
[A]原付免許や自動2輪免許が必要なタイプ、普通自動車免許で乗れるタイプなどいろいろあります。

- 3輪バイクは宅配業務などに使われる原付のほか、トライクやサイドカーなど多種多様。
- 左右輪間の距離によって運転に必要な免許や登録の種別が異なる場合がある。
- トライクは登録上は側車付自動二輪になるが、普通自動車免許で乗ることができる。
3輪バイクの種類と種別

3輪バイクは、運転免許を規定した道路交通法の種類、登録や税金を定めた道路運送車両法の種別ともに、独立したカテゴリーにはなっていません。しかも寸法や構造、性能によって、種類や種別が異なります。前2輪のものと後2輪のものがありますが、寸法や性能が同等であれば、カテゴリーが分かれることはありません。
宅配業務などに使われる、道路交通法での「一般原動機付自転車(原付)」と同等の性能を持つものについては、旋回時に車体を傾けて走るなど、2輪車に近い運転特性を持ち、左右輪の接地部中心の間の距離が500mm未満の場合は、原付として扱われます。500mm以上の場合は、普通自動車の一種である「ミニカー」になります。道路運送車両法ではどちらも第一種原動機付自転車になりますが、ナンバープレートの色や税金は異なります。
道路交通法での自動二輪車と同等の性能を備える車両は、左右輪間の距離が460㎜未満である場合は「特定自動二輪車」となり、性能によって特定普通自動二輪車(普通二輪)または特定大型自動二輪車(大型二輪)に分類されます。
左右輪間の距離が460mm以上のものは、4輪車のように車体を傾けず、ハンドルを切って曲がるタイプが一般的になります。これらは「トライク」と言います。道路交通法では普通自動車となりますが、道路運送車両法では左右輪間の距離によらず、「側車(サイドカー)付二輪自動車」扱いになり、性能や寸法によって側車付二輪の軽自動車(軽二輪)あるいは側車付小型二輪自動車(小型二輪)に分類されます。タイの「トゥクトゥク」のような屋根付きの3輪タクシーも、日本では同じ扱いになります。
一般的な2輪車の脇に、人を乗せたり荷物を積載したりできる側車が付けられたものは「サイドカー」と呼ばれます。トライクとサイドカーの違いは、構造的に側車を分離できるものがサイドカー、一体化されているものがトライクとなります。こちらも道路運送車両法の種別では側車付軽二輪あるいは側車付小型二輪となり、道路交通法では普通二輪または大型二輪にそれぞれ分類されます。
購入時の注意点は?

3輪バイクのうち、道路交通法で原付あるいは普通二輪、大型二輪となっている車両は、該当する運転免許が必要で、ヘルメットの装着が義務付けられています。一方トライクのように普通自動車となる車種は、ヘルメットの装着義務は発生しません。しかし2輪車同様、乗員が車室で覆われていないので、転倒したときに頭部を保護するだけでなく、跳び石や虫などから顔を守るためにも、ヘルメットを装着しましょう。バイク用のグローブやブーツ、胸部や脊髄を守るプロテクターとともに、車両購入時に一緒に検討しましょう。
また、車体を傾けるタイプの3輪バイクは2輪車に近い感覚で運転できますが、車体を傾けないミニカー、トライク、サイドカーは、独特の運転方法の習得が必要です。車庫証明は不要ですが、車体幅が広いので、自宅に持ち込んで駐車できるかどうかも確認しましょう。
高速道路で乗るときには?

道路運送車両法で側車付軽二輪あるいは小型二輪として登録した3輪バイクは、高速道路を走行できます。高速道路を走行する際の法定速度は、道路交通法施行令第27条にあるとおり、80km/hと2輪のバイクより20km/h低くなります。高速道路の通行料金は、2輪のバイク同様、「軽自動車等」が該当します。
また、道路運送車両法上125cc以下で最高出力が4.0kWを超えるエンジン、または定格出力1.0kW以下のモーターを搭載する2輪車は第二種原動機付自転車となりますが、3輪では側車付軽二輪となるので、法的には高速道路の走行が可能です。ただしその場合は、道路交通法75条の4に示されているように、最低速度を守らなければなりません。
2025年06月現在