
[A]雨天時にもっとも多いのは、スリップによる事故です。

- 首都高速道路の調査では、雨天時の死傷事故件数は晴天時の約4倍。
- 雨天で多いのはスリップ事故で、急加速や速度超過など原因はさまざま。
- 雨天の夜は視界が悪く、歩行者や自転車の発見が遅れがちなので注意。
雨天時は死傷事故件数が大幅に増加
雨の日は、路面が滑りやすくなっているうえに、視界が悪くなるので、晴天時よりも慎重に運転する必要があります。首都高速道路株式会社の調査によると、雨天時の時間当たりの死傷事故件数は晴天時と比較し約4倍、施設接触事故件数は約7倍にもなっています。
天候別 死傷事故件数の比較

天候別 施設接触事故件数の比較

引用元:首都高ドライバーズサイト
雨の中でもっとも多いのは、スリップによる事故です。速度が高いままカーブに進入したとき、追い越し時の急加速、轍の水たまりに進入した際など、さまざまなシチュエーションで起きています。濡れて滑りやすくなった車線に車線変更で乗った瞬間、滑ってヒヤッとしたという人も少なからずいるはずです。
最近の乗用車は、横滑り防止装置が標準装備されていますが、この装置はコーナーなどで車体が滑り始めたとき、ブレーキやアクセルを制御することでスピンを抑えるもので、急なスリップには対応しきれない場合が多くなります。安全装備が付いているからといって、過信しないことが重要です。
一般道路では歩行者や自転車の存在にも注意
首都高速道路では、雨天時は側壁などの道路施設への接触事故が増加しているというデータも出ています。雨天時以外は、施設接触事故が約1割にとどまっているのに対して、雨天時は約3割になっています。さらに速度別では、60km/h以上での走行中に、施設接触事故が発生しやすい傾向にあるそうです。雨天時はいつも以上に、スピードの出しすぎに注意する必要があります。
雨天時以外 事故形態別割合

雨天時 事故形態別割合

※四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります。
引用元:首都高ドライバーズサイト
一般道路ではスピードは低くなりますが、横断歩道のペイントやマンホールの蓋など、滑りやすい箇所が増えるので注意が必要です。さらに雨の日の夜間は、視界が悪いので、歩行者や自転車などの認識が遅れがちです。歩行者は傘をさしていたりして視界が狭まっているので、その点も頭に入れて運転する必要があります。雨天時の運転はどれだけ注意しても、それが過ぎるということはないと言えます。
2025年06月現在