「信号機のない横断歩道」一時停止率は17.1% ~前年比2倍となったが、依然として止まらないクルマが8割以上~ 今回の調査でも最も高かったのは「長野県」

ニュースリリース

本部広報2019-022
2019年10月10日

JAF(一般社団法人日本自動車連盟 会長 藤井一裕)は8月15日(木)~8月29日(木)に「信号機のない横断歩道」における歩行者優先についての実態調査を全国で実施し、その結果を公開しました。

一時停止率は昨年から倍増の17.1%。それでも、8割以上が止まらない

調査は各都道府県2箇所ずつ、全国合計94箇所で信号機が設置されていない横断歩道を通過する車両を対象(9,730台)に行ったところ、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は1,660台(17.1%)という結果となりました。前年の調査時と比べて8.5ポイントの増加となりましたが、依然として8割以上のクルマが止まらない結果となりました。

2016年からの調査開始以来、一時停止率が最も高かった長野県においては、今回の調査で過去最高の68.6%となり、引き続き全国で最も高い結果となりました。各都道府県の調査結果についてはホームページからご確認ください。

▼全国調査:信号機のない横断歩道実態調査 2019
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/library/survey-report/2019-crosswalk

調査方法等について

調査方法、調査箇所の設定にあたっては、以下の通りとしました。

  • 1.横断歩行者はJAF職員
    (横断歩道の立ち位置や横断しようとするタイミングを統一)
  • 2.調査日は月曜日から金曜日のみ(小雨を含む雨天時を除く)とし、10時~16時の間に実施。調査回数は1箇所50回(合計100回)の横断
  • 3.調査対象車両は、横断歩行者側の車線を走行する自家用自動車、自家用トラック(白ナンバー)
  • 4.センターラインのある片側1車線道路で、原則として、調査場所の 前後5m以内に十字路及び丁字路交差点がない箇所で、道路幅員が片側2.75m~3.5m、交通量が3~8台/分(目安)とし、制限速度が40~60km/h程度の箇所
  • 調査場所の詳細や2017年までの各都道府県の結果(傾向含む)は公表しておりませんのでご了承ください。また、調査場所は各都道府県内で2箇所ずつであり、都道府県内すべての市町村の箇所で同様の数値(傾向)とは限りません。
調査結果の数値が2桁だった都道府県

止まらないのは「自車が停止しても対向車が停止せず危ないから」

なお、2017年6月に「ドライバーが一時停止しない(できない)と考えられる理由」をインターネットアンケートで調査した結果、上位3つの理由として「自車が停止しても対向車が停止せず危ないから(44.9%)」、「後続から車がきておらず、自車が通り過ぎれば歩行者は渡れると思うから(41.1%)」、「横断歩道に歩行者がいても渡るかどうか判らないから(38.4%)」という傾向が出ています(アンケート回答者は、実態調査の対象となったドライバーとは異なります)。

横断歩道では手前で減速、歩行者優先。歩行者も意思表示で、互いに安全に努めましょう。

本来、交通ルールでは横断歩道に近づいた車両は横断する歩行者がいないことが明らかな場合のほかは、その手前で停止できるように速度を落として進まなければなりません。さらに、横断歩道を横断しようとする歩行者があるときは、当該横断歩道の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならないとして、「横断歩道における歩行者優先」を定めています。

また、歩行者も横断をしようとする際には、左右の安全を確認するとともに、ドライバーに横断する意思表示をするなどして、お互いに安全に努めましょう。

優しい運転で、みんなが笑顔に。“Omoiyalty Drive”

JAFでは、「街をゆく全てのクルマが思いやりをもって運転すれば、より安全な交通社会が成り立つはず」という想いを込め、2016年11月より“Omoiyalty Driveキャンペーン”を実施。“思いやりのある優しい運転” を “Omoiyalty Drive” と称し、ドライバーに“思いやり”をもった運転とその賛同をひろく呼びかけています。

テーマのひとつに“信号機のない横断歩道での一時停止”があり、安全な交通社会の成立のためひろく活動しています。賛同者は2019年9月末現在で49,991名と多くの方に賛同いただいています。

Omoiyalty Driveキャンペーン
https://omoiyalty.jp/

信号機のない横断歩道における車の一時停止率(全国)