[Q]高速自動車国道と自動車専用道路の違いとは?

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[A]どちらも一般道路に比べて高い速度域で走行できますが、最高速度や料金などに違いがあります。

  • 高速自動車国道は広域の全国展開、自動車専用道路は地域交通用。
  • 指定速度のない区間は、最高速度が100km/hと60km/hの違いがある。
  • 自動車専用道路は、50km/h以上出ない車両も通行できる場合がある。

高速道路には高速自動車国道と自動車専用道路がある

私たちが利用する高速道路は、高速自動車国道と自動車専用道路の2つに分けられます。どちらも一般道路に比べて高い速度域で走行できますが、最高速度や料金などに違いがあります。
高速自動車国道は都道府県をまたぎ、全国的に展開している高速道路ネットワークで、道路法第5条でも、国道と併せて全国的な幹線道路網を構成したものと記してあります。これに対して自動車専用道路は、同じ道路法の第48条の2に定義があり、交通集中による渋滞が頻発したり、騒音の影響が大きかったりする市街地や周辺地域の高速道路以外の道路について、自動車のみ通行できることを供用開始前に指定したものとあります。スムーズな地域交通を目的として建設された道路であり、距離は比較的短く、国道以外に都道府県道もあります。
高速自動車国道では、高速自動車国道法第10条にあるように、他の道路や鉄道などとの交差は立体交差にしなければならないと定めています。自動車専用道路についても道路法第48条の3で、同様の制限があります。よってどちらも一般道路からの出入りをインターチェンジなどで行うことになります。
高速自動車国道と一般国道の自動車専用道路を一括して「高規格幹線道路」といいます。こちらは1987年に閣議決定された第四次全国総合開発計画で位置づけられたもので、全国の都市・農村地区から1時間程度で利用が可能となるよう、約1万4000kmの道路網で形成されています。
高規格幹線道路は「~自動車道」という名称を用いるのが一般的です。「~高速道路」という名称の道路は意外に少なく、現在は名神高速道路、新名神高速道路、東名高速道路、新東名高速道路の4路線があります。名神は1965年、東名は1969年に全線開通と歴史が長く、建設当時から馴染みのある「~高速道路」という呼び名が定着したためといわれています。

制限速度や料金に違いはあるの?

高速自動車国道は普通乗用車の場合、道路交通法施行令第27条によって最高速度100km/h、第27条の3によって最低速度50km/hに規定されています。ただし、これは高速自動車国道の本線車道、加速車線または減速車線の速度指定のない区間に限ったものです。登坂車線は本線車道には含まれないので、最高速度は60km/hです。また道路の構造上往復の方向別に分離されていない、いわゆる対面通行の場合も60km/hになります。
自動車専用道路の最高速度は、速度標識がない時の法定最高速度は一般道路と同様に60km/hに規定されていますが、標識や標示によって70km/hや80km/hに引き上げている区間もあります。最高速度が指定されているところでは、道路交通法第22条にあるとおり、この指定が優先されます。法定最低速度の規定はないので、故障車を牽引している自動車や農耕作業車のように、50km/h以上の速度が出ない車両でも通行できます。ただし道路交通法第23条にあるように、標識などにより最低速度が指定されている道路では、その速度に達しない速度で進行してはいけません。
自動車専用道路を走行する際に注意したいのは、どちらも高速道路なので高速自動車国道と同じ感覚でスピードを出してしまうことです。速度標識に注意を払い、最高速度を順守しましょう。
なお、高速自動車国道と自動車専用道路は、前者は高速自動車国道法第4条、後者は前出の道路法第48条の2で、自動車が通行する道路と定義されており、歩行者、軽車両、原動機付自転車(原付)は通行できません。ここでいう原付は、道路運送車両法第1条で定められたもので、2輪については総排気量125ccあるいは定格出力1kW以下、2輪以外(ミニカーなど)については総排気量50ccあるいは定格出力0.6kW以下となっています。
高速自動車国道の料金については、道路整備特別措置法で定められています。従来は2065年までは有料で、その後無料化される予定でしたが、2023年にこの期間を最長で2115年まで延長することを盛り込んだ改正法が成立しました。
ただ、近年は東日本・中日本・西日本の高速道路会社を通さず、国と地方自治体で建設費用を負担する「新直轄方式」を取り入れ、無料になっている区間も増えています。自動車専用道路は高速道路会社は関与していないので、無料としている区間も多くあります。一方で歩行者や軽車両も通行できる一般道路の有料道路も、橋やトンネルなどに存在しており、高速道路=有料道路ではない点には注意が必要です。

2023年08月現在

 

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