[Q] 自賠責保険とはどのような保険?

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自賠責保険

[A]すべての自動車・バイクに加入が義務付けられている強制保険で、交通事故の被害者救済を目的としています。

  • 自賠責保険は公道を走るすべての自動車・バイク(原動機付自転車を含む)に加入が義務付けられている強制保険で、補償対象は交通事故における被害者への対人賠償のみに限られる。
  • 保険料は法令に基づいて算出された基準料率を用いるため、どの保険会社で加入しても金額は同じ。
  • 物損やドライバー自身のケガ、事故以外のトラブルは補償対象外のため、これらをカバーする任意保険への加入や、故障・トラブル時に備えたJAFなどの利用も検討する。

自賠責保険の概要と加入義務

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、自動車損害賠償保障法に基づく強制保険です。交通事故の被害者が最低限の補償を受けられるよう、公道を走るすべての自動車やバイク(原動機付自転車を含む)に加入が義務付けられています。

車検のある車種(普通車・軽自動車・250cc超バイク)は、車検時に自賠責保険の有効期間が確保されている必要があるため、車検期間と保険期間がずれて未加入となるケースは基本的にありません。

なお、2023年7月の道路交通法改正により、一定の基準を満たす電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」に区分されました。

特定小型原動機付自転車は原付と同様に自賠責保険の加入が義務付けられており、2024年4月からは専用の保険料区分も設けられています。

未加入・期限切れの場合の罰則

自賠責保険に未加入、または有効期限切れの状態で公道を走行した場合、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されます。さらに、違反点数6点が加算され、免許停止処分の対象となります。

また、自賠責保険に加入していても、自賠責保険証明書を車内に備え付けていない場合は30万円以下の罰金が科されるため、つねに携行するよう徹底しましょう。

自賠責保険の補償内容と支払限度額

自賠責保険の補償対象は、交通事故で他人を死傷させた場合の対人賠償に限定されています。物損(相手のクルマや建物など)やドライバー自身のケガは補償されません。また、電柱への衝突など対人事故を伴わない自損事故も対象外です。

支払限度額は、損害の区分ごとに以下のように定められています。

損害の区分 支払限度額(被害者1名あたり)
傷害(治療費・休業損害・慰謝料など) 120万円
後遺障害(介護を要する場合) 3,000万〜4,000万円
後遺障害(上記以外) 75万〜3,000万円(等級に応じて)
死亡 3,000万円

後遺障害の等級は症状の重さに応じて1〜14級に区分されており、1級が最も重く、等級が低い(数字が小さい)ほど支払限度額も大きくなる仕組みです。

自賠責保険の保険料一覧【2023年度〜2025年度適用】

自賠責保険の保険料は法令にもとづき算出された基準料率を用いるため、どの保険会社で加入しても金額は変わりません。2023年度から2025年度までは同額で推移しており、主な車種別の保険料(本土・離島を除く)は以下のとおりです。

車種 12カ月 24カ月 36カ月
自家用乗用車(普通車) 11,500円 17,650円 23,690円
軽自動車 11,440円 17,540円 23,520円
バイク(250cc超) 7,010円 8,760円 10,490円
バイク(125cc超〜250cc以下) 7,100円 8,920円 10,710円
原付(125cc以下) 6,910円 8,560円 10,170円

車検のある車種は、車検期間に合わせて24カ月または36カ月の契約を結ぶケースが一般的です。車検制度のないバイクや原付は契約期間を任意で選べるため、長期契約のほうが1年あたりの保険料は割安になります。

なお、沖縄県や離島では上記とは異なる保険料が適用されるため、加入時に窓口で確認しておきましょう。

自賠責保険と任意保険の違い

自動車の保険には、強制保険である自賠責保険と加入が任意である任意保険の2種類があります。具体的にどのような点が異なるのか、補償範囲と備えの観点から詳しく見ていきましょう。

補償範囲の違い

自賠責保険と任意保険では、補償範囲が大きく異なります。両者の違いを整理すると以下のとおりです。

補償の種類 自賠責保険 任意保険
対人賠償(相手のケガ・死亡) ○(限度額あり) ○(無制限も可)
対物賠償(相手のクルマ・建物など) ×
人身傷害(自分や同乗者のケガ) ×
車両保険(自分のクルマの修理代) ×
単独事故(電柱への衝突など) ×

自賠責保険は交通事故の被害者救済を目的とした保険のため、対物賠償やドライバー自身のケガには対応しません。対人賠償についても支払限度額が定められているため、高額な賠償が発生した事故には備えきれない可能性があります。

自賠責保険だけでは不十分な理由

自動車事故の損害賠償額は、死亡事故や重度の後遺障害が残るケースで数千万円から数億円に上る事例も見られます。自賠責保険の死亡時の支払限度額は3,000万円のため、高額な賠償が発生した場合は補償が大幅に不足する可能性があります。

また、自賠責保険の補償は対人賠償のみで、対物賠償は一切対象外です。高級車や店舗への衝突事故では、物損だけで数千万円規模の賠償につながるケースもありますが、自賠責保険では補償されません。

なお、2024年3月末時点の任意保険の対人賠償普及率は75.5%、対物賠償普及率は75.6%です※。約4台に1台は任意保険に加入していない状況であることがわかります。

※出典:日本損害保険協会「自動車保険 都道府県別加入率」

自賠責保険の加入・更新・解約の手続き

自賠責保険の手続きをする人

自賠責保険の手続きは難しい内容ではないものの、車種によって加入経路や注意点が異なります。以下では、新規加入から名義変更、途中解約まで、押さえておきたい4つのポイントを解説します。

  • 新規加入・更新の手続き先
  • 車検と自賠責保険の関係
  • クルマを譲り受けた場合の名義変更
  • 途中解約と返金の仕組み

新規加入・更新の手続き先

自賠責保険の加入・更新は、以下の窓口で手続きを進められます。

  • 損害保険会社の窓口や代理店
  • 自動車販売店・整備工場(車検と同時に手続き)
  • バイク販売店
  • 一部のコンビニエンスストア(原付・250cc以下バイクのみ)
  • オンライン(2025年1月開始の「One-JIBAI」対応保険会社)

手続きには車検証(または標識交付証明書)と現在の自賠責保険証明書が必要です。原付やバイクの場合は、標識交付証明書や軽自動車届出済証でも対応できます。

なお、2025年1月から開始された「One-JIBAI」では、クレジットカードでの保険料の支払いや、自賠責保険証明書のPDFデータでの受け取りも可能です。

車検と自賠責保険の関係

車検のある車種(普通車・軽自動車・250cc超バイク)は、車検を受ける際に自賠責保険が有効期間内であることが必要です。

自賠責保険の有効期間が車検期間をカバーしていなければ車検は通らないため、車検時にあわせて更新手続きが行われるのが一般的です。

一方、250cc以下のバイクや原付は車検制度がないため、自分で満期日を管理する必要があります。スマートフォンのリマインダーやカレンダーに登録しておくと、うっかり期限切れを起こすリスクを減らせます。

クルマを譲り受けた場合の名義変更

自賠責保険は車両に付随する保険のため、名義が前の所有者のままでも補償自体は有効です。しかし、事故が発生した際の手続きが煩雑になるおそれがあるため、クルマを譲り受けたタイミングで名義変更まで済ませることをおすすめします。

名義変更の手続きは、加入している保険会社の窓口で受け付けています。譲渡意思を確認できる書類(譲渡証明書など)と、新旧所有者それぞれの本人確認書類を準備しておきましょう。

途中解約と返金の仕組み

クルマを廃車にした場合や自賠責保険を重複して契約してしまった場合などは、自賠責保険の途中解約を申し込めます。残りの保険期間に応じて、保険料の一部が返戻金(へんれいきん)として戻ります。

解約手続きには、自賠責保険証明書・廃車証明書(または譲渡証明書)・本人確認書類等や新たな自賠責保険証明書(重複契約の場合)など、解約理由に応じた確認書類が必要です。残りの保険期間が1カ月未満の場合は返金されないため、解約のタイミングには十分ご注意ください。

JAFに入会して自賠責保険ではカバーできないトラブルに備えよう

ここまで解説してきたとおり、自賠責保険の補償は「交通事故で他人を死傷させた場合」に限定されています。

バッテリー上がりやパンク、キーの閉じ込みなど事故以外のトラブルは、自賠責保険では補償されず、任意保険でも契約内容によってはロードサービスの対象外となる場合があります。

「任意保険のロードサービスがあるから大丈夫」とお考えの方も多いかもしれませんが、保険のロードサービスとJAFの仕組みは大きく異なります。

保険のロードサービスは契約車両にかかるため、契約車両以外では利用できない場合があります。一方、JAFは「人」に対するサービスで、マイカー・レンタカー・社用車・友人のクルマに同乗中でも利用可能です※1。

さらに、パンクの応急修理や雪道のスタック、台風による冠水トラブルなど、任意保険のロードサービスでは対象外になりやすい場面でもJAFなら対応可能で、原則として利用回数にも上限はありません。

JAF会員の年会費は4,000円(入会金2,000円)です。例えばバッテリー上がりの場合、入会していない方のロードサービス料金は21,700円(昼間・一般道)※2※3かかるため、この機会にJAFへの入会をご検討ください※4。

※1 個人会員、家族会員の場合のみ対応。法人会員は登録車両に限定します(登録車両であればドライバーはどなたでもサービスをご利用いただけます)。
※2 現場の状況によりロードサービス料金が異なります。
※3 表示価格はすべて税込金額(消費税10%)となります。
※4 救援現場でご加入された場合、当該救援は一般の方の料金となります。

まとめ

自賠責保険はすべての自動車やバイク(原動機付自転車を含む)に加入が義務付けられている強制保険で、補償対象は交通事故の対人賠償に限られます。保険料は法令にもとづき算出された基準料率を用いるため、どの保険会社で加入しても金額は同じです。

車検のある車種は車検時にあわせて更新手続きが行われるのが一般的である一方、250cc以下のバイクや原付は自分で満期日を管理する必要があります。

物損やドライバー自身のケガ、事故以外のトラブルは対象外のため、これらをカバーする任意保険への加入や、故障・トラブルに備えた事前の入会をご検討ください。

■監修者情報

熊谷 正和(くまがい まさかず)1級FP技能士・CFP
熊谷 正和(くまがい まさかず)
1級FP技能士・CFP

プロフィール:
2005年7月に埼玉県川口市で開業後、ファイナンシャルプランニングを軸とした、コンサルタントとして、活動してます。開業当初から、個人のライフプランから、法人向けのコンサルティングまで、幅広くご支援させていただいております。得意分野は、住宅ローン・保険・資産運用などのライフプラン相談になります。毎年数百世帯、述べ2,000世帯を超えるライフプラン相談の経験を積めたことが、私の最大の武器と思います。ご相談者には、1つでも多くのメリットを感じていただけるように、日々業務改善を図り、常に新しい知識を養い、最高のコンサルティングをご提供できるように励んでいます。

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