万全に準備し、どんなにスムーズな運転を心がけても、乗り物酔いを起こしてしまうことはあります。そんなときは、どうすればよいのでしょうか?ここでは代表的な対処法をいくつか紹介しましょう。
■クルマから降りて休憩する
クルマで酔ってしまったら、降りて休むのが一番です。適切な駐車スペースを見つけて降車し、深呼吸をしたり、水分を補給したり、景色をながめて体調や気持ちを整えましょう。先を急がずに、ゆっくりと休憩する余裕が肝心です。
■酔い止め薬を飲む
酔い止め薬には自律神経を整える成分や胃腸が異常に活動するのを鎮める成分が含まれていて、頭痛や吐き気を抑えます。ドラッグストアやコンビニエンスストアで購入できるので旅先でも手に入りやすいのですが、できれば事前に医師や薬剤師に相談し、自分の体に合った薬を携帯しておくとよいでしょう。
■ツボを刺激する
乗り物酔いに効くといわれるツボを刺激する方法もあります。そのひとつが自律神経の働きを整える「内関(ナイカン)」です。内関は、手のひらを上に向け、手首の付け根(しわがある場所)から大人の指で3本分(約5cm)ほど肘側に移動した腕の中央(へこんでいるところ)にあります。少しでも乗り物酔いで気分が悪くなったら、すぐに内関を押し揉みましょう。心配な人は、乗車前から押していても構いません。
しかし、長い時間ツボを押すのは疲れてしまいます。そこで米粒(米粒大のビーズや1円玉などで代用可能)を内関に当て、絆創膏などで固定します。こうすれば力を加えずにツボを刺激できます。同様の効果がある「酔い止めバンド」を使うこともできます。酔い止めバンドはカー用品や旅行用品を扱う店で販売しているので、試してみるとよいでしょう。
■偽薬効果を狙う
偽薬(プラセボ、プラシーボ)の効果を利用して、暗示をかけます。自分自身で実践するのは難しいので、この方法には協力者が必要です。
酔いやすい人に、「酔い止め薬」と説明してタブレット菓子(錠菓)や飲料を飲んでもらいます。飲んだ人が「酔い止め薬を飲んだから安心」と思い込めば、ある程度の効果が期待できるかもしれません。薬の副作用が心配される子供には良策といえるでしょう。ただし、当然ながら錠菓や飲料には酔い止め効果はないので、それを承知で実践することになります。
また、おへその上に湿布薬を貼るという対処法も知られています。医学的に効果が証明されているわけではありませんが、これもプラセボ効果が期待できるので覚えておくと役立つかもしれません。