濃霧のとき、前方のクルマや歩行者はどう見える?(JAFユーザーテスト)
テスト実施日・諸条件
実施日 | 2018年5月29日(火) |
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テスト場所 | 日本自動車研究所 特異環境試験場(茨城県つくば市) |
テスト背景 | 山間部などでは、季節や気候によって濃霧が発生し、運転時の視界が悪化することがある。 そこで、濃霧のとき、ドライバーから前方の車や歩行者がどのように見えるのかを検証した。 |
テスト内容 |
テスト1 前方にいる停止車両のライト点灯の違いで、見えた位置は?前方の停止車両に向かって、テスト車(自車)を5m間隔で近づけ、運転席から停止車両が見えた位置を計測した。 【テスト条件】 テスト2 前方にいる歩行者(マネキン)の服の違いで、見えた位置は?前方の歩行者(マネキン人形)に向かって、テスト車(自車)を5m間隔で近づけ、運転席からマネキン人形が見えた位置を計測した。 【テスト条件】 |
テスト結果
テスト1 前方にいる停止車両のライト点灯の違いで、見えた位置は?
【視程 30m 】
結果は下表のとおりで、視程 30m では、前方の停止車両が「無灯火」だけでなく「テールランプ点灯」も見えづらかったのに対し、濃霧のときには「リアフォグランプ点灯」が有効であることが分かった。また、停止中はブレーキを踏んでブレーキランプを点灯させて停止することも重要である。濃霧の中で、ヘッドライトを上向きで走行すると、光が思ったように届かず、かえって前方が見えづらい傾向だった。
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【視程 60m 】
結果は下表のとおりで、昼間は、前方の停止車両が「無灯火」だけでなく「テールランプ点灯」「リアフォグ点灯」「ブレーキランプ点灯」も見えづらい傾向だった。
それに対し、夜間に自車のヘッドライトが下向きだと、上向きの場合と比べて、前方の停止車両(4パターンすべて)を発見しやすい傾向だった。これは濃霧の中で、ヘッドライトを上向きで走行する場合、光が思ったように届かず、かえって前方が見えづらくなったためだと思われる。
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テスト2 前方にいる歩行者(マネキン)の服の違いで、見えた位置は?
【視程 30m 】
結果は下表のとおりで、「歩行者」は、昼間だと「白い服」が霧に溶け込み、夜間は「黒い服」が闇に紛れて見えづらかった。「安全ベスト着用」は、夜間に霧の中でも反射材によって視認性が高く、「黒い服」より 10m~15m 手前で確認できた。
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【視程 60m 】
結果は下表のとおりで、見えづらさは視程 30m と同じような傾向で、「歩行者」は、昼間だと「白い服」が霧に溶け込み、夜間は「黒い服」が暗さに紛れて見えづらかった。「安全ベスト着用」は、夜間に霧の中でも反射材によって視認性が高く、「黒い服」より 15m 手前で確認できた。
![](/-/media/1/2590/2610/2627/2632/7KgUsxjgk4ax.jpg?mw=1200&rev=bd21b79d9fcb41de83eaa2653782ff99&hash=FC7830FE26E3AB8DEF288E60F684C2D9)
まとめ
濃霧などの悪天候時は必ずヘッドライトを点灯し、速度を抑えて走りましょう。
歩行者は見落とされる危険性を考えて、できるだけ反射材を身に着けるようにしましょう。