[A]クルマのトランクや車内に防災用品を常備しておけば安心感が高まります。
- 車内は寒暖差が大きく、季節によって防災用品の内容や注意点が変わる。
- 徒歩で避難する際の基本的な防災用品は、車内での一時的な避難でも利用できる。
- 乳児や幼児がいる場合は、月齢によって必要なものが変わるので、こまめに備えをチェックする。
「短期間の車内での一時的な避難」に必要な防災用品とは?
運転中に巨大地震などの自然災害が発生したときは、クルマを安全な場所に止め、車載テレビやラジオ、スマートフォンなどで情報を収集し、その後の行動を冷静に判断しましょう。クルマのトランクや車内に防災用品を常備しておけば安心感が高まります。ただし、クルマは保管場所が限られるため、たくさんの防災用品をそろえることはできません。命を守るために必要なものを優先する意識を持つことが大切です。予備のメガネや常備薬、乳児がいる場合は液体ミルクなど、自分や家族の状況に合わせたものを準備しましょう。
道路の通行止めなどで、1~2日間の車内での一時的な避難を余儀なくされたときのために、飲料、食料、防寒具、携帯トイレなどを常備しておきましょう。長期間保存できる非常用飲料水やロングライフ食品などが理想です。
車内は寒暖差が大きく、季節によって防災用品の内容や注意点が異なります。夏季の炎天下に駐車した車内は高温になるので、食料の保管には向きません。長期保存ができる缶詰でも、賞味期限には十分に注意しましょう。日中に車内で過ごすときは熱中症や水分補給に注意しましょう。初夏から晩秋にかけては虫よけスプレーも重宝します。冬季の車内での一時的な避難時は、手袋や使い捨てカイロなどの寒さ対策が重要です。寝袋や毛布なども用意しておくとよいでしょう。
クルマを置いて「徒歩で避難」するときは?
災害の規模によっては、クルマを置いて「徒歩で自宅や避難所に向かう」ことになる可能性もあります。東日本大震災発生時の内閣府の調査によって、自宅まで10㎞未満ではほぼ帰宅が可能、20㎞を超えるとは帰宅が困難ということが分かりました。帰宅できる距離には年齢差などがあるので、自分の体力を把握しておくことが大切です。
クルマを置いて徒歩で避難する場合の基本的な防災用品は、ポケットサイズのラジオ、懐中電灯、飲料(500ml×1本)、軍手などが挙げられます。これらは前項の車内待機のときにも利用できます。クルマのトランクや車内に常備する際は、防災リュックにまとめておくとスムーズに持ち出せます。情報収集に欠かせないポケットサイズのラジオは、AM/FMを受信できるタイプなら、災害発生時にミニFM局から近隣の避難所や支援情報などが提供された際に活用できます。帰宅路が分かっていれば、ミニFM局の周波数を事前に調べておきましょう。
夜間に停電した道路を歩くのは危険がともなうので、懐中電灯は必需品です。ヘッドライトであれば両手が自由になります。また軍手があれば、瓦礫などを撤去するときにも役立ちます。このほか、消毒薬や絆創膏が入った救急箱、レインコートなどの雨具、小さく折りたためるアルミブランケットなどもあるとよいでしょう。
赤ちゃんがいる場合に必要なものとは?
乳児や幼児がいる場合は、簡易おむつやパンツ、授乳用ケープやミルクセット、衣類などが追加されます。
なお、月齢によって必要なものが変わってきますので、こまめに備えをチェックする必要があります。
災害時には、ストレスのために母乳が出にくくなってしまうこともあるため、お湯で溶かす必要が無く、そのまま飲める液体ミルクが役に立ちます。常温で長期保存ができるものも多いので思わぬ渋滞や立ち往生に備えて、常備しておくとよいでしょう。
2022年06月現在