[Q]高速道路走行中に後ろから緊急車両が来た場合の対処方法とは?

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[A]緊急車両の進路を妨げないように走るには、サイレンの音や警光灯にいち早く気づき、対処が必要な場合は早めに準備することが大切です。

  • 緊急車両には交通ルールが一部免除される「優先通行権」がある。
  • 後続車との事故などを避けるため、無理な減速や停止をしない。
  • サイレン音や警光灯に注意し、進路妨害をしないよう早めに準備。

緊急車両の優先通行権とは?

道路交通法第39条では、緊急車両(緊急自動車)を「消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう」と定義しています。救急車や消防車、警察のパトロールカー(パトカー)などが知られていますが、臓器や輸血用血液製剤の搬送車、電気・ガス事業その他の公益事業において応急作業に使用する車、自衛隊用自動車なども緊急車両にあたります。また、高速道路ではハイウェイパトロールカーやJAFのレッカー車なども含まれます。

人命救助や事故、災害などの救援を目的に使用されるため、緊急車両は通常守らなければならない交通ルールが一部免除されています。例えば一般道路では、緊急走行中でやむを得ない場合に限り、道路の右側にはみ出したり、赤信号の交差点に進入できます。これらを「優先通行権」といいます。ほかにも、一時停止、通行禁止区分などが特例として除外・免除されています。

その一方で、緊急の用務のため運転するときはサイレンを鳴らし、かつ赤色の警光灯(回転灯)を点灯させて走行するというルールが設けられています(道路交通法施行令第14条)。警察車両が最高速度違反などの取り締まりのために走行する場合は、例外としてサイレンを鳴らさないこともありますが、基本的に警光灯はつけなければなりません。

サイレン音の大きさは、その車両の前方20mの位置で90㏈(デシベル)以上120㏈以下であること、警光灯は前方300mの距離から点灯を確認できる赤色のものであることと基準が定められています。

緊急車両が円滑に走行できるように配慮する

緊急車両の最高速度は、一般道路が時速80㎞、高速道路が時速100㎞で、高速道路では一般車両と同じです。

緊急車両に対して、一般のドライバーはその進路を妨げずに走行する義務があります。緊急車両の進行を妨害(緊急車妨害等違反)したり、緊急車両が本線車道に進入するときや本線車道を出るときにその進行を妨げるなどの行為(本線車道緊急車妨害違反)を行うと、交通違反点数が加算され反則金などが科されます。ただし、緊急車両が後方から近づいてきた場合、無理な減速や停止をすると後続車の走行に影響するおそれがあります。制限速度以下で走行車線を走っているときは、緊急車両の進路を妨げないように、安全を確保しながらそのまま走行しましょう。

緊急車両の進路を妨げないように走るには、サイレンの音や警光灯にいち早く気づき、対処が必要な場合は早めに準備することが大切です。例えば、事故などによって緊急車両が出動する際は、多くの場合が渋滞しているものです。そんなときにサイレンを聞いたら、緊急車両の位置を確認した後、速やかに車線を譲る準備をし、緊急車両が円滑に走行できるように配慮しましょう。緊急車両は状況により、走行車線と追い越し車線をまたいで走行したり、路肩を走行することもあります。緊急車両からアナウンスがある場合はそれに従ってください。ラジオなどの音源を一旦停止したり、窓ガラスを開けるなど、アナウンスの内容を聞き取りやすくする方法を実行してください。また、追い越し車線を走行中に後方から緊急車両が接近した場合は、追い越し車線から走行車線に戻るなどの対応も求められます。

2019年10月現在

 

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