災害時におけるクルマからの電源供給(JAFユーザーテスト)

テスト実施日・諸条件

実施日 2018年2月7日(水)
テスト場所 彩湖・道満グリーンパーク駐車場(埼玉県戸田市)
テスト背景 電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)が災害時の電源供給として注目されている。
駆動用の大容量バッテリーを積み、ACコンセントも装備するため、家電を長時間使うことができると言われている。
そこで、ハイブリッド車(HV)や一般的な車を含め、車のバッテリーで家電がどの程度使えるのかを検証した。
テスト内容

テスト車は下写真の4台(左から電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、ハイブリッド車(HV)、一般的な車)とした。

テスト車は下写真の4台

テスト① どんな家電が使えるか?(4台をテスト)

EV、PHV、HVには1,500Wまでの電気製品が使えるACコンセントが装備されているが、一般的な車には大容量バッテリーとACコンセントが装備されていないため、車のDC電源をAC電源に変換するインバーター(定格出力1,000W)をバッテリーに直接つないで下写真の家電製品が使用できるのかを検証した。

どんな家電が使えるか?コンセント例

HVのメーターパネル(テスト前)
HVのメーターパネル(テスト前)
PHVのメーターパネル(テスト前)
PHVのメーターパネル(テスト前)
EVのメーターパネル(テスト前)

テスト② お湯が何回沸かせるか?(3台をテスト)

EV、PHV、HVの3台で、1,250Wの電気ポット(1.2リットル)を使って、5時間の間に何回お湯が沸かせるのかを検証した。
EVとPHVは事前にバッテリーを満充電にし、HVは充電器による充電ができないため、テスト開始時のバッテリー残量(3分の2)でテストを開始した。
※PHVとHVは、バッテリーの蓄電量が減ると自動的にエンジンが始動して電気を供給するが、今回は災害時で燃料に余裕がなかったり、アイドリングができない状況を想定したため、バッテリーの蓄電量のみで検証した。
※テスト開始時の気温は7℃、水温は6℃。

テスト結果

テスト① どんな家電が使えるか?(4台をテスト)

テスト1結果

結果は上表の通りで、EV、PHV、HV(エンジン始動が前提になるが)では、最も消費電力の高いホットプレートまで使用できた。そのため、被災時やオートキャンプの際、明かりを灯して暖を取ったり、食事を作ることも可能である。
一方で、一般的な車は、インバーターの容量しだいで使える家電が変わるが、バッテリーの容量が小さいため、エンジンをかけずに長時間使える家電は限定される。

HVのメーターパネル(テスト前)

HVメーターパネル(テスト後)

PHVメーターパネル(テスト後)

PHVメーターパネル(テスト後)

EVのメーターパネル(テスト後)

テスト② お湯が何回沸かせるか?(3台をテスト)

テスト2結果

結果は上表の通りで、EVは30回お湯を沸かした後でも、バッテリーは3分の2程度残っていた。
PHVはエンジンを始動せず、27回お湯を沸かせたが、28回目の途中でエンジンが始動した。
HVはバッテリーの容量が小さく、充電量も3分の2程度だったので、1回しかお湯を沸かせなかった。 (HVは燃料(ガソリン)があってエンジンもかけられる状況でないと、十分な電源供給ができなかった。)

補足 一般的な車で、インバーターを使う場合、バッテリー上がりに注意!

一般的な車でもインバーターの定格出力(1,000W)内の電気ポット(430W)や電気ストーブ(400・800W)は使用することができた。
ただ、電気ストーブを800Wで9分間使用したところ、バッテリー(新品)の電圧が降下し、インバーターの保護回路によって電気の供給が停止した。
エンジンをかけた状態でも電圧の降下が確認できたので、バッテリー上がりを防ぐため、エンジン始動時でも消費電力が大きい家電を使い続けることは避けたい。

まとめ

  • 一般的な車は、バッテリーや発電機に余裕がないため、エンジンの始動・不始動にかかわらず、消費電力が大きめの家電は長時間使うことはできなかった。
  • EVやPHVは災害時の電源として活用でき、PHVとHVはエンジンが始動できれば、燃料が続く限り電気の供給が可能である。ただ、いずれも災害発生前に蓄えた電気や燃料しだいなので、日頃からバッテリーの充電や燃料の補充を心がけましょう。

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