[A]車間距離をあけて落下物事故にあわないようにしましょう。落下物とぶつかってしまい停車するときは、非常電話などから事故を通報してください。
- 高速道路の落下物は、プラスチック・ビニール・布類、自動車部品類、木材類が多い。
- 高速道路で物を落とすと道交法違反になり、罰金などが科せられる。
- 落下物にぶつかったら、安全を確保して非常電話などから通報する。
落下物は事故や渋滞の原因になります
NEXCO西日本の発表では、2017年度に約119,000件もの落下物が管内で発生しています。これは、1日あたりにすると約330件になります。落下物を分類別にみると、プラスチック・ビニール・布類(プラスチック容器、ごみ袋、毛布、シート類)が最も多く(約33%)、次にタイヤや自動車付属品などの自動車部品類(約11%)、角材やベニヤなどの木材類(約10%)となっています。
高速道路の落下物は落とし主だけの問題だけでなく、後続車の事故や渋滞の原因になる可能性があります。
道路交通法には、「自動車の運転者は、 (中略) 積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない。」(道路交通法第75条の10より抜粋)とあります。高速道路においては、落下物は落とし主の責任であり、交通反則行為にあたります。この規定に違反した者は、3か月以下の懲役、もしくは5万円以下の罰金。過失による場合は10万円以下の罰金が科せられます。また、第三者に損害を与えた場合には、落とし主に賠償責任が生じるほか、「道路交通法」や「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」等の違反によって法律で罰せられます。
実際に落下物が原因の重大事故の事例も発生しています。例えば、高速道路上の落下物をよけるために車線を変更した貨物車にバスが衝突し、乗員1人が亡くなるといった事故がありました。また、走行中に輪止めがはずれ、対向車線を走っていた乗用車のフロントガラスを突き破って助手席の同乗者を直撃したケースもあります。さらには、大型トレーラーから落下した資材ボックスが原因で渋滞が発生し、車列にトラックが衝突して10人以上が死傷する事故も起こっています。後続車などの第三者が落下物によって損害を受けると、落とし主に賠償責任が生じることがあります。
落下物や落下物による事故を防ぐためには
高速道路では、車外の荷物は強い風圧や振動にさらされます。スキー板やサーフボード、自転車などのレジャー用品を車外に積むときには、しっかり固定する必要があります。また、走行中の振動で固定が緩んでしまう可能性もあるので、走行中や休憩中にも気を配りましょう。特に紙類やビニールなどの飛散しやすい荷物は、シートなどで覆い、風に当たらないようにし、シート自体も固定する必要があります。
後続車が落下物事故にあわないためには、車間距離をあけることが大切です。車間距離を十分にとり、わき見運転にも気を付けましょう。道路情報板に落下物の表示があったときは、前方の道路状況や先行車の動きなどに注意して走行してください。高速走行中は落下物を発見してから、ハンドルやブレーキで事故を回避できる時間が短くなるため、速度を控えることも重要です。また、急なハンドルやブレーキ操作も事故の原因となるため、落ち着いて対応しましょう。
落下物にぶつかったとき、落下物を見つけたときの対処法は?
NEXCO西日本の発表では、落下物の発生件数は毎年多く発生しています。
走行中に落下物とぶつかってしまい、やむをえず停車するときは、非常駐車帯を利用し、本人や同乗者の安全を確保したうえで、非常電話などから事故を通報します。路肩に停車するときは、ハザードランプを点灯させ、周囲の安全を確認してクルマを路肩に寄せます。停車後に発炎筒や停止表示板を置き、ガードレールの外など安全な場所に避難してから通報しましょう。非常電話は本線上で1㎞おき、トンネル内では200mおきに設置されている他、サービスエリアやバスストップにもあります。
また、通報は「道路緊急ダイヤル(#9910)」でも可能です。この専用ダイヤルは高速道路や国道などの幹線道路での落下物や道路の破損など異常を発見した際の通報に利用できます。通報時は落下物のあった車線や地点を覚えておくと、スムーズに伝えることができます。携帯電話やスマートフォンにも対応し、24時間通話料無料で利用できます。落下物を発見したときの通報は、サービスエリアなどの休憩施設や料金所の係員に伝えることもできます。落下物の通報があると、高速道路会社から道路情報板やVICSなどで情報提供が行われるとともに、交通管理隊が落下物の回収に向かいます。
2019年04月現在