[Q] 雨天時のスリップ事故を防止するポイントはなんですか?

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[A]事故を防止するには、とにかくスピードを出さないことです。

  • 雨の降り始めは、路面にホコリや泥が浮いて滑りやすくなるので注意。
  • カーブに進入する手前では十分に減速し、直線単路でも速度を控える。
  • タイヤの残り溝が浅いと制動距離が長くなり、旋回時の膨らみも拡大する。

雨天時はスリップ事故が多発している

首都高速道路株式会社の調査によれば、雨天時は晴天時の約4倍も事故が起こりやすくなっていることが判明しています。原因別にみると、雨天時は「スリップによる事故」と「視界不良による事故」の2パターンの事故が多く、とくにスリップによる事故が多発。雨で濡れた路面は、予想以上に滑りやすくなっています。雨の降り始めは、路面にホコリや泥などが浮き上がり、滑りやすくなる傾向があるため、とくに注意が必要です。
高速道路などでスピードを出している状況では、ハイドロプレーニング現象が起こることがあります。ハイドロプレーニング現象とは、水のたまった道路を高速で走行したとき、タイヤと路面との間に水の膜ができてタイヤが水の上を滑走する現象です。この状態だとハンドルやブレーキが利かなくなるため、クルマをコントロールできなくなります。

スリップ事故の最大要因は速度オーバー

雨天時に起こりやすいスリップ事故の要因で、もっとも多いのが速度オーバーです。非雨天時と同じような速度感覚でカーブに進入すると、タイヤが横滑りしてコントロールが利かなくなり、接触事故などにいたる可能性が高くなります。また直線単路であっても、水たまりのあるところで速度を出し過ぎていると思わぬスリップ事故を起こすこともあります。
こうした事故を防止するには、スピードを出さないことです。雨天時は速度を控えて走行するようにします。さらに、雨天時は車間距離も長めにとることが大切。前車が減速したときにいつもの感覚でブレーキを踏むと、スリップする危険性があるからです。ブレーキが作動してから停止するまでの距離(制動距離)も長くなる傾向があるので、十分に注意が必要です。

雨天時にわかる摩耗タイヤの危険性

JAFが行ったテスト(詳細はこちら)によると、雨天時の制動距離はタイヤの残り溝に反比例して長くなる傾向があることがわかりました。例えば、溝の深さが①7.6mmの新品タイヤ、②4.7㎜の5分山タイヤ、③3.1mmの2分山タイヤ(タイヤの山は新品の溝の深さから使用限度1.6㎜を引いた数値を10分山として計算)で100km/h走行から急ブレーキをかけると、乾いた(ドライ)路面での制動距離はいずれもほぼ同等でしたが、濡れた(ウェット)路面では③の2分山タイヤは①の新品タイヤより約1.5倍も制動距離が長くなりました。これは溝が浅くなったことによる、排水性の低下が主な原因と思われます。
濡れた路面でハンドルを切って旋回しつつブレーキを踏むテストでも、新品タイヤは最短距離で止まれたうえに旋回時の外側への膨らみ量が小さく、残り溝が浅くなるに従って制動距離が長くなり、旋回時の膨らみ量も大きくなることがわかりました。また溝の深さが1.6mm未満のタイヤは滑りやすくなるというだけでなく、整備不良として法律で使用が禁止されています。走行前に確認し、摩耗が進んでいるようなら早めのタイヤ交換を意識しましょう。

2020年01月現在

 

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