[A]燃料ポンプやインジェクター、バッテリー、スターターなどの寿命が短くなる可能性があります。
- 摩擦熱や摩耗により、燃料ポンプのモーターが故障する可能性がある。
- スターターを多く回すことで、スターターやバッテリーの負担が増える。
- 直噴エンジンでは、インジェクター先端のノズルを傷めることもある。
走行中にガソリンや軽油などの燃料が切れてしまいエンジンが停止してしまうことをガス欠といいます。このガス欠を繰り返すと、クルマへのダメージをの原因となりえます。具体的には、燃料ポンプ、インジェクター、バッテリー、スターターモーターなどの寿命が短くなる可能性が高まります。燃料ポンプは、ガソリンタンクからエンジンに必要なガソリンを供給する役割を担います。エンジンが稼働している間は、燃料が流れ続けていることを前提に、常に燃料ポンプのモーターは高速で回転してまます。このモーターの潤滑と冷却には、燃料に含まれている油分を利用しているのです。ところが、ガス欠を繰り返すと燃料ポンプは空転して、モーターの潤滑性と冷却が失われてしまうため摩擦熱や摩耗による故障を誘発する可能性があります。
シリンダー内に直接燃料を噴射するタイプの直噴エンジンでは、シリンダー頂点の燃焼温度がもっとも高温となりますが、ガス欠を繰り返すと、このインジェクター(燃料を噴射する装置)先端のノズルの潤滑が失われ、ノズルを傷めます。
ガス欠時には燃料のパイプラインからもガソリンがなくなるため、給油してスターターモーターを回しても、ガソリンはすぐに行き渡りません。そのためスターターを多く回すことになり、スターターやバッテリーの負担が増えることにもつながります。
また場合によっては、燃料パイプラインの中にあるはずの燃料が空となってしまうため、このライン内には空気が入ってしまいます。空気が混入すると燃料を吸い上げられなくなるため、ラインの空気抜き作業も必要になります。この空気抜きをしっかりしないと、インジェクションポンプやインジェクションノズルに悪影響が出ることがあります。なお、空気抜きには専門知識が必要となるため、ガス欠後に不調になった場合は場合はJAFに救援要請をしてください。
ガソリン車のガス欠に対し、EV(電気自動車)が走行用の電力を使い切ってしまうことを電欠といいますが、これも避けた方がいいでしょう。バッテリーが空の状態で長期間放置すると、バッテリーの早期劣化につながるといわれています。基本的に、車種や搭載バッテリーの種別によってはバッテリーの充電回数は少ない方が良いとされ、充電しすぎもバッテリーのために良くありません。
2022年05月現在