

[A]タイヤがパンクした場合は、スペアタイヤへの交換や応急修理キットの使用、カー用品店・ガソリンスタンドへの持ち込み、ロードサービスへの連絡で対処できます。
- タイヤがパンクした場合は、まず安全な場所に停車し、状況に応じてスペアタイヤ交換や応急修理、ロードサービスなどで対処する。
- 路肩や高速道路上での作業は二次事故のリスクが高く、特に高速道路では自ら作業することは絶対に避ける。
- 月1回の空気圧チェックや乗車前点検、適切なタイヤ交換でパンクリスクを減らせる。
スペアタイヤに交換する
スペアタイヤが搭載されている場合は、安全な場所に停車してハザードランプを点灯し、三角表示板を設置します。続いてジャッキで車体を持ち上げ、パンクしたタイヤを取り外し、スペアタイヤを取り付けて、ナットを対角線の順に仮締めします。
スペアタイヤには、細く小さい「テンパータイヤ(応急用タイヤ)」と、通常タイヤと同サイズのスペアタイヤの2種類があります。
テンパータイヤはあくまで応急用であり、取扱説明書に記載された速度・距離の制限を守りましょう。一般的には時速80km以下が目安です。また、長距離走行を避け、できるだけ早くタイヤ専門店で通常のタイヤへ交換することが重要です。
一方、通常タイヤと同サイズのスペアタイヤであれば、基本的な走行性能は確保されていますが、空気圧やタイヤ状態を確認したうえで使用することが重要です。
ジャッキを下ろした後は、必ずナットの本締めと走行確認を行いましょう。
パンク応急修理キットを使用する
近年、スペアタイヤを搭載せず、パンク応急修理キットを標準装備するクルマが増えています。液状ゴムなどの補修材をタイヤ内部に注入して穴を一時的にふさぐ仕組みで、工具不要で対処できる点が特徴です。
ただし、対応できるのはトレッド面の小さな穴に限られており、以下の状態には使用できません。
- サイドウォール(タイヤ側面)の損傷
- 広範囲にわたる亀裂や大きな貫通穴
- 2本以上の同時パンク
また、補修液が内部に注入されたタイヤは、状態によっては修理ができず、タイヤ交換が必要になる場合があります。そのため、応急処置後も継続使用せず、早めに専門店で確認してもらうことが重要です。
最寄りのカー用品店・ガソリンスタンドに持ち込む
パンクが発生した場所の最寄りにカー用品店やガソリンスタンドがある場合は、急発進や急ブレーキを避けながら低速で移動し、その場でパンク修理を依頼する方法があります。
ガソリンスタンドは店舗数が多く立ち寄りやすいですが、交換用のタイヤを用意していない店舗もあるため、事前に電話で確認しておくと安心です。
一方、カー用品店はガソリンスタンドよりも対応可能な修理の範囲が広く、修理できないと判断された場合でも、その場でタイヤの購入や交換まで行ってもらえます。
ロードサービスに連絡する
自力での応急処置が難しい場合や高速道路上でのパンク、最寄りに修理店がない場合は、ロードサービスへ連絡することが安全です。
ロードサービスに依頼すれば、スペアタイヤへの交換や最寄りの修理店へのレッカー移送まで一括して対応してもらえます。
ロードサービスには、JAFのほか、加入している任意自動車保険やクレジットカードに付帯したサービスを利用できる場合があります。
JAFは入会していない方でもサービスを利用できますが、会員は料金面でメリットがあるため、万が一のパンクに備えてあらかじめ加入をご検討ください。
タイヤがパンクする5つの原因
タイヤのパンクは突然発生するように思われがちですが、日常的な走行環境や管理不足が積み重なって引き起こされることも少なくありません。
パンクの原因は大きく5つに分類され、原因ごとに適切な予防策が異なります。そのため、原因を正しく理解したうえで日常点検の習慣を身につけることが重要です。
以下では、それぞれの原因を詳しく解説します。
異物がタイヤに刺さる
道路には釘やネジ、ガラス片などの鋭利な異物が落ちており、走行中にタイヤがそれらを踏んで刺さることが、パンクの主な原因の一つです。
近年の乗用車用タイヤは、異物が刺さっても一気に空気が抜けにくい構造のため、気付かないまま走り続ける「スローパンク」に発展しやすい点に注意が必要です。
また、前輪が路面の異物を跳ね上げて後輪が踏むケースが特に多いため、後輪タイヤは念入りに点検しましょう。
異物が刺さったまま走行を続けると、ゴムとの隙間から空気が少しずつ抜け、タイヤがつぶれて初めてパンクに気付くケースも少なくありません。
空気圧が適正でない
タイヤは走行していない状態でも空気圧が自然に低下するため、意識的に補充しないと気付かないうちに規定値を下回ります。
空気圧が不足した状態で走行を続けると、タイヤが大きくたわんで変形を繰り返し、内部構造へのダメージが蓄積してひび割れが生じます。
さらに、空気圧不足のまま高速走行すると、タイヤ側面が波打つ「スタンディングウェーブ現象」が発生してタイヤ全体が発熱し、バースト(タイヤが破裂すること)に至る危険性があります。
反対に、空気圧が高すぎる場合も偏摩耗を引き起こし、パンクやバーストのリスクを高めるため、月1回を目安に適正値を確認することが重要です。
タイヤのゴムが劣化している
タイヤはゴム製品であるため、走行距離にかかわらず、時間の経過や紫外線、雨風の影響によって経年劣化が進み、弾力性が低下してパンクしやすくなります。
劣化が進んだタイヤは表面にひび割れが生じ、通常の走行では問題にならない程度の衝撃でもパンクやバーストに発展するリスクが高まります。
多くのタイヤメーカーは使用開始から4年から5年を交換の目安としており、外見上に問題がなくても内部の劣化が進行しているケースも珍しくありません。走行距離だけでなく、使用年数も踏まえてタイヤを管理することで、パンクを未然に防ぎやすくなります。
縁石などにタイヤをぶつける
タイヤの側面(サイドウォール)は、トレッド面よりも薄く、たわみが大きい部分であるため、縁石への接触や擦れが直接的なダメージにつながりやすい点が特徴です。
縁石への衝突でタイヤ内部のワイヤーが切断されたり、ゴムに亀裂が生じたりした場合、外見上は問題がなくても、走行中に突然パンクやバーストが起こる危険性があります。
サイドウォールの傷はトレッド面の傷と異なり修理が困難で、タイヤ交換が必要になるケースがほとんどです。縁石にタイヤをぶつけてしまったら、すみやかにタイヤ専門店で点検を受けましょう。
ホイールの外縁部(リム)が変形している
ホイールの外縁部(リム)が縁石への乗り上げや段差の衝撃によって変形すると、タイヤとホイールの接合部に隙間が生じ、そこから空気が漏れてパンクに至ります。
リムが変形した状態で走行を続けると、偏摩耗が進行するだけでなく、右折・左折時など大きな力が加わるタイミングでバーストするおそれもあります。
また、長期間の使用による経年劣化でもリムが歪む場合があり、タイヤを新品に交換してもリムの変形が残っていれば、再びパンクする可能性があります。そのため、タイヤの状態と合わせてホイール自体の確認も行いましょう。
タイヤがパンクしているかどうかの見分け方

タイヤのパンクは「駐車中」に気付く場合と「走行中」に異変を感じる場合の2つの場面に分けられ、それぞれ確認すべきポイントが異なります。
以下では、各場面における具体的なチェック方法を解説します。
駐車時の見分け方
駐車時は、以下の3点を目視で確認することで、パンクの有無をある程度判断できます。
- 4本のタイヤを比較して、明らかに沈んでいるものがないか
- トレッド面やサイドウォールに釘やネジ、ガラス片などの異物が刺さっていないか
- ひび割れや亀裂、コブ状の膨らみがないか
ただし、近年の乗用車用タイヤはスローパンクでも外見上の変化が出にくく、目視だけでは判断が難しい場合もあるため、月1回を目安に空気圧を計測し、早期発見に備えましょう。
走行中の見分け方
走行中に以下のような異変を感じた場合は、パンクを疑い、安全な場所へすみやかに停車する必要があります。
- ハンドルが左右どちらかに引っ張られる・クルマがまっすぐ進まない
- 「パタパタ」「ゴロゴロ」といったタイヤの回転に合わせた周期的な異音がする
- 路面からの振動がいつもより強く伝わる
- 低速・切り返し時にハンドルがいつもより重く感じる
後輪がパンクした場合はハンドルへの影響が少なく気付きにくいため、車体が左右に流れる、揺れるといった普段とは異なる感覚には十分注意が必要です。
走行中の異変はパンク以外の原因で起きることもありますが、少しでも違和感があれば停車して確認しましょう。
タイヤがパンクした際の注意点
タイヤがパンクした際に誤った行動を取ると、タイヤの損傷が拡大し、ホイールの破損や重大事故を招く危険性があります。
パンク直後は焦りから適切な判断が難しくなりがちですが、正しい行動を知っておくことで被害を最小限に抑えられるでしょう。
以下では、パンク時にやってはいけない3つの注意点を解説します。
パンクしたまま走行し続けない
パンクした状態で走行を続けると、タイヤがホイールから外れたり、ホイールが路面に接触して変形や損傷したりするほか、空気の抜けたタイヤが発熱して最終的にバーストに至ります。
さらに、ハンドル操作が効かなくなり、重大事故を引き起こすリスクも高まるため、気付いた時点ですみやかに安全な場所へ停車することが大切です。
最寄りにカー用品店やガソリンスタンドがある場合でも、走行は最小限にとどめ、無理に自走せずロードサービスの利用を検討しましょう。
異物をすぐに引き抜かない
タイヤに釘やネジなどの異物が刺さっているのを発見しても、その場で引き抜いてはいけません。異物が刺さったままであれば、穴がある程度ふさがれた状態を保てるためです。
異物を引き抜くと、その瞬間に空気が一気に抜け、完全に自走不能になる危険があります。
また、パンク箇所の特定が困難になり、その後の修理作業にも支障をきたします。そのため、専門店に持ち込むまでは刺さったままの状態にしましょう。
路肩でタイヤ交換を行わない
走行車線のすぐ脇となる路肩でのタイヤ交換は、通過車両に作業者が巻き込まれる危険性が極めて高く、非常に危険です。
特に高速道路上では、路肩に停車した車両へ後続車が追突する事故が実際に発生しているため、自分でタイヤ交換作業を行ってはいけません。たとえ自分で交換できそうな状況であっても、安全な場所へ避難し、ロードサービスへ依頼してください。
やむを得ず停車する場合は、ハザードランプを点灯し、発炎筒や停止表示器材を設置したうえで、ガードレールの外側など安全な場所へ避難してください。
タイヤがパンクするのを防ぐ方法
タイヤのパンクは突然発生するトラブルに見えますが、日頃のメンテナンスによって発生リスクを低減できます。以下では、すぐに実践できる4つの予防策を解説します。
定期的に空気圧をチェックする
タイヤは走行しない状態でも空気圧が自然に低下するため、意識的に補充しなければ気付かないうちに適正値を下回り、パンクやバーストのリスクが高まります。
空気圧の点検は月1回を目安に、ガソリンスタンドのエアコンプレッサーやカー用品店で購入できるエアゲージを使って実施することが望ましいです。
短期間で著しく空気圧が低下する場合は、スローパンクやタイヤのひび割れが原因の可能性があるため、空気補充で済ませずタイヤ専門店に点検を依頼しましょう。
乗車前にタイヤの状態を確認する
乗車前に以下のポイントを目視で確認する習慣を身につけることで、パンクの前兆を早期に発見し、重大なトラブルを未然に防ぐことができます。
- タイヤのトレッド面やサイドウォールにひび割れ、亀裂、コブ状の膨らみがないか
- 釘やネジ、ガラス片などの異物がタイヤに刺さっていないか
- スリップサインが露出していないか
異常を発見した場合は走行を控え、カー用品店やタイヤ専門店で専門スタッフによる点検を受けることが、安全に運転するためにも重要です。
タイヤローテーションを行う
タイヤは、装着位置によって摩耗の進み方が異なります。
前輪はタイヤの肩にあたる部分、後輪は中央部が摩耗しやすく、定期的なローテーションで偏摩耗を防ぐことがパンクリスクの低減につながります。
目安は5,000〜10,000km走行ごとに1回ですが、FF車は前輪への負担が大きいため、早めにローテーションすることが望ましいです。
また、ローテーションのタイミングで、ひび割れや偏摩耗、異物の刺さりなどを同時に確認することで、パンクの早期発見にもつながります。
使用年数・走行距離を目安に交換する
多くのタイヤメーカーは使用開始から4〜5年を交換の目安としています。
外見上に問題がない場合でも経年劣化によってゴムの弾力性は低下するため、パンクやバーストのリスクは年数とともに高まります。
走行距離の目安としては、5,000km走行するごとに溝が約1mm摩耗するとされており、スリップサインが現れる溝深さ1.6mmに達する前に交換を検討しましょう。
使用年数と走行距離のどちらか早い方を基準に判断し、迷う場合はタイヤ側面に刻印されている製造年週を確認したうえで、タイヤ専門店に相談することが望ましいです。
JAFに入会して突然の自動車トラブルに備えよう
パンクやバッテリー上がり、自然災害による冠水など、運転技術では防げないトラブルは誰にでも起こり得ます。JAFは、こうした自動車トラブル全般に対応するロードサービスを提供する組織です。
「自動車保険のロードサービスがあるから安心」と思いがちですが、保険とJAFには大きな違いがあります。
保険は「クルマ」を対象とするサービスのため、契約車両のみが対象です。一方、JAFは「人」に対するサービスで、マイカーやレンタカー、社用車、バイクまで幅広く対象となります※1。
また、保険では契約内容によってパンク修理や雪道でのスタック、自然災害に起因するトラブルが対象外となる場合があります。一方、JAFでは幅広いトラブルに対応しており、原則として利用回数の制限なく※2利用できます。
JAF会員の年会費は4,000円(入会金2,000円)です。入会していない方がロードサービスを利用する場合は、内容や状況によって1回20,000円以上※3※4かかることを踏まえると、事前に入会しておくことが経済的です※5。
万が一のトラブルに備えて、この機会にJAFへの入会をご検討ください。
※1 個人会員、家族会員の場合のみ対応。法人会員は登録車両に限定します(登録車両であればドライバーはどなたでもサービスをご利用いただけます)。
※2 会員無料範囲を超過した作業料金(20kmを超過したけん引、事故車の処理、落輪や転落車の引き上げ作業など、部品代等)については、一部又は全部をお客さまにご負担いただく場合がございます。バッテリーやガソリンなどの部品・油脂・燃料代は実費をいただきます。
※3 現場の状況によりロードサービス料金が異なります。
※4 表示価格はすべて税込金額(消費税10%)となります。
※5 救援現場でご加入された場合、当該救援は一般の方の料金となります。
まとめ
タイヤのパンクは、日頃のメンテナンス次第でリスクを大きく低減できるトラブルです。
月1回の空気圧確認と乗車前の目視確認を習慣にするだけで、パンクの前兆を早期に発見できる可能性が高まります。
パンクが発生した場合は、焦らず安全な場所へ停車し、状況に応じてスペアタイヤへの交換や応急修理キットの使用、ロードサービスへの連絡を選択しましょう。
正しい知識と日頃の備えが、ドライバー自身と同乗者の安全を守ることにつながります。
■監修者情報
2026年06月現在


