[A]「サポカー」は衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)などの先進安全技術を活用した一定の運転支援機能を備えたクルマのことです。
- 「サポカー」とは自動ブレーキなどの先進安全技術を活用した一定の運転支援機能を備えたクルマの略称。
- 政府は官民連携で高齢運転者による交通事故防止対策の一環として普及啓発を図っている。
- 高齢運転者向けの車両の愛称は「サポカーS」で、自動ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置等を搭載。
「サポカー」と「サポカーS」
「サポカー」は衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)などの先進安全技術を活用した一定の運転支援機能を備えたクルマのことで、2017年に愛称が「セーフティ・サポートカー(略称:サポカー)」と決定しました。セーフティ・サポートカーには、「サポカー」と「サポカーS」があります。
「サポカー」は、自動ブレーキを搭載したすべての運転者向けのクルマです。「サポカーS」は、自動ブレーキに加え、ペダル踏み間違い時加速抑制装置等を搭載した特に高齢運転者に推奨するクルマです。
高齢運転者の安全運転を支援するサポカーの普及
サポカー普及促進の背景には、高齢運転者による死亡事故割合の増加があります。75歳以上の高齢運転者による死亡事故件数を見るとほぼ横ばい傾向ですが、 死亡事故全体の件数が減少傾向にあるため、高齢運転者による死亡事故の占める割合は増加傾向にあります。(※1)
平成29年中に発生した75歳以上の高齢運転者による死亡事故の人的要因を見てみると、ハンドルの操作不適(18%)・ブレーキとアクセルの踏み間違い(6.2%)などの「操作不適」が31%で最も多く、次いで「安全不確認」、「漫然運転等」の順になっています。(※1)
こうしたなか、高齢運転者の安全運転を支援する先進安全技術を搭載したクルマの普及啓発を図るべく、普及啓発策、先進安全技術の一層の普及促進のための環境整備等が進められています。
先進安全技術を搭載したサポカー
自動車メーカー各社は交通事故の発生防止・被害軽減のために開発された先進安全技術を搭載したサポカーを開発・販売しており、体験会などが開催されています。
主な先進安全技術には以下のようなものがあります。
①自動ブレーキ(対車両・対歩行者)=ぶつからない技術
車載レーダー等により前方の車両や歩行者を検知し、衝突の可能性がある場合には運転者に対して警告します。さらに衝突の可能性が高い場合には自動ブレーキが作動します。
②車線逸脱警報装置 =はみ出さない技術
車載カメラにより道路上に敷かれた車線を検知し、車線からはみ出しそうになった場合やはみ出した場合には、運転者に警報します。
③ペダル踏み間違い時加速抑制装置=飛び出さない技術
停止しているときや低速走行のときに、車載レーダー等が前方や後方の壁や車両を検知している状態でアクセルを踏み込んだ場合には、エンジン出力を抑えるなどによって急加速を防止します。
④先進ライト=ヘッドライト自動切り替え技術
前方の先行車や対向車などを検知し、ハイビームとロービームを自動的に切り替える「自動切替型前照灯」、ハイビームの照射範囲のうち前方の先行車や対向車などのエリアのみを部分的に減光する「自動防眩型前照灯」のほか、「配光可変型前照灯」があります。
現在、さまざまな先進技術を利用して運転者の認知・判断・操作をサポートし、安全運転を支援するシステムを搭載したASV(先進安全自動車)の開発が進められています。
こうしたなか自動ブレーキを搭載した、すべての運転者向けのクルマである「サポカー」、自動ブレーキに加えてペダル踏み間違い時加速抑制装置等を搭載した、特に高齢運転者に推奨するクルマである「サポカーS」は、ともに官民を挙げての普及が進んでいます。
ただこうした先進安全技術は安全運転を支援するものですが、事故を完全に防ぐものではありません。装置の機能を過信することなく、ドライバーは安全運転を心がけましょう。
2019年01月現在