[A]普段は感じないような振動を感じたら、症状でトラブル場所を判断します。
- 振動はステアリングなどの操作系と、ボディ全体のものに大別できる。
- ペダル操作時に発生する振動は、エンジンやブレーキのトラブルの可能性。
- 走行中のボディの揺れは、タイヤにフラットスポットができた影響が考えられる。
ステアリングの振動はタイヤやホイールが原因のことも
運転中に、普段は感じないような振動や揺れが生じた場合、車両トラブルが発生している可能性が考えられます。体感できるほどの振動は、ステアリング、ブレーキやアクセルのペダルなどの操作系からドライバーに伝わるものと、ボディ全体で感じるものに大別できます。
ステアリングに振動を感じた場合、ステアリング自体のギアやリンクなどの異常はもちろん、タイヤやホイールから発生している可能性もあります。ある速度に達するとステアリングが激しく振動することを、シミー現象と呼びます。これはホイールバランスやアライメントの狂い、タイヤの偏摩耗などによるものです。段差や凹凸を乗り越えるとステアリングが大きくふらつくときは、ステアリングギアやリンクのトラブルが考えられます。
ブレーキペダルの振動はさまざまなトラブルが考えられる
ペダル操作時に発生する振動では、まずアクセルはエンジンやトランスミッション周辺のトラブルが想定されます。エンジンでは異常燃焼(ノッキング)やエンジンマウントの劣化が原因という場合が多く、トランスミッションではATフルードなどのオイルが劣化すると、変速時にショックが大きくなったりします。
ブレーキペダルはパッドの片減り、ディスクローターの偏摩耗(ジャダー)などが振動の原因になります。さらにブレーキの効きが左右で異なるなど、システムの異常があるときは、制動時にステアリングが左右に振られることがあります。
また、ボディ全体が揺れる場合は、停車時は前述したエンジンの異常燃焼やエンジンマウントの劣化によることが多く、走り始めに車体がガタガタするときは、長時間の駐車でタイヤの一部が平らになってしまうフラットスポットができてしまった可能性があります。
ステアリングやボディの振動は、タイヤの空気圧が1輪だけ不足しているためもあるので、まず空気圧のチェックをしましょう。フラットスポットは走行を続けることで解消する場合もあります。それでも振動が解消しないとき、それ以外の箇所が振動する場合は、整備工場に持ち込んで、原因を見てもらうようにしてください。
振動による診断法
症状 | 状況/併発症状 | 原因 | 対処法・予防法 |
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ある速度域でステアリングが振動 | 高速道路などで一定速度で走行中 | ホイールバランス(タイヤ自体の重量バランス)の狂い。または、タイヤを取り付けているサスペンション部分のトラブルもある。 | 整備工場で点検。あるいはタイヤの空気圧を確認する。 |
ある速度域で車体全体が揺れる | 高速道路などで一定速度で走行中 | ホイールアライメント(タイヤの取り付け角度)の狂い。その結果によるタイヤの偏磨耗など。 | タイヤ専門店、整備工場で点検。タイヤを縁石などにぶつけて衝撃を与えないように注意。 |
ステアリングをきっていくと「コツーン」という手ごたえ | 走行中、曲がる時 | ステアリング機構の中のギヤ、あるいはベアリングが破損。 | 整備工場で点検。タイヤを縁石などにぶつけて衝撃を与えないように注意。 |
ATの変速ショックが大きい | 走行中、主に加速時 | ATフルード(オイル)の劣化、もしくは不足。 | 整備工場で点検。本来、ATフルードは量が減るものではないので、不足していたらトラブルの可能性。 |
2025年01月現在