[Q]キャブオーバー型のクルマを運転するときの注意点とは?

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[A]まず注意したいのは、乗用車に比べて運転席の位置がやや高いことです。

  • 運転席が高く前方感覚は掴みやすいが、前走車に接近しやすく注意。
  • 運転前に車体の幅や高さを目視で確認しておく。
  • ハンドルを切るタイミングはやや遅く、ブレーキの効きにも要注意。

キャブオーバー型のクルマとは?

キャブオーバー型とは、バスやトラックなどの車体形式のことです。エンジンの上に運転席(キャブ)を配置した車種で、荷室や客室を広くとるボディ形式のことで、ワンボックスタイプや軽トラックもキャブオーバー型に分類されることがあります。このようなタイプのクルマは、運転方法がボンネットのある乗用車とは少し異なります。例えば引っ越しや荷物の運搬でキャブオーバー型のクルマを運転することになったときなど、運転に不安や違和感を覚えるドライバーがいるかもしれません。事故やトラブルを起こさないためにも、キャブオーバー型の基本的な運転方法を理解しておきたいものです。

まず注意したいのは、乗用車に比べて運転席の位置がやや高いことです。エンジンや補機類などを運転席の下に搭載しているからで、運転席に座ると道路を見下ろすような視界になります。このため前方視界が広くなり、前方の車両感覚は掴みやすいといえるでしょう。その一方で、信号待ちなどで停車する際に、前走車に近づき過ぎることがあります。ボンネットがないことと、視点が上がったことで、乗用車を運転しているときよりも前走車が遠くにあるように錯覚しやすいからです。前走車を煽(あお)っているかのように接近してしまわないように、キャブオーバー型を運転するときは意識的に少し広めの車間距離をとるように心がけましょう。

また、トラックなどは車高の感覚が掴みにくいかもしれません。車高感覚を誤るとアンダーパスや陸橋を通過できないことがあり、大変に危険です。特に車高については、桁下や有料駐車場で高さ制限が設けられていることが少なくありません。運転前に車体の幅や高さを目視で確認しておきましょう。車検証や車両のカタログなどを読み、ボディサイズを数値としてしっかりと頭に入れておくことが大切です。

運転感覚を正しく理解しましょう

運転で注意したいのが、右左折時のハンドルを切るタイミングです。キャブオーバー型はボンネットがないので、ボンネットの長さを気にする必要がありません。しかし、運転席が前輪の上の位置あたりにあるので、その分だけハンドルを切るタイミングを遅くする必要があります。乗用車と同じタイミングでハンドルを切り始めると、イメージする走行ラインよりも後輪が内側を通ることになってしまうからです。ハンドルはやや遅いタイミングで、大回り気味に曲がるのが運転のコツです。左折時はガードレールなどへの接触の危険があるので、左に寄り過ぎないようにしましょう。

信号がない狭い道路の交差点を曲がるときは、内輪差によって車体後部が塀や電柱と接触する危険性がさらに高まります。慣れないうちは、速度を十分に落とし、ドアミラーをよく確認しながら、大回りで曲がることで内輪差によって車体をこするリスクを軽減できます。

車庫入れの方法は乗用車と大きく変わりませんが、後進には注意が必要です。サイドミラーやルームミラーを最適な角度に調整しても、キャブオーバー型は左サイドミラーの下や後方下部などに目視では確認しにくい死角があります。たとえ後方を映せるリアカメラを搭載していても、自車周辺を通行する歩行者や自転車などの動きに常に気を配り、事故などに注意しましょう。また、アイポイントが高い車種は前方真下が見づらいことがあるので、発進時は自車の前に人がいないか、障害物などがないかを必ず確認してください。

走行中に注意したいのは、ブレーキの効き方です。一般的にトラックなどの場合は乗用車よりも車体が重いため、ブレーキが効きにくいと感じることがあります。信号待ちなどの停車時には、広めの車間距離を意識し、早めのブレーキを心がけましょう。

2018年10月現在

 

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