車内にクルマのキー(鍵)を残したまま外に出て、うっかりドアをロックしてしまうことがあります。インロックやインキーなどとも呼ばれる「キーの閉じ込み」は、JAFロードサービスの救援依頼のなかでも上位にランクされるほど発生件数の多いトラブルです。近年は「電子キー」の普及により、かつてのようにドアノブを引きながらドアをロックする習慣が見られなくなるとともに、救援依頼の件数も減少傾向にあります。それでも2016年度には、キーの閉じ込みで20万6000件以上の出動がありました。
電子キーでも車内に閉じ込めてしまうのは、利用者の「ヒューマンエラー」(人為的なミス)に起因することが多いと考えられます。例えば、電子キーの開閉ボタンでトランクリッドやリアゲートを開け、荷物を出し入れしているときに荷室内にキーを置いたまま閉めてしまうケースがあります。トランクの開閉ボタンを使っているのでドアは解錠されておらず、荷室も施錠されてキーを閉じ込めてしまいます。また、国民生活センターには、エンジンが停止しているときに、車内に置いたカバン内の電子キーのボタンが何らかの理由で押され、ドアが施錠されたケースも報告されています。
電子キーの施錠・解錠の方法は、主に①電子キーを携帯してドアに近づき、ドアノブやドアにあるボタンなどに触れることで施錠・解錠するタイプ、②電子キーを携帯してドアに近づくと解錠し、離れると施錠するタイプの2種類があります。クルマとの電波のやりとりを行うことで施錠・解錠を行うため、「車内に電子キーを放置すると、電波の影響や電池の消耗などによっては電子キーを車内に閉じ込めてしまうことがある」と注意を呼びかける自動車メーカーもあります。