制服アップサイクルプロジェクト始動~「トレジャーハンティング」を実施しました~
お知らせ 福岡
2026年06月25日
JAF九州本部では、役目を終えたロードサービス隊の制服をアップサイクル※し、新たな価値を持つプロダクトとして活用する取り組みに協力しています。2026年3月11日にJAF、一般社団法人日本アップサイクル協会、香蘭ファッションデザイン専門学校の学生・卒業生、縫製会社である株式会社リフォーム三光サービスの関係者が一堂に会し、素材が持つ可能性について意見交換をおこないました。
※アップサイクル…廃棄される予定であった製品に新たな価値を付加し再生する取り組み
「何を作るか」ではなく「何があるか」を探す
JAFの制服は、過酷な現場で隊員の安全を守るために設計されています。高い耐久性、夜間でも視認性を確保するリフレクター(反射材)、そして象徴的なブルーとオレンジの配色。これらはすべて「安全の象徴」としての機能を果たしてきました。今回のトレジャーハンティングでは、これらの要素をどう次のプロダクトへ引き継ぐかが焦点となりました。
隊員の「現場の記憶」をたどる
隊員からは、制服の「傷み」について 「ロードサービスの現場では、車の下をのぞきこんだり、アスファルトに膝をついたりする作業が日常茶飯事です。だから、膝や肘の部分が真っ先に擦り切れてしまうんです。オイル汚れも、洗っても落ちないほど染み込みますが、それは私たちが誰かを助け、現場を完遂した証でもあります」と説明しました。
この言葉を受け、香蘭ファッションデザイン専門学校の学生たちは、新たな視点を見出しました。 「通常のアパレルでは『汚れ』や『擦れ』は不良品ですが、このプロジェクトではそれこそが一点物のストーリーになります。オイルの染み跡をあえてデザインのアクセントとして残し、隊員の活動の記憶を可視化させたい」


素材の特性を活かすクリエイティブな検証
実際に素材を手に取った参加者からは、技術的な視点に基づいた具体的なアイデアが次々と飛び出しました。
- リフレクター(反射材)の再定義: 隊員の命を守ってきた反射材。これを「夜間の歩行者の安全を守る」という文脈に置き換え、サコッシュやバックパックのパーツとして活用する案が出されました。
- 耐久性の転用: 「非常にタフで厚手の生地なので、PCケースやアウトドア用のツールバッグなど、耐久性が求められるアイテムに相性がいい」と、リフォーム三光の職人からも量産化を見据えたアドバイスがありました。
- ディテールの再構築: 制服のポケットやペン差し、さらには識別タグやJAFのロゴをあえて外さずににそのままデザインとして活かすことで、「元々制服であったこと」を語りかけるプロダクトにする方向性が示されました。


産学連携がもたらす社会実装への道筋
JAFロードサービス隊: 物語の源泉となる素材と現場の知見を提供。
学生・卒業生: 既成概念に囚われない自由な発想と、社会課題解決への熱意。
リフォーム三光サービス: 熟練の縫製技術による「製品」としてのクオリティ担保。
日本アップサイクル協会: 全体のコーディネートと、循環型のビジネスモデル構築。
学生が描く「理想のデザイン」に対し、縫製のプロが「この厚みの生地をどう縫い合わせるか」という技術的フィードバックをおこなう。この実戦的なプロセスを経て、実際にマーケットで手に取ってもらえる「商品」としてのアップサイクルを目指します。


次のステージへ:物語の続きを作る
2026年3月11日、この日のトレジャーハンティングによって、廃棄されるはずだった制服は、未来を支える資源へと定義し直されました。
「社会を守ってきた制服を、次世代と未来を支える資源へ」
このスローガンのもと、プロジェクトは今後、学生によるデザインの具体化とプロトタイプの制作へと進みます。素材に刻まれた隊員たちの誇りと、若いクリエイターたちの感性が混ざり合ったとき、どのようなプロダクトが生まれるのか。
JAF九州本部は、使用済みロードサービス制服に新たな価値を見出し社会に還元していく、この取り組みに賛同しています。地域の学生や団体との連携を通じて循環型社会の実現を目指してまいります。


企画・運営:一般社団法人 日本アップサイクル協会
協力: JAF九州本部 / 香蘭ファッションデザイン専門学校 / 株式会社リフォーム三光