高速道路の事故と「出発前の準備」の重要性

お知らせ 栃木

2026年06月02日

高速道路の事故は突然起きる

出発前5分の点検が命を守る

重大事故は、多くの人に衝撃を与えます。高速道路ではパンクやバースト、整備不良による車両トラブルが重大事故につながるケースが少なくありません。時速100kmで走行する高速道路では、わずかな異常が命に関わる事態へ発展する可能性があります。事故を起こさないことはもちろんですが、高速道路を利用する際の注意点と事前点検の重要性について改めて考えてみたいと思います。

起きた事故から学ぶべきことがある

JAF栃木支部
高速道路における事故の中には、タイヤのパンクやバースト、車両整備不足などが関係しているケースがあります。高速走行中は車両に大きな負荷がかかります。一般道では問題なく走行できていても、高速道路に入った途端に不具合が顕在化することも珍しくありません。 だからこそ、「事故の原因は自分には関係ない」と考えるのではなく、「自分のクルマは大丈夫だろうか」という視点を持つことが重要です。

栃木県では、2025年に起きた交通事故は4,808件、死者数は69人となり、過去5年間で最多となっています。東北自動車道では逆走車に起因する衝突事故や、路肩停車中の車両への追突事故、最近では貨物自動車が大破する事故など、痛ましい事故が発生しています。
こうした事故を「他人事」として捉えるのではなく、自分自身にも起こり得るリスクとして考えることが大切です。特に高速道路では、タイヤやブレーキへの負荷が大きく、わずかな整備不良や見落としが重大事故の引き金になることがあります。お出かけ前の点検はもちろん、運転中は十分な車間距離を保ち、疲労を感じる前に休憩を取ることも大切です。(参照:栃木県警察本部 令和7年中 とちぎの交通事故 )

高速道路で最も多い車両トラブルの一つ「タイヤ」に注意

高速道路で最も警戒すべき車両トラブルの一つがタイヤです。タイヤは唯一、路面と接している部品であり、その状態が安全性を大きく左右します。空気圧不足のまま高速走行を続けるとタイヤ内部に熱が蓄積し、最悪の場合はバーストを引き起こす危険があります。また、タイヤの劣化は見た目では分かりにくいため、定期的な点検が欠かせません。特に注意したいのは次のポイントです。

●空気圧が不足していないか
●タイヤの溝が十分残っているか
●側面にひび割れや傷がないか
●製造から年数が経過しすぎていないか

タイヤの空気圧は「メーカー指定値」が基本

交通安全系記事写真

タイヤ空気圧は毎月1回は確認を

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タイヤの状態も確認しましょう

タイヤの空気圧は、車両メーカーが指定する値を基準にすることが基本です。これは一般的な乗車人数や荷物量を想定して設定されています。
そのため通常の使用では、独自に調整する必要はありません。通勤・買い物・家族でのドライブ・旅行や帰省、といった一般的な使い方であれば、指定空気圧を守ることが最も安全です。
ただし車種によっては、「高負荷時空気圧」が設定されている場合があります。乗車人数が多い場合・荷物を多く積む場合・高速道路を長距離走行する場合などは、取扱説明書の指示に従うことが推奨されます。重要なのは「多めに入れること」ではなく、「メーカーが定めた適正値を維持すること」です。過不足はどちらも、グリップ力低下や偏摩耗、制動性能の低下につながります。

適切な積載量を守ることも安全運転の基本

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重たい荷物や不要なものは下しておきましょう
高速道路を利用する際は、タイヤや空気圧だけでなく、車両の積載量にも注意が必要です。旅行や帰省、レジャーなどでは、つい荷物をたくさん積み込みがちですが、クルマにはそれぞれ「最大積載量」や「乗車定員」が定められています。過積載状態になると、下記の危険が生じます。

●タイヤへの負荷増加
●タイヤの発熱増加
●パンクやバーストのリスク上昇
●制動距離の延長
●ハンドル操作の不安定化
●カーブでの横転リスク

特に高速道路では速度が高いため、わずかな重量超過でも重大事故につながる可能性があります。「少しくらいなら大丈夫」という判断は危険です

高速道路に乗る前に確認したいチェック項目

走行中に、ハンドルが取られる・車体が振動する・異音がする・焦げたような臭いがする、といった異常を感じた場合は、無理に走行を続けず、安全な場所へ退避することが重要です。ハザードランプを点灯し、周囲の安全を確認しながら路肩やサービスエリアなど安全な場所へ退避しましょう。「あと少しだから大丈夫」という判断が、取り返しのつかない事故につながることがあります。

タイヤ

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・空気圧
・溝の残量
・異物の刺さり
・ひび割れや損傷

エンジンルーム

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・エンジンオイル
・冷却水
・バッテリーの状態
・その他油脂類など

灯火類

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・ヘッドライト
・ブレーキランプ
・ウインカー

車内

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・シートベルト
・荷物の固定
・発煙筒や三角表示板の有無

後席を含む「全席シートベルト着用」を徹底しよう

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後席でも一般道・高速道に関わらず着用は必須
クルマに乗る際、運転席や助手席ではシートベルトを着用することが当たり前になっています。しかし、後部座席では「近距離だから」「高速道路ではないから」と着用を怠るケースが今でも見受けられます。シートベルトは高速道路だけでなく、一般道でも全席で着用することが法律で義務付けられています。
特に高速道路で事故が発生した場合、シートベルトを着用していない乗員は車内で激しく身体を打ち付けたり、車外へ放り出されたりする危険があります。また、自身が負傷するだけでなく、前席の乗員に衝突して重大な被害を与えることもあります。一般道でも、交差点での出会い頭の事故や追突事故など、比較的低い速度域であっても、シートベルト未着用による重傷事故は少なくありません。
「後ろに乗るだけだから大丈夫」、「近所までだから大丈夫」、そうした油断が重大な結果につながることがあります。クルマを発進させる前に、運転者はもちろん、乗車するすべての乗員がシートベルトを着用しているか確認する習慣をつけましょう。車両の点検や安全運転と同じように、全席シートベルト着用は命を守るための最も基本的で重要な安全対策の一つです。

子どもには年齢や体格に合ったシートを使用すること

全席シートベルト着用の徹底とあわせて重要なのが、子どもの適切な乗車方法です。大人用のシートベルトは、身長や体格が十分に成長した人を前提に設計されています。そのため、子どもが大人用シートベルトをそのまま使用すると、事故の際に首や腹部を強く圧迫し、重大なけがにつながる危険があります。
そのため、子どもの成長に合わせてチャイルドシートやジュニアシートを適切に使用することが重要です。
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チャイルドシート・ジュニアシートの適切な使用を

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ISOFIX付で安全・確実な取付を

●チャイルドシートの使用義務
道路交通法では、6歳未満の子どもにはチャイルドシートの使用が義務付けられています。
ただし、6歳を過ぎたからといってすぐに大人用シートベルトが安全に使えるとは限りません。
重要なのは年齢ではなく、体格や身長です。

●ジュニアシート卒業の目安
JAFでは、身長150cm未満の子どもにジュニアシートの使用が推奨されています。

大人用シートベルトを正しく装着したときに、①肩ベルトが首にかからず鎖骨の中央を通る②腰ベルトがお腹ではなく骨盤の位置を通る③背もたれに深く座れる
膝がシートの端で自然に曲がる、これらを満たして初めて、大人用シートベルトを安全に使用できる状態といえます。

「抱っこは命を守れない」
事故の際、「しっかり抱っこしているから大丈夫」と考える方もいますが、それは非常に危険です。例えば時速60kmで衝突した場合、子どもの体重は瞬間的に数十倍の力となり、大人の腕だけで支えることはほぼ不可能です。衝突の衝撃で子どもが前方へ投げ出されたり、大人の体と車両の間に挟まれたりする危険があります。子どもの命を守るためには、抱っこではなく、体格に合ったチャイルドシートやジュニアシートを適切使用することが必要です。

発進前の最終確認は「全席シートベルト」

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ハンドルを握る責任は、自分だけでなく同乗者の命も守ること
高速道路でも一般道でも、安全対策に違いはありません。

●運転席
●助手席
●後部座席
●子どものチャイルドシート・ジュニアシート

これらすべてが適切に使用されていることを確認してから出発しましょう。車両点検や安全運転と同様に、全席シートベルトと子どもの適切なシート使用は、万が一の事故から命を守るための最も基本的で重要な安全対策です。「事故を起こさないための準備」と「事故が起きたときに命を守る準備」の両方を徹底することが、安全なドライブにつながります。

出発前5分の点検が命を守る

事故はいつも突然起こります。しかし、その原因の中には事前の点検や整備によって防げるものも少なくありません。日頃起きている事故は、すべて原因が明らかになっているわけではありません。それでも私たちが学ぶべきことはあります。

●高速道路を利用する前には、車両の状態を確認する。
●異常を感じたら無理をしない。
●定期的な整備を怠らない。
●全席シートベルト着用する。
●子どもにはチャイルドシート・ジュニアシートを使用する。

こうした当たり前の積み重ねが、自分自身だけでなく、家族や周囲の命を守ることにつながります。出発前の5分間。その小さな習慣が、大きな事故を防ぐ第一歩になるのです。

※本記事は高速道路における一般的な安全対策を紹介するものです。