知っておけば安心!「クルマの冠水被害を減らすっ隊」からの注意ポイント
お知らせ 福岡
2023年06月01日
福岡は5月29日より梅雨入りしました
甚大な被害が出た「令和2年7月豪雨(2020年)」では、福岡県内で1か月間に603件の冠水に関するロードサービス救援要請がありました。
普段のロードサービス内容とは違って「道路と溝の境目が分からずに落輪してしまった」、「足元マットあたりまで、水に浸かってしまい運転ができない」といった要請を受けました。
大雨にともなうクルマの冠水被害が多く出ている福岡県の現状を鑑み、事前に防災知識を広く周知させたいとの思いから2022年6月「クルマの冠水被害を減らすっ隊」を結成し活動を開始しました。
メンバー全員がロードサービスの経験があり、クルマに関するトラブルを熟知しているJAF交通安全インストラクターで、イベントやメディア取材時に「クルマに関する防災」についてのポイントをお伝えしています。
冠水被害にあわないための注意ポイント
危険な場所がどこなのか日頃から確認しておきましょう
国土交通省のホームページには「冠水想定箇所」が掲載されています。
冠水想定箇所とは、道路や鉄道の下をくぐり抜けるように通っているアンダーパスなど周囲より低い場所で、局地的な大雨で冠水しやすい場所のことです。
福岡県内には、実は冠水想定箇所が139箇所もあります。
危険な場所は迂回するルートを事前に考えておくと、いざという時に役立ちます。
冠水した道路を通りかかったときはどうすれば?
原則、冠水した道路には進入しないようにしてください。
冠水道路は見た目だけでは水深を判断することが難しいため、いざ進んでしまうと思いのほか深い、ということがあります。
他のクルマが通っているからといって自分のクルマが通れるとは限りませんので、迂回するようにしてください。
冠水道路は濁っていて道路の状況がわかりにくく、障害物があったり、マンホールのふたが外れていたりしても気付くことができません。
メンバーがおこなった実験では、冠水道路を再現して走行したところ、路面が濁って溝がわからずにタイヤがはまってしまいました。
冠水道路でクルマが水に浸かってしまった場合は
車内に浸水してきたら、慌てずにクルマを止め、すぐにエンジンを停止させてください。ドアが開く場合はドアを開けて脱出してください。
ただ、水深が深いところまで進んでしまった場合、想像以上に水圧が強くなっているため、ドアが開かなくなることがあります。JAFのユーザーテストでは、クルマが60cmほど水没してしまうと、人の力でドアを開けるのは困難になりました。スライドドアの場合でも、同様に水圧が強くかかり開けることが難しいという結果が出ています。
もしクルマに閉じ込められたときには
水位によってはドアが開かず車内に閉じ込められてしまうことがあります。
ドアが開かない場合は、窓を開けて脱出します。ただ、パワーウィンドウの場合は、水没による電気系統のトラブルで開かなくなることがあります。
車内にあるもの、例えばヘッドレストやクルマのキーで窓ガラスを割ろうとしてもなかなか割れません。事前にカー用品店などで緊急脱出用のハンマーを準備して、運転席近くに置いておくことをお勧めします。
また、せっかく脱出用ハンマーを準備しても、後部座席やトランクなどにしまっていてはいざという時に取り出せませんので、すぐに取り出せる場所に置いておきましょう。
ちなみに割るときは、必ずサイドガラスを割ってください。フロントガラスは安全上、なかなか割れないようになっています。
最後に
普段の生活の中で、自分の車が水没してしまうなんて想像できる人は少ないかもしれませんが、仕事や通勤の時間帯に豪雨に見舞われてしまうケースは誰にでも起こり得ることです。
冠水のトラブルでJAFを呼ばれた方の中には「使い慣れた道だったので、行けると思って冠水した道路を進んでしまった」と言われる方もいらっしゃいました。皆さんにはぜひ自分にも起こり得ることとして、考えていただきたいと思います。
これから雨が心配な時期が続きます。
アンダーパスや川の近くなどでは被害に遭わないために十分注意してください。大雨が予想される場合はクルマの使用を避けるなど、自分の命を守ることを最優先に考えて行動するようにしてください。