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[A]電源を切っても記憶された内容が消えない。
- ROMに記録された走行にかかわる重要情報は、電源を切っても残る。
- オートアジャストシートやラジオの設定は、バッテリーを外すと消滅。
- バッテリーを外して消える程度のデータは、走行に悪影響を与えない。
クルマに装備されたものに限らず、コンピュータの記憶装置には、ROM(リード・オンリー・メモリー)とRAM(ランダム・アクセス・メモリー)の2種類があります。このうち、クルマが装備するコンピュータで、エンジンなどをコントロールする主要なデータを記憶しているのはROMです。ROMにもいくつかのタイプはあるのですが、共通していることは電源を切っても記憶された内容が消えないことです。
一方、RAMは、バッテリーのターミナルを外すと、記憶した内容が消えてしまいます。しかし、RAMはもともと、クルマの走行状態に応じて瞬時に書き換える内容を扱うための記憶装置なのです。たとえばエンジンには、ダイアグノーシスという機能があります。これは自己診断機能のことで、エンジンのどこかに不調が発生すると、その情報を記憶し、不調状態をランプの点滅などによって知らせます。このとき、バッテリーのターミナルを外すと、瞬間的に内容は初期状態に戻ります。その状態で不調箇所を修理して電源を入れると、装置はあらためて自己診断を行い、今度は正常状態であるとの判断を下すのです。
そのほか、自動的に設定位置を記憶するオートアジャストシートやラジオの選局機構なども、バッテリーのターミナルを外してしまうと記憶データが消滅してしまいます。前述したように、これらバッテリーを外してしまうと消滅する系統の情報は、本来、人為的に変更したり、走行中の状況によって常時書き換えられる性格のものです。そのため、これが消えてしまったとしても、クルマ本体の調子に悪影響を与えることはありません。
2013年03月現在