車とは異なるバイクの特性とは?(JAFユーザーテスト)
テスト実施日・諸条件
実施日 | 2024年1月31日(水)~2月1日(木) | |||||||||||||||||||||||||
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テスト場所 | 自動車安全運転センター 安全運転中央研修所(茨城県ひたちなか市) | |||||||||||||||||||||||||
テスト背景 | 気軽に乗れて、風を感じながら走ることができる魅力のある乗り物である。近年40~50代を中心にリターンライダーが増えている一方で、2023年中の二輪車(原付も含む)乗車中死者数が498人となり、2022年まで減少傾向にあった死者数が増加した。二輪車と四輪車はハンドルやブレーキ操作が異なるため、それぞれの特徴を知らないと事故に発展することがある。そこで、二輪車の排気量や重量別に制動や旋回の特性について比較検証した。 | |||||||||||||||||||||||||
テスト内容 |
テスト車両のスペック一覧
豊田 浩史(とよだ ひろし) 全日本ロードレース250ccクラスやST600クラス、鈴鹿8時間耐久ロードレースなど、国内のレースに出場経験のあるプロのライダー テスト1 制動テストスタート地点から、40km/h、60km/h、100km/hの一定速度で走行し、赤いパイロンを通過したらフルブレーキをおこない、ドライとウェット路面のそれぞれで制動距離を測定した。 テスト2 旋回テストスタート地点から、40km/h、60km/h、80km/h、100km/hの一定速度で走行し、赤いパイロンで作られたコースでのカーブの軌跡を測定した。 |
テスト結果
テスト1 制動テスト
スタート地点から、40km/h、60km/h、100km/hの一定速度で走行し、赤いパイロンを通過したらフルブレーキをおこない、ドライとウェット路面のそれぞれで制動距離を測定した。以下のような結果となった。
<ドライ路面>
- 40km/hでは、二輪 900ccが最も短く止まれた。
- 60km/hでは、四輪が最も短く止まれた。二輪では125ccが最も短く止まれた。
- 100km/hでは、四輪が最も短く止まれた。二輪では250ccが最も短く止まれた。
<ウェット路面>
- 40km/hでは、二輪 125ccが最も短く止まれた。
- 60km/hでは、四輪が最も短く止まれた。二輪では125ccが最も短く止まれた。
- 100km/hでは、四輪が最も短く止まれた。二輪では250ccが最も短く止まれた。
- ウェット路面のほうがドライ路面よりも全てのテスト項目で制動距離が長くなる結果となった。
テスト2 旋回テスト
スタート地点から、40km/h、60km/h、80km/h、100km/hの一定速度で走行し、赤いパイロンで作られたコースでのカーブの軌跡を測定した。以下のような結果となった。
- 40km/hや60km/hといった低・中速域では二輪と四輪とで大きく差は出なかった。
- 一方で、80km/hや100km/hなど速度が上がるにつれて、膨らんで曲がる傾向が見られた。
まとめ
- 二輪は四輪と比べ、低速域では制動距離は短いが、速度が上がるにつれて制動距離が長くなるため、周囲の状況に応じて速度は控えめにして、車間距離は十分に取りましょう。
- 路面が濡れていると、さらに制動距離が伸びるため、注意が必要です。
- 速度が上がるにつれて二輪のほうが四輪よりも旋回時に膨らむ傾向があるため、カーブ手前で十分に減速し、速度は一定に保ちながら走りましょう。
- 二輪は気軽に乗れて、風を感じながら走ることができる魅力のある乗り物です。
- 二輪の特徴を理解し、交通ルールを守って、楽しく安全に乗りましょう。