特別支援隊による災害救援と訓練
JAFは地震や台風などの被災地でも活動しています
被災地では、電気、水道などのライフラインが寸断され、食料や水などの救援物資が大量に必要とされます。被災者への救援物資の輸送や緊急車両の通行など、特に道路交通の復旧が遅れることは、被災者にとって死活問題につながりかねません。
そこでJAFは、そのような事態において、警察や自治体と連携して、道路をふさぐ被災車両の排除にあたるなど、道路交通の迅速な回復に努め、被災地全体の復旧に尽力しています。
JAFロードサービス特別支援隊
地震や台風などの被災地では被災車両の迅速な排除に加え、お客さまからの救援要請も急増します。そのようなときに派遣するのが、JAFロードサービス特別支援隊です。
JAFロードサービス特別支援隊は2004年に発足しました。
被災地では、過酷な環境下、隊員同士はもちろん、警察や自治体とも連携して救援作業にあたることになります。そのため、技術力・運転操作技量・忍耐力・協調性に優れた経験豊富な隊員を全国のロードサービス隊の中から選抜し、特別支援隊員に任命しています。
ロードサービス特別支援隊
ロードサービス競技大会
地域の災害訓練に参加
積雪地域での特別支援隊活動
2019年、台風19号およびその後の大雨被災地に派遣
2019年10月に発生した「台風19号」およびその後の大雨で、広範囲にわたって数多くの河川が氾濫し、車両の水没や浸水被害が多数発生しました。
JAFでは10月15日から11月2日まで、通常体制での対応が困難となった長野県、栃木県、千葉県、福島県内の基地に、全国24の本部・支部から延べ263名の特別支援隊員を派遣し、 冠水車両の搬送作業など、10,720件の救援要請に対応しました。
2016年、熊本地震の被災地に派遣
2016年4月に発生した「2016年(平成28年)熊本地震」では、各地方から特別支援隊員が現地に入り、支援活動をおこないました。4月23日から6月30日までに熊本県および大分県境において、延べ330人の特別支援隊員を派遣するとともに7,620件のロードサービスを実施しました。(うち特別支援隊救援件数は1,302件)
また、各避難所を巡回し、車中泊を余儀なくされた被災者にマイカー無料点検サービスを実施し、288件の車両を点検しました。主に、エンジンオイル、バッテリー、クルマまわり(タイヤの空気圧や摩耗)、ランプ類(点灯・点滅、損傷)などをチェックしました。
2011年、東日本大震災の被災地に派遣
2011年3月11日、三陸沖で発生した大地震と津波は、東北地方を中心にかつてない被害をもたらしました。JAFでは、津波による被害が大きかった宮城県・岩手県において、通行路を確保するために被災車両の移動にあたりました。3月18日~6月17日までの間、全国の隊員合計156名を被災地に派遣し、移動した車両は、計4,554台にのぼりました。
あわせて、5月13日~5月28日の間には、宮城県内の7カ所の会場において、被災者が所有する車両に不具合がないかどうか、無料点検サービスを実施しました。
さらに、政府の要請により、東京電力福島第一原子力発電所の事故による警戒区域内において、避難住民が残した車両を持ち出す作業のサポートにあたりました。6月1日~9月9日まで間にのべ26日間実施し、合計4,093台の車両持ち出しを支援いたしました。警戒区域内には、滞在時間に制限があるため、10分以内に作業可能な「バッテリー上がり」、「燃料の補給」、「タイヤのエア充填」に限定して対応し、2,774台の車両をサポートしました。防護服に身を包み、過酷な状況下で活動した隊員は、合計388名にのぼりました。
◇宮城・岩手における被災車両移動活動などの様子
◇原発警戒区域からの車持ち出し支援の様子
~東日本大震災で、JAF隊員が感じたお客様との温かい絆~
JAF特別支援隊の活動を振り返って、ロードサービス隊員が被災地での支援活動で感じたお客様との温かい絆を綴りました。
合同訓練で非常時に備えます
JAFロードサービス特別支援隊は、災害対策本部や警察などとの連携の中で、通常任務ではあり得ない状況で車両の移動などを行わなければなりません。そのため、特別な研修や数々の合同訓練を積み重ね、有事に備えています。