス)98”などとなっています。また、フランスではレギュラー相当のガソリンが“SP(サン・プロン/無鉛の意味)95”、ハイオク相当のガソリンは“SP98”のようになっています。このように、欧州ではレギュラーのオクタン価が高いため、エンジンは日本車と比較して圧縮比が高くなっています。そのため欧州車の多くは日本では、ハイオク指定となっています。

 一方、「無色透明」から「薄黄色」に着色されていることがある軽油は、95%がディーゼルエンジンの燃料に使われます。凍結温度の違いによって5種類に分類され、北日本や標高の高い地域などには「寒冷地仕様」の軽油が出荷されるなど、地域と季節に合わせた製品が供給されています。また環境規制に対応するために低硫黄化を実現しています。

 そのほか、ガソリンにはガソリン税、軽油には軽油引取税とそれぞれ課税される税金が一部異なっていることも違いと言えます(どちらも消費税が課税)。この異なる税金の額の差が価格差になっています。

エンジンは油種に合わせて開発されている

 ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違いは、ガソリンと軽油の特性に起因しています。ガソリンは常温常圧でよく燃えるのに対して、軽油は高圧力・高温でよく燃焼します。この点から構造が異なります。ガソリンエンジンはガソリンと空気をシリンダー内で混合させて圧縮し、点火プラグの火花によって燃焼させます。一方、ディーゼルエンジンは空気だけを圧縮して高温に達した時に軽油をシリンダー内へ噴射させて自然着火させます。ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べて高圧縮比にする必要がありますが、ゆえに熱効率が高く、シリンダー全体でまんべんなく着火するので大排気量化が可能であり、荷重の重いバスやトラックに向いています。

誤給油によるトラブルに注意!

 ガソリンや軽油は消防法第2条で、危険物のひとつに定められています。ガソリンスタンドは同法では危険物取扱所とされており、給油は危険物取扱者自身が行うか立ち会いがなければいけないと第13条で定めています。しかし1998年4月からは、危険物の規制に関する政令および危険物の規制の一部の改正で、クルマへの給油をドライバー自身で行うことが認められました。セルフサービス給油できるガソリンスタンド、いわゆる「セルフサービスステーション」は、2023年3月末現在で10,791店(*一般財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センター調べ)になっています。

 セルフ式の増加に伴い、誤給油によるトラブルが増えています。2022年のJAF全国調査結果によると、10月1日~10月31日の1カ月間で105件のトラブルが発生していたことがわかりました。その原因を見てみると、「普段乗らないクルマだった」「軽自動車は軽油だと思った」といったものがあり、ドライバーの認識不足がトラブルに繋がっていることが見受けられました。

 なお、ハイオク仕様のクルマのエンジンにレギュラーを給油した場合、ハイオク仕様のクルマのエンジンはハイオクで本来の性能が出るように設計されており、オクタン価が低いとノッキングの発生や出力の低下、燃費の低下など性能を十分に引き出せない可能性があります。また、“ハイオク専用”の指定のあるクルマの場合、レギュラーを給油するとエンジンの破損や車両火災につながる恐れがあるため、誤給油しないよう注意が必要です。一方、レギュラー仕様のクルマのエンジンにハイオクを給油した場合は、もともとレギュラーガソリンでノッキングを起こさないように設計されているため、問題ないといえます。

 一般的に「セルフサービスステーション」では、レギュラーは「赤」、ハイオクは「黄色」、軽油は「緑色」、灯油は「青色」にノズルなどが色分けされています。

2023年10月現在

 

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