[Q]中央分離帯がない高速道路を走るときの注意点

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[A]交通量が少ないなどの理由から、暫定的に片側1車線ずつの2車線で使用されている区間があります。

  • 縁石など簡単な仕切りで車線を突破すると、重大事故になりやすい。
  • 速度超過に注意して、片側2車線以上の道路と同じ感覚で走らない。
  • 中央分離帯など遮る物がなければ、適宜下向きヘッドライトにする。

中央分離帯がない高速道路は多いのか?

高速道路や自動車専用道路は一般的に、中央分離帯で上下線が区切られ、片側2車線以上で構成されています。しかし、交通量が少ないなどの理由から、暫定的に片側1車線ずつの2車線で使用されている区間があります。
中央分離帯を設けていないことから「非分離車線区間」、上下線が隣り合っている場所では「対面通行区間」などとも呼ばれています。
会計検査院の調査によると、暫定2車線道路は全国に約2424kmあり、そのうち7割に当たる約1752kmは樹脂製のポールや縁石ブロックで簡易的に車線を区切っただけの対面通行になっています(2015年度末現在)。2005年から2014年までの10年間に、こうした区間で走行中の車両が対向車線へはみ出した(飛び出した)事故は2208件発生しました。このうち人身事故は677件で、119人が死亡、1281人が負傷しています。このなかで相手が前方不注意により反対車線に突破して対向車と正面衝突した「もらい事故」で死亡したのは28人になります。
これらの調査結果により、防護柵などを備えた中央分離帯の重要性が改めて確認されました。会計検査院では国土交通省や高速道路を管理している各社に対して中央分離帯の安全対策を検討するように提言しています。一部の区間では4車線化も進んでいます。

事故が発生すると重大事故になりやすい?

暫定2車線道路の事故発生時の天気を会計検査院が調査したところ、雪が降っていたり、路面が凍結するような気象条件で重傷・死亡事故が多く起こっていました。しかし、路面が乾いた晴れた日でも重大事故が発生しています。主な原因はスピードの出し過ぎです。
高速道路は、制限速度が80km/hや100km/hに設定されています。これに対して暫定2車線道路では、原則的に70km/h以下となっています。片側2車線以上の高速道路と同じ感覚で走っていると、制限速度を超えてしまうかもしれません。速度超過はハンドル操作のミスやスリップを引き起こす要因にもなります。たとえ見通しがよい道路でも、制限速度を順守して、スピードの出し過ぎには注意しましょう。
事故や故障車の影響で、渋滞が起こりやすいのも暫定2車線道路の特徴です。事故に遭わないようにするには前方を走るクルマに注意をはらい、速度に応じた適切な車間距離を保つことが大切です。また、夜間の走行では、ヘッドライトの照射方向にも気をつけましょう。中央分離帯がない対面通行区間では光を遮る物がなく、ハイビームのままでは対向車のドライバーがまぶしく感じるかもしれません。対向車の走行の妨げにならないように、状況に応じてヘッドライトを下向きに切り替えましょう。

2016年07月現在

 

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