2020年から新型車に搭載されるオートライト。その点灯タイミング「1,000ルクス」ってどんな明るさ?(JAF Safety Light)
「1,000ルクス」ってどんな明るさなの? 実際に夕暮れ時を走ってみると……
2020年から新型車に搭載されているオートライトは、照度が1,000ルクス未満になったら点灯します。とはいえ、1,000ルクスとはいったいどの程度の明るさなのかピンと来ませんよね? というわけで、車に照度計をセットし実際に走って調査してみました。
実際に夕暮れの街の中を走ってみた!
照度計で測定しながら、実際に夕暮れの街の中を走行してみました。
照度計の数値(※1)と実際の道路状況がどのように見えるかチェック(※2)してみてください。
(※1)実際の照度は周囲の建物などの影響や光の反射によりつねに変動しており、必ずしも一定になるわけではありません。
(※2)ここで掲載している写真はPCやスマホなどの閲覧環境によって実際の見え方とは多少異なる場合があります。
刻々と変わる夕暮れの照度 ※照度計は左下に表示(単位:ルクス)
チェックポイント【その1】 1,000ルクスの明るさって、何で判断すればいい?
建物の影や光の反射で照度は多少上下しますが、左で走行中の車のブレーキランプが目立って見えています。
1,000ルクスは、信号や他車のブレーキランプなどの点灯が目立ち始める時の明るさ。
チェックポイント【その2】 見た目は明るく感じても、実際の数値をはかってみると……
3枚めの写真のように西日に向かって走っていると、感覚的にはかなり明るさが残っているように感じます。しかし、実際に照度計を見ると思ったよりも低い数値になっていました。
日が射し込んでいる道路などでは、明るく感じても実際は照度が落ちていることがあります。日没30分前になったら余裕を持ってライトオンしましょう。
1,000ルクスの照度=暗くなり始めの目安となる絶妙なタイミング
実際に走ってみると「1,000ルクスの照度」は、まさに暗くなり始めるタイミングといった印象でした。照度が1,000ルクスに落ちるまでは、さほど暗くなっていく感覚はなかったのですが、1,000ルクスを下回ったとたん、明るさの変化を意識していると、どんどん周囲が暗くなるのが実感できました。
また、実際に照度をはかりながら走ってみると、「1,000ルクスの照度」とは信号や他車のブレーキランプなどの点灯が周囲から目立ち始める時の明るさだということもわかりました。みなさんも夕暮れの走行中、信号や前の車のブレーキランプが目に付くようになったら、およそ1,000ルクス=ライトオンのタイミングだと意識してみてください。
1,000ルクスの照度で、歩行者から車はこう見える!
1,000ルクス前後まで照度が落ちると、たしかに周辺の見え方がじょじょに変わってくることがわかりました。では、1,000ルクスの照度で、歩行者から車はどのような見え方をしているのでしょうか。点灯なし、スモールランプのみ点灯、ヘッドライト点灯の場合で、どのくらいの違いがあるかを並べて検証してみました。
点灯なし
点灯なしの車は周囲の景色に溶け込んでしまい、歩行者から見えづらくなるだけでなく、向かってくるスピードや距離感もつかみにくくなります。
スモールランプのみ点灯
スモールランプのみの点灯では、写真のように歩行者からの見え方が、点灯なしの時とあまり変わらないので注意が必要です。
ヘッドライト点灯
ヘッドライトをしっかりと点灯している車は、歩行者から目に付きやすく、距離感も含め、認識してもらいやすくなります。
こんな場所も要注意!【影になりやすい市街地】
ビルの影に入ると、時間に関係なく急に暗くなることも!
いかがでしたか? 調査の結果、1,000ルクスの照度とは「周囲の明かりが目立ち始め、急に暗くなり始める絶妙なライト点灯タイミング」であることがわかりました。体感的に1,000ルクスを認識するのは難しいですが、他車のブレーキランプや信号機の点滅など「自発光している明かり」が目に付くようになったら1,000ルクス前後まで照度が落ちていることを意識することが大切です。
2020年から新型車に搭載されているオートライトは、照度が1,000ルクス未満になったら点灯しますが、オートライトのない車でも、新基準の1,000ルクスをイメージしてつねに早めのライトオンを心がけましょう。