

[A]1〜20等級の区分に応じて保険料の割引・割増率が決まる制度で、無事故なら毎年1等級アップ、保険を使用した事故の内容に応じて1等級または3等級ダウンする場合があります。
- 自動車保険の等級は1〜20等級まであり、数字が大きいほど保険料の割引率が高くなる仕組み。
- 等級は初回加入時に6等級からスタートし、1年間無事故なら翌年に1等級アップ、保険を使用した事故の内容に応じて、1等級または3等級ダウンする場合がある。
- 同じ等級でも「無事故」と「事故有」では翌年の保険料の割引率が異なるため、保険を使う前に修理費と保険料の増額分を比較することが大切。
自動車保険の等級制度とは?
自動車保険の等級制度の正式名称は「ノンフリート等級別料率制度」で、損害保険料率算出機構が算出した基準となる保険料率をもとに、各保険会社が1〜20等級の共通枠組みで運用しています。
等級は初回加入時に6等級からスタートし、1年間無事故なら翌年に1等級ずつアップします。
保険を使用した事故の内容に応じて、1等級または3等級ダウンする場合があります。なお、20等級に到達するまでには、6等級から無事故で14年以上を要します。
等級は他社へ乗り換えても引き継がれますが、5等級以下のデメリット等級は満期日・解約日から13カ月間情報が共有されるため、解約しても等級をリセットすることはできません。
現在の等級は、保険証券や保険会社のマイページで確認できます。
【一覧表】等級ごとの割引率・割増率の目安
等級ごとの割引率・割増率を把握しておくと、事故後に保険料がどの程度変動するかをイメージしやすくなります。以下は、損害保険料率算出機構が公表している基準となる料率(参考純率)を基にした目安です。
| 等級 | 無事故の割引率・割増率 | 事故有の割引率・割増率 |
|---|---|---|
| 1等級 | +108%(割増) | +108%(割増) |
| 2等級 | +63%(割増) | +63%(割増) |
| 3等級 | +38%(割増) | +38%(割増) |
| 4等級 | +7%(割増) | +7%(割増) |
| 5等級 | −2%(割引) | −2%(割引) |
| 6等級 | −13%(割引) | −13%(割引) |
| 7等級 | −27%(割引) | −14%(割引) |
| 8等級 | −38%(割引) | −15%(割引) |
| 9等級 | −44%(割引) | −18%(割引) |
| 10等級 | −46%(割引) | −19%(割引) |
| 11等級 | −48%(割引) | −20%(割引) |
| 12等級 | −50%(割引) | −22%(割引) |
| 13等級 | −51%(割引) | −24%(割引) |
| 14等級 | −52%(割引) | −25%(割引) |
| 15等級 | −53%(割引) | −28%(割引) |
| 16等級 | −54%(割引) | −32%(割引) |
| 17等級 | −55%(割引) | −44%(割引) |
| 18等級 | −56%(割引) | −46%(割引) |
| 19等級 | −57%(割引) | −50%(割引) |
| 20等級 | −63%(割引) | −51%(割引) |
参考純率はあくまで目安となる数値であり、使用が義務付けられているものではありません。各保険会社はこの数値を基礎としつつ独自に割増引率を設定しているため、実際の数値は保険会社によって異なります。
7等級以上では、「無事故」と「事故有」で割引率に大きな差が生じる点が特徴です(6等級までは差はありません)。例えば15等級なら、無事故で−53%の割引、事故有では−28%にとどまり、同じ等級でも割引率に25ポイントの差が生じます。
事故有係数適用期間とは
事故で保険を使用した場合、翌契約年度から一定期間「事故有」の割引率が適用されます。これを「事故有係数適用期間」と呼びます。3等級ダウン事故であれば3年間、1等級ダウン事故であれば1年間が設定される仕組みです。
期間中に再び事故を起こすと、事故の種類に応じた適用期間(1年または3年)が残りの期間に加算されますが、合計の上限は6年と定められています。期間は1年経過するごとに1年ずつ減り、0年になると「無事故」の割引率に戻ります。
等級が下がる事故の種類と保険料への影響
事故を起こしてもすべてのケースで等級が下がるわけではありません。保険料への影響は、事故の種類によって異なります。
- 3等級ダウン事故
- 1等級ダウン事故
- ノーカウント事故
それぞれの違いを押さえておけば、万が一の際に保険を使うべきか冷静に判断できます。事故有係数適用期間の影響も含めて確認していきましょう。
3等級ダウン事故
対人賠償保険・対物賠償保険を使った事故は、原則として3等級ダウン事故に該当します。また、車両保険を使用した事故のうち、1等級ダウン事故やノーカウント事故に該当しないものも3等級ダウン事故となります。
代表例としては、追突事故やガードレールへの衝突、自損事故で車両保険を使うケースが挙げられます。
等級が3つ下がるうえ、翌年度から3年間は事故有係数適用期間が適用されるため、同じ等級でも無事故時より割引率が大幅に下がります。
例えば、15等級の人が3等級ダウン事故を起こした場合、翌年度は12等級(事故有)となり、その後3年間の事故有係数適用期間を経て、事故後4年目の更新で15等級(無事故)に戻ります。
車種や契約条件によっては、この間の保険料の増額分が5~10万円程度になるケースも珍しくありません。
1等級ダウン事故
飛び石によるフロントガラスの破損や車両の盗難、いたずらによる損傷など、一般的に契約者に大きな過失がないとされる偶発的な事故で、車両保険のみを使用した場合は、1等級ダウン事故に分類されます。
事故有係数の適用期間は1年間のため、3等級ダウン事故と比べると保険料への影響は限定的です。ただし、修理費が少額であれば保険を使わずに自己負担したほうが、翌年以降の保険料の増額分を踏まえると結果的に得になるケースもあります。
ノーカウント事故
人身傷害保険・搭乗者傷害保険・弁護士費用特約・個人賠償責任特約など、等級に影響しない補償のみを使用した場合は、ノーカウント事故に分類されます。
ノーカウント事故は翌年の等級に一切影響せず、無事故と同じ扱いで等級が1等級アップする仕組みです。該当する補償であれば、基本的には等級を気にせず利用できます。
等級ダウンを防いで保険料を節約する方法

等級は一度下がると元に戻るまでに数年かかるため、不要な等級ダウンを防ぐことが保険料の節約につながります。以下の4つの方法を押さえて、保険料の負担を抑えましょう。
- 無事故を継続して毎年1等級ずつ上げる
- 少額の修理は保険を使わず自己負担を検討する
- 乗り換え・中断時に等級を無駄にしない
- セカンドカー割引で2台目を7等級からスタートする
無事故を継続して毎年1等級ずつ上げる
等級を上げる基本的な方法は、1年間保険を使わずに契約を更新することです。等級は6等級からスタートして毎年1等級ずつ上がり、20等級に到達すると無事故時の割引率は約63%になります※。
長期的に見れば、安全運転を続けることが最も効果的な保険料の節約手段といえます。
※保険会社により異なります。
少額の修理は保険を使わず自己負担を検討する
車両保険を使うと、事故の内容によっては等級が下がり翌年以降の保険料が上がるため、修理費が少額であれば自己負担のほうが結果的に節約につながる場合があります。
3等級ダウン事故の場合、等級ダウンと事故有係数適用期間の影響により、3年間の保険料の増額分が5万〜10万円程度になるケースもあります。修理費用と今後3年間の保険料増額分を比較し、長期的な視点で判断することが重要です。
判断に迷ったら、保険会社に翌年以降の保険料シミュレーションを依頼してみましょう。
乗り換え・中断時に等級を無駄にしない
自動車保険の等級は、原則として保険会社を乗り換えてもそのまま引き継がれます。条件のよい他社の保険を見つけても、一定の条件を満たせば新規加入扱いになって等級がリセットされることはありません。
クルマを手放す予定がある場合は、一定の条件を満たせば保険会社で「中断証明書」を発行できます。中断証明書があれば、現在の等級が最長10年間保存され、再びクルマを所有した際に以前の等級で加入を再開できます。
家族間での等級の引き継ぎは、一般的に配偶者や同居の親族が対象です。例えば、親の20等級を子供に引き継ぎ、親が6等級または7等級で新規加入すれば、家族全体の保険料の節約につながるケースもあります。
セカンドカー割引で2台目を7等級からスタートする
2台目以降のクルマで新規に保険を契約する場合、1台目の等級が11等級以上など一定の条件を満たせば、セカンドカー割引の対象となります。
2台目の新規契約は通常6等級からのスタートですが、セカンドカー割引が適用されると7等級から始まるため、初年度の保険料を抑えることが可能です。
1台目が他社の保険であっても、同居の親族であることなど条件を満たせば適用される制度です。そのため、家族でクルマを買い増す予定がある方は、事前に適用条件を確認しておきましょう。
JAFに入会して突然の自動車トラブルに備えよう
費用面での合理性を考えることは大切ですが、突然の自動車トラブルは、対応が遅れると車両の買い替えやケガによる通院・入院など、時間や費用の負担が大きくなる可能性もあります。
軽微なトラブルから早期に解消できる備えとして、JAFへの入会をご検討ください。
バッテリー上がりやパンク、キー閉じ込みなどの日常的なカートラブルに備えたい方にも役立ちます。
保険のロードサービスは原則として「クルマ」にかけるサービスで、契約車両が対象です。一方、JAFは「人」に対するサービスで、マイカーだけでなくレンタカー・社用車・バイクなど、会員が運転または同乗している場合に利用できます※1。
また、保険のロードサービスでは適用外になることが多い異音・異臭の点検やパンクの応急修理、大雨による車両冠水なども、JAFなら対応しています。さらに、JAF会員は利用回数に制限がないため、同じ年に何度トラブルが起きても追加料金はかかりません※2。
JAFの年会費は4,000円、入会金は別途2,000円(初年度のみ)です。入会していない方がバッテリー上がりでロードサービスを1回利用すると21,700円(昼間・一般道の場合)※3※4かかるため、事前入会のほうが費用を抑えられます※5。
※1 個人会員、家族会員の場合のみ対応。法人会員は登録車両に限定します(登録車両であればドライバーはどなたでもサービスをご利用いただけます)。
※2 会員無料範囲を超過した作業料金(20kmを超過したけん引、事故車の処理、落輪や転落車の引き上げ作業など、部品代等)については、一部又は全部をお客さまにご負担いただく場合がございます。バッテリーやガソリンなどの部品・油脂・燃料代は実費をいただきます。
※3 現場の状況によりロードサービス料金が異なります。
※4 表示価格はすべて税込金額(消費税10%)となります。
※5 救援現場でご加入された場合、当該救援は一般の方の料金となります。
まとめ
自動車保険の等級は1〜20等級に分かれており、等級が上がるほど保険料が安くなる仕組みです。等級を上げる基本的な方法は無事故を継続することであり、一度下がると元に戻るまでに数年かかります。
軽微なトラブルで安易に保険を使うと、等級ダウンと事故有係数適用期間の影響により、保険料の負担が長期間にわたって増加します。保険を使うかどうかは、修理費用と今後の保険料増額分を比較して判断しましょう。
等級を守りながら日常のカートラブルにも備えたい方は、JAF会員への入会をご検討ください。
■監修者情報
2026年06月現在


