冠水路走行テスト(JAFユーザーテスト)
テスト条件
実施日 | 2010年4月8日(木) |
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検証内容 | 冠水路走行の問題点を検証するテスト。 集中豪雨などでアンダーパス(道路の下をくぐる構造になっている立体交差)が冠水した場合を想定し、車両が冠水路を走りきれるかを検証。 |
![](/-/media/1/2590/2610/2627/2632/8wZl1Yc9B7l9.jpg?mw=710&rev=6737014b16074987a9f41851381863a5&hash=986397C7AEFCBF800B5405B32BDEC100)
アンダーパスが冠水した場合を想定し、前後にスロープを設けたコースを造った。水平部分は30m。
試験車両(セダンタイプ) | トヨタ・マークⅡ(2,000cc) 冠水路水深:60cm 走行速度:時速10km |
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試験車両(SUVタイプ) | 日産・エクストレイル(2,000cc) 冠水路水深:60cm 走行速度:時速30km |
テスト結果表
水深 | 車種 | 速度 | 走行の可否 |
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30cm | セダン | 時速10km | ○ |
SUV | 時速10km | ○ | |
セダン | 時速30km | ○ | |
SUV | 時速30km | ○ |
水深 | 車種 | 速度 | 走行の可否 |
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60cm | セダン | 時速10km | × |
SUV | 時速10km | ○ | |
セダン | 時速30km | - | |
SUV | 時速30km | × |
テスト結果ーセダンタイプ
水深30cm
![](/-/media/1/2590/2610/2627/2632/GIsmeM7hAnUF.jpg?mw=710&rev=361cba4aa8634c3aa76ec687b191d12e&hash=83777FBD8365D4B04F8FA67B97BEC4A7)
速度 時速10km
時速10kmでは、フロントバンパーの上部に水が接する状態で、フロントグリル部分から直接水が入ることはなかった。
![](/-/media/1/2590/2610/2627/2632/0Hcl9r0M6BjK.jpg?mw=710&rev=47b5b32efeb04d55bc6aa6463ce51c82&hash=F12A32709661D396FC5A3084460D6631)
速度 時速30km
同じ30cmの水深でも、時速30kmでは、巻き上げる水の量が多くなり、エンジンルームに多量の水が入ることがわかった。
水深60cm
![](/-/media/1/2590/2610/2627/2632/gh2cOefY2Esg.jpg?mw=710&rev=3d2383ae6a9a4e41a6f776085003bfe5&hash=A3C08727CEFFCF043436151982AF3DD9)
水深60cmではフロントガラスの下端まで水をかぶった。それでもすぐには止まらず、しばらく走ることはできたが、登りのスロープに差し掛かった31m地点でエンジンが止まった。
参考動画
テスト結果ーSUVタイプ
水深30cm
![](/-/media/1/2590/2610/2627/2632/BkxHC6teZLwU.jpg?mw=710&rev=d902ddfa6f65420da1243cc20d59725f&hash=A7782936437B6B7FCB59A0E3AFC29CD5)
水深30cmの場合は、時速10km、30kmとも走りきることができた。
水深60cm
![](/-/media/1/2590/2610/2627/2632/QoICfkab6YRq.jpg?mw=710&rev=dfe30ba0315d4551acf135f732030e28&hash=CFA5BC7E6C28BD98E495CA95BD4C7BFE)
速度 時速10km
水深60cmの場合、セダンでは時速10kmでも走りきれなかったが、エンジン位置の高いSUVは走りきることができた。![](/-/media/1/2590/2610/2627/2632/YhNZaUa7NKpj.jpg?mw=710&rev=8f9ebe0681ac470aaf52bb47bddb300f&hash=2BA97DBD13670B21D1DD13EA8963D91C)
速度 時速30km
時速30kmではエンジン下部からも大量の水が入り込み、わずか10mでエンジンが止まった。浸水時の衝撃も大きく、車体が一瞬浮き上がってハンドルが取られた。参考動画
ポイント
![](/-/media/1/2590/2610/2627/2632/HGBUmtu1Wqsh.jpg?mw=710&rev=d85d12c47acb41d097b519f1560eec7e&hash=8A03A810F5F614EC7F9199CFF076CF92)
- エンジンが停止した原因は、エアインテーク(空気の取り入れ口)を通してエンジン内部に水が入ったためと考えられる。
- 同じ水深でも、速度が高くなると巻き上げる水の量が多くなり、エンジンに水が入りやすくなる。
- 速度を落とせばある程度まで走行できる可能性はあるが、他の要因でエンジンが止まることもあるので、走りきれるとは限らない。
- 実際の冠水路では水深も水の中の様子もわからないため、冠水路に遭遇したら安易に進入せず、迂回することを考えた方がよい。