

[A]車両保険とは、事故や盗難、自然災害などによって生じた「自分のクルマの損害」を補償する保険です。
- 車両保険は「自分のクルマへの補償」であり、任意保険の補償メニューのひとつとして必要に応じて付帯する。
- 車両保険は契約時に保険金額と自己負担額を設定し、実際の損害額から自己負担額を差し引いた金額が支払われる。
- 自家用普通乗用車における車両保険の普及率は約60%。
車両保険の種類
車両保険には、大きく「一般型」と「限定型」の2種類があります。それぞれ補償範囲や保険料が異なるため、加入前に違いを確認しておきましょう。
なお、車両保険の名称や区分は保険会社によって異なります。本記事では一般的な「一般型」「限定型」の区分で解説します。
一般型
一般型は車両保険の中で補償範囲が最も広く、以下のような事故やトラブルが補償対象です。
- クルマ同士の衝突・接触
- 単独事故(電柱・ガードレールへの衝突など)
- 盗難
- 火災・爆発
- 台風・竜巻・洪水などの自然災害
- 落書き・いたずら
- 飛来物・落下物との衝突
- 動物との接触
相手方のいる事故だけでなく、自損事故や自然災害、盗難といった幅広いリスクをカバーできる点が特徴です。
補償範囲が広い分、限定型と比べて保険料は高くなりますが、幅広い事故やトラブルに備えたい方や、新車や高額車両に乗っている方にとっては、修理費の自己負担リスクを大きく抑えやすい選択肢といえます。
そのため、幅広い補償を重視する場合は、一般型への加入を検討するとよいでしょう。
限定型
限定型は一般型より補償範囲が狭く、以下のような事故が主な補償対象です。
- クルマ同士の衝突・接触
- 火災・爆発
- 盗難
- 台風・竜巻・洪水などの自然災害
- 落書き・いたずら
- 飛来物や落下物との衝突
火災や自然災害、盗難などは補償対象ですが、電柱やガードレールへの衝突といった単独事故は補償対象外となるため、自損事故のリスクをどう考えるかが加入判断のポイントとなります。
補償範囲が限定される分、一般型より保険料が割安に設定されており、保険料を抑えながら車両保険に加入したい方に向いている保険です。
車両保険に加入するメリット
車両保険は、任意保険の中でも自分のクルマを守るための補償であり、対人・対物賠償保険などではカバーできないメリットがあります。
以下では、車両保険に加入することで得られる3つのメリットを解説します。
自分に過失がある事故でも補償される
クルマ同士の事故では、それぞれの過失割合に応じて損害賠償額が決まるため、自分に過失がある分については相手の保険から補償されず、修理費を自己負担しなければなりません。
例えば、過失割合が自分:相手=6:4の場合、修理費の60%は自己負担となり、車両によっては数十万円規模の出費になることもあります。
その点、車両保険に加入していれば、自分の過失分の修理費用を保険金でカバーできるため、高額な自己負担が発生するリスクを軽減できます。特に、新車や高額車両に乗っている方は修理費も高くなりやすいため、万が一の事故に備えて加入を検討するとよいでしょう。
契約内容によっては、相手のいない事故や自然災害による損害も補償対象となる
車両保険の補償範囲は契約タイプによって異なります。一般型では、運転操作を誤って電柱やガードレールに衝突した単独事故も補償対象となります。
単独事故では損害を賠償してくれる相手が存在しないため、車両保険に加入していない場合、修理費用は全額自己負担となります。車種によっては修理費が数十万円に上るケースもあり、経済的な打撃は決して小さくありません。
なお、限定型では単独事故は補償対象外となるため、契約前に補償範囲を確認しておきましょう。
また、契約内容によっては、台風・洪水・ひょうなどの自然災害によってクルマが損傷・水没した場合も補償対象となります。近年は日本各地で記録的な豪雨や台風被害が相次いでおり、自然災害リスクは特定の地域に限った話ではありません。
「自分は安全運転だから大丈夫」と思っていても、予測できないリスクに備える手段として、車両保険の加入を検討するとよいでしょう。
当て逃げ・いたずら・盗難も補償できる
駐車中に加害者が特定できない当て逃げ被害や、落書き・いたずらによる傷、車両の盗難なども車両保険の補償対象です。
加害者が不明な場合は相手に損害賠償を請求できないため、車両保険に加入していなければ、修理費や買い替え時の費用を自己負担しなければならない可能性があります。
車両保険に加入することで、自分が安全運転を心がけていても避けられない被害に備えられます。
車両保険がいらないと言われる理由

車両保険は補償範囲が広い一方で、「いらない(不要である)」と言われることもあります。
以下では、車両保険がいらないと言われる理由や、加入前に把握しておきたい注意点について解説します。
保険料が上がる
車両保険を付帯すると、車両保険なしの場合と比べて自動車保険全体の保険料が高くなります。保険料の上がり幅は契約内容によって異なりますが、一般型は補償範囲が広い分、限定型よりも保険料がさらに高くなります。
「毎月の保険料が高い」「多少の傷なら修理しなくてもよい」と考える人にとっては、車両保険がコストに見合わないと感じられ、不要と判断する大きな理由となる傾向があります。
車両保険を使うと翌年以降の等級が下がる
自動車保険には1~20等級の等級制度があり、保険を使うと翌年以降の等級が下がり、保険料が上がる仕組みになっています。
車両保険を利用した場合、事故の種類によって等級ダウン数が異なります。
- 3等級ダウン:クルマ同士の事故・単独事故など
- 1等級ダウン:台風・洪水・火災・飛来物など
保険に加入していても、「保険を使うと翌年からの保険料が高くなる」と考え、利用をためらう人は少なくありません。こうした気軽に利用しづらい点が、車両保険を不要と判断する理由のひとつとなっています。
なお、パンクやバッテリー上がりなどの軽微なトラブルは、車両保険の保険金請求ではなく、ロードサービスの対象となる場合があります。
免責金額により小さな損害では使いづらい
車両保険には免責金額(自己負担額)の設定があり、修理費が免責金額と同程度の少額の場合は、保険金がほとんど受け取れません。
数万円程度の軽微な修理であれば、翌年以降の等級ダウン(保険料の上昇)も考慮すると、保険を使わずに自費で修理した方が、総費用を抑えられるケースもあります。
小さな傷やヘコミの修理では、保険を利用するメリットが薄いことも、車両保険が不要と言われる理由のひとつです。
車両の修理費用が全額補償されないケースがある
車両保険で支払われる保険金は、契約時に設定した車両保険金額が上限となります。車両保険金額はクルマの時価額をもとに算出されるため、購入から年数が経過したクルマは、保険金額が年々低くなります。
そのため、大きな事故を起こした場合でも、車両保険金額が低く、修理費用を十分にカバーできないケースがあります。
古いクルマに乗っている人ほど、車両保険の補償メリットを受けにくくなるため、加入の必要性が低いと感じやすいでしょう。
車両保険に加入する必要性が高いケース
車両保険への加入を特に検討したいのは、以下のようなケースです。
- 新車・高級車・希少車を購入した場合
- クルマのローン返済が残っている場合
- クルマを使う頻度が高い場合
- 運転経験が浅い、または運転に不安がある場合
- 台風・洪水など、自然災害による被害を受けやすい地域に住んでいる場合
これらに当てはまる場合は、事故や災害時の経済的負担が大きくなりやすいため、車両保険に加入しておくことで、修理費や買い替え時の費用負担への不安を軽減できます。
自身の利用状況や資産状況を踏まえたうえで、加入を検討しましょう。
車両保険に加入する必要性が低いケース
車両保険はすべての人に必要なものではなく、以下のような場合は保険料の負担に見合わないケースもあります。
- 購入から年数が経ったクルマや、年式の古い中古車に乗っている場合
- 事故が起きても、修理費や買い替え時の費用を貯蓄でまかなえる場合
ただし、車両保険を外すと、自然災害や当て逃げなどの被害に遭った場合の修理費は全額自己負担となるため、自身のリスクを十分に把握しておく必要があります。加入・未加入の判断は、クルマの価値や資産状況を踏まえて慎重に行いましょう。
突然の車両トラブルに備えるならJAFがおすすめ
車両保険は、事故などで高額な修理費用が必要になった際の備えとして有効です。一方で、バッテリー上がりやタイヤのパンクといった日常的な車のトラブルは、車両保険の補償対象外となるのが一般的です。
こうした急なトラブルへの備えとしては、JAFなどのロードサービスを活用する方法があります。
JAFは「人」に対するサービスで、マイカーはもちろん、レンタカーや社用車、バイクまで幅広く対応しています※1。また、保険会社のロードサービスでは対応が限定されることがある雪道でのスタックや、自然災害による冠水などにも対応可能です。
年会費は4,000円(入会金2,000円)です。入会していない方はロードサービス料金が1回あたり20,000円以上※2※3となるケースもあるため、事前に加入を検討しておくと安心です※4。
事故による車の修理は車両保険、日常の予期せぬトラブルはJAFのロードサービスで対応するというように、それぞれの役割を理解して備えましょう。
この機会にJAFへの入会をご検討ください。
※1 個人会員、家族会員の場合のみ対応。法人会員は登録車両に限定します(登録車両であればドライバーはどなたでもサービスをご利用いただけます)。
※2 現場の状況によりロードサービス料金が異なります。
※3 表示価格はすべて税込金額(消費税10%)となります。
※4 救援現場でご加入された場合、当該救援は一般の方の料金となります。
まとめ
車両保険は、事故や自然災害からクルマを守るための備えです。一方で、保険料の負担や等級への影響など、知っておくべき注意点も多くあります。新車購入時やローン返済中など、経済的な負担が大きくなりやすい状況では、車両保険の加入を検討するとよいでしょう。
また、パンクやバッテリー上がりといった軽微なトラブルは、保険を利用せずロードサービスで対応することも選択肢のひとつです。
補償内容と保険料のバランスを見極めながら、自分のクルマの状態や生活環境に合った選択をしましょう。
■監修者情報
2026年07月現在


